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ファタモルガーナの館

ふぁたもるがーなのやかた

ファタモルガーナの館とは、Novectacle制作の同人ゲーム。公式ジャンルは「西洋浪漫サスペンスホラー」
目次 [非表示]

「彼らの魂に永劫の苦しみを」

概要編集

悲劇と絶望の西洋浪漫サスペンスホラー。

2012年12月31日に初公開となった。

全八章構成だが、四章までは実質序章と言っても良い。


ドラマCD化もされた。2014年12月28日発売。


ニンテンドー3DS(2016年)、プレイステーション・ヴィータ(2017年)、プレイステーション4(2019年)、ニンテンドースイッチ(2021年)移植版も発売されている。CERO:D(17歳以上対象)。

VITA版で現代編が追加された。イラストがアニメ調に変更、ボイスが追加された。



ゲームシステム編集

吉里吉里製のノベルゲーム。

エンディング数は八つ。他、デッドエンドが多数存在する。


また、製作者によると、ファタモルガーナの館のシナリオ構成は「ダンガンロンパ」を参考にしているところがあり、PCノベルゲームよりもコンシューマゲームの構造に近いとのこと。


ストーリー編集

 「あなた」は気づけば、古ぼけた屋敷にいた。

 目の前には、「あなた」を旦那さまと慕う、翡翠の目をした女中がいる。

 しかし「あなた」には記憶がなく、自分が何者なのか分からない。

 そんな「あなた」に、女中は屋敷で起きた数々の悲劇を見せるという。

 そこに、「あなた」の痕跡があるかもしれない……。



 最初の扉は1603年。

 豊かな薔薇が咲き誇る、美しい時代に、仲睦まじいローズ兄妹がいた。

 彼らには一切の不安も、不幸の陰りもないように見えたのだが……。


 二番目の扉は1707年。

 その時代、屋敷は荒廃していた。その屋敷に住み着いた獣は、平穏な世界を望むものの

 やがて獣本来の暴力性を抑えられなくなり、虐殺に走ることとなる。


 三番目の扉は1869年。

 この時代、文明の発達により人々は急いた生活を送っていた。

 鉄道事業に身を乗り出す資産家の青年は、

 金と権力を追うあまり自分の妻をないがしろにしていく。


 四番目の扉は1099年。

 女中はこれが最後の扉だと告げる。

 その時代にいるのは、自らを「呪われている」と告げる青年と、

 魔女の烙印を押された白い髪の娘≪ジゼル≫だった。



 「あなた」は時代と場所を超えた四つの悲劇を目撃する。

 これらを物語として終えてしまうのか、あるいはその先を求めるのかは……

 「あなた」次第だ。



 しかし、どこかの誰かはこう言うだろう。


 「他人の悲劇だから耐えてこられたんだよ」


登場キャラクター編集

メインキャラクター編集

※CVはドラマCD。

館の女中

CV:瀬戸麻沙美

館の女中。年齢不詳の謎めいた女性であり、常に微笑みを浮かべている。巨乳。

白い髪の娘に対して従順な態度をとる。「あなた」を館の主人だと呼び、「あなた」の記憶を取り戻させるために館で起こった悲劇を語り聞かせる。一章から四章までは彼女が語る形式で物語が進んでいく。

「あなた」の鍵を握る重要な人物で、時代を超えて全ての悲劇に関わってくる。


メディアミックス「薔薇と椿とファタモルガーナ(以下コラボ作品)」では、白い髪の娘に対して、館にいる呪われた悲劇のヒロインたちをその手で救済してほしいと依頼する。

また、物語の後半では、白い髪の娘が後述の魔女・モルガーナと対等に戦えるかを見極めるために対戦相手となる。この際、女中は恐ろしさからモルガーナの名前を口にできず、白い髪の娘から「まるでヴォルデなんとかさんのようですね」とツッコミを入れられる。

「そう……どんなことがあっても、わたくしの手を離さないで」


ミシェル

CV:櫻井孝宏

フルネームは「ミシェル・ボランジェ」

感情表現に乏しく滅多に笑うことのない青年。たった一人でいわくつきの館に住み続けている。

ミシェルが登場するのは四章からだが、二章の終わりに姿見に触れることで記憶を垣間見ることが出来る。館の呪いに関わる重要な人物。

「垂れ幕に触らないで下さい。窓もです」


白い髪の娘

CV:能登麻美子

純白の髪と赤い瞳を持つ美しい少女。

大人しく控えめな性格で、落ち着いた口調で話す。他者に対して非常に献身的。本作のヒロインの一人であり、転生しているかのように時代を超えて何度も登場する。善人だが不幸な目に遭い続けてしまう。原作では物語の章により姿と設定が異なる。


