諸元
名称 | HER-2S ヘルメスⅡ |
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重量 | 40トン |
エンジン | ピットバン240 |
歩行速度 | 64.8km/hkm/h(6MP) |
走行速度 | 97.2km/hkm/h(9MP) |
ジャンプ能力 | なし |
放熱器 | 10基 |
武装 | オートキャノン5x1 |
中口径レーザーx1 | |
火炎放射器x1 | |
価格 | 3,165,680 Cビル |
概要
主に自由世界同盟で使用されている中量型メック。初出はメック戦士の操縦技術以外の成長要素や各種装備の値段を設定しTRPG要素を加えたメックウォーリア―TRