データ
白亜紀後期のニューメキシコ州に棲息していたティラノサウルス上科の獣脚類。かつてはダスプレトサウルスの一種と考えられていたが、その後の研究で新種と判明し、2010年にビスタヒエヴェルソル・シーレイと命名された。属名は発掘地の原住民ナバホ族の言葉で「粘土層のある場所」を意味するビスタヒと、ラテン語で破壊者を意味する「eversor」に因んで「ビスタヒの破壊者」を意味する。
全長8~9メートル・体重2トン程と、ダスプレトサウルスと同じくらいの大きさだったが、棲息した時期はダスプレトサウルスより後の時代であった。共存した植物食恐竜にはペンタケラトプスなどがおり、それらを獲物にしていただろう。
記載当初はティラノサウルス科ではないと考えられたが、2013年の系統解析ではティラノサウルス科の中でもダスプレトサウルスよりティラノサウルスに近縁という結果が発表された。しかしティラノサウルス科の中では歯の本数が64本と多く、これは原始的な特徴だったため大きな謎であった。だが2016年の系統解析ではティラノサウルス科の外に出される結果が出され、妥当な本数だったと分かった。