コラボ作品では、原作第一章の女中の姿をしている。

謎の館で目覚めた直後、近づいてきた女中から使命について聞かされ、館の人々にかけられた呪いをビンタで解放していく。その女中とのやり取りでは、白い髪の娘が「ここに来る前、二十時間ぶっ通しで似たような設定のゲームをやってきた」と発言し画面上に『ファタモルガーナの館』の画像が表示されるというメタフィクション的なくだりがある。

「薔薇は……白かったんです。私が触れるまでは……」


ネリー

CV:阿澄佳奈

ローズ家の長女であり、気が強く我がままな少女。フルネームは「ネリー・ローズ」。十四歳。

兄のメルを「王子さま」と言って慕っているが、婚約者の話に頭を悩ませており、弱気を見せる時がある。


コラボ作品では白い髪の娘に対し、自身が慕う兄(メル・ローズ)をたぶらかしてローズ家を乗っ取ろうとしていると主張し、決闘を申し込んでくる。

「お姫さまをちゃぁんとエスコートしてね」


メル

CV:保志総一朗(少年期)/下田麻美(幼少期)

ローズ家の長男であり、物腰の柔らかい青年。十七歳。

妹のネリーによく振り回されている。ぼんやりしている時が多いものの、神父に熱心に引き抜きを受けるくらい勉強は出来る。白い髪の娘に出会い、心を揺さぶられる。

「君の好きなこと。何でもいいんだけどさ」


ポーリーン

CV:豊崎愛生

貿易商の男を恋人に持つ女性。二十二歳。

自身も貿易商人の娘である。日本人の血が混ざっており、黒い髪と黒目をしている。

一途で純粋だが、一度信じたことは否定出来ない盲信的な部分もある。しかし、恋人の訃報を信じられず、故郷を飛び出して探しに出てしまう。


コラボ作品ではマリーアよりもさらに胸元が大きく開いた服を着ているが、白い髪の娘はそれを見ないように努める。一見すると呪いにかかっていないようだが、悪霊に憑りつかれている。

対戦時には、ビンタではなく鞘に収めた日本刀を振りかざす。白い髪の娘からビンタされても表情を変えないが、代わりに背後にいる悪霊が苦悶の表情を浮かべる。

「だって、私が証明しない限りあの人はいないままよ」


貿易商の男

CV:鈴村健一

真面目でとっつきにくい雰囲気を持つものの、ポーリーンの前では誠実であった船乗りの男。

二十五歳(故人)。

海難事故に遭遇し、命を落としたと言われている。日本人であり、名前は「ユキマサ」。

「もちろん――ポーリーン。時間の許す限り、一緒に」


マリーア

CV:堀江由衣

屋敷に勤めるメイドの一人。フルネームは「マリーア・カンパネッラ」。二十四歳。

明け透けな性格で、白い髪の娘の良き味方となる。ヤコポとも幼馴染の関係であり、お互いに冗談を言い合える仲。とある場面では胸元が大きく開いて胸が強調されている服を着ている


コラボ作品ではその姿に目が釘付けになった白い髪の娘から「下着広告の人」と勘違いされたことで激怒する。

「そそ、聖母マリア様ってね。……今の、笑うとこ!」


ヤコポ

CV:諏訪部順一

鉄道事業に身を乗り出す事業家の男。フルネームは「ヤコポ・ベアルザッティ」。二十六歳。

権力と金しか信じられなくなった野心家であり、望みを叶えるためにあらゆるものを切り捨てる冷酷さを持ち合わせている。

出自も関係し、他人を信じることの出来ない性格になってしまった。妻帯者で、かつては妻を愛する優しい夫だったが、前述のように他人を信じられない性格になったことから次第に妻にも冷たく接するようになってしまう。ツンデレ馬鹿野郎。

「何度言えば分かるのだ。愚図め、その耳は飾り物か?」


【ネタバレの人】

人気投票でも二位を獲得したキャラクターだが、その性質上記載することが出来ない。


モルガーナ

CV:小清水亜美(ドラマCD、現代編)

