概要
双子葉植物カタバミ目のうちフクロユキノシタ科フクロユキノシタ属に分類される多年生食虫植物の一種。前述した科と属の唯一の種でもある。学名は「Cephalotus follicularis」。
名前に反してユキノシタ(ユキノシタ目に属する)とは全く別。名前の由来は、袋状の捕虫葉を持ち、ユキノシタに花の形状が似ている事から。
オーストラリア南西部の湿地のみに自生し、日本含めて世界中に観葉植物として流通する。
捕食葉は地面に横たいた袋状で、背面に縞模様の蓋、開口部にばねのような凹凸、外壁にふさふさな隆起線が3本生えている。日当たりが充分な環境に育つと紫色が目立つ。
捕虫葉と偽葉(葉状に変化した葉柄)はウツボカズラに似ているが、茎は目立たなく、偽葉は捕食葉の蓋の後ろに接続する点が異なる(ウツボカズラは茎が目立ち、偽葉から蔓が伸びて捕食葉の下部に繋ぐ)。系統的にもウツボカズラ(ナデシコ目に属する)とはかけ離れており、両者の類似はいわゆる収斂進化である。
捕食方法はウツボカズラやサラセニアと似た落とし穴式で、捕食葉に落ちた虫を内部の消化液で補殺する。蓋は一部が透明であり、雨水を防ぎながら、中に入った虫を撹乱する(透明部分が出口だと勘違いさせる)効果も果たしている。
花は白くて小さく、長い花茎の先端に複数集まる。