館に棲む呪われた魔女と言われている諸悪の根源。右手が骨と化している。

彼女の存在は不明であり、モルガーナが「誰」なのかという点も解くべき謎の一つである。


コラボ作品では挑発の言葉を発しながら登場するが、白い髪の娘から可愛らしいと言われて取り乱し、自身の恐ろしさを必死にアピールする。



サブキャラクター編集

ハビ

CV:梶裕貴

ポーリーンが訪れた村に住む少年。ベステアに両親を殺されている。

最初は心を閉ざしており、ポーリーンにも冷たく接していたが、彼女と何度も会ううちに次第に心を開いていく。


ジゼル

CV:瀬戸麻沙美(現代編)

首都を追放され、館に連れて来られた女性。

館に一人で住んでいたミシェルと出会い、交流を重ねるうち彼の心を開いていく。

商家の娘で妹と母の為にミシェルの家に女中として働く。だが、ミシェルの父に陵辱を受ける羽目となる。それを不貞行為と糾弾されてしまう。


アメデ

ジゼルを保護した館付近の村に住む村人。

ジゼルにプロポーズし、断られる内に邪悪な意志が湧き、彼女へと向けられる。


ヘイデン

ローズ家兄妹の祖父。礼儀作法にうるさいが良いお爺ちゃん。


トマゾ

ヤコポのファミリーの一員。金遣いが荒い。


風景画の男

喋る風景画。言動が軽いが、序盤の和ませ役。


ベステア

館に住み着いていた「獣」。偶然館の女中と出会い、彼女に人間らしい所作や言葉を教えてもらったことで人間として振舞うようになるが、ある事件を機に残虐な本性を現し、やがて館に迷い込んできた人間を惨殺するようになる。

後に館に迷い込んだ白い髪の娘と出会い、彼女と交流を重ねたことで人間らしさを取り戻したが…


エメ

とても可愛らしい女性。

ジョルジュの妻。最初はミシェルと仲良くなるが、その裏の顔を暴かれる。

その腹いせにミシェルの世話を買って出て、虐待を始める。


ディディエ

ミシェルの長兄。教会の騎士団に所属している。武骨で筋肉隆々で長男らしい責任力の高さを持つ。

ミシェルのことを大事に思い、父の暴走を止めるべくミシェルを館に幽閉して逃がす。

10年来連絡を取らなかったが…騎士団の魔女退治としてミシェルを殺害する。


ジョルジュ

ミシェルの次兄。画家志望で次期当主。飄々して陽気な性格。

ミシェルを大事に思っているが、ミシェルの変化に何も行動できなかった。


外伝(新規登場人物のみ記載)編集

イメオン

病気で迫害された青年。ある事情でミシェルの館に辿りついた。


ジェレン

娼館で働く娼婦の一人。褐色肌の明るい十六歳の少女。

重い過去を背負っているが悲壮感は感じさせない。ムードメーカーであり、他人に気配りも出来る。

独特な一人称と口調をしているが、過去に出会った人物に影響を受けている。


グラシアン

奴隷解放で主人公の仲間となった剣闘士の子孫の男。粗野で明るく、難しいことはあまり考えない性格をしている。剣に長けており自警団の中心的な人物となる。


ジャン=フランソワ・バルニエ

残虐な領主であり民衆の反感を買っている。かつて聖女を見世物にしていたことがある。


オディロン

領主の右腕となる執政の老人。家族はバルニエの命令により殺されている。



関連イラスト編集

せんたくせんたくファタモル初版特典

【祝】ファタモルガーナの館、発売!.


関連動画編集


外伝・メディアミックス編集

2014年、FLASHゲーム『薔薇と椿』とコラボした『薔薇と椿とファタモルガーナ』が無料配信された。


2015年8月に、前日譚を描く『ファタモルガーナの館 -Another Episodes-』が発売された。


ノベライズ編集

PHP研究所版は一冊完結であり、結末が異なっている。


GA文庫版は全5巻が刊行されており、基本的にゲーム本編と変わらない流れで描かれている。


コミカライズ編集

秋田書店「ミステリーボニータ」2014年9月号から2017年9月号まで連載された。コミックス版は既刊1巻、電子書籍版は全5巻。



関連タグ編集

同人ゲーム


外部リンク編集

公式サイト

コンシューマー版公式サイト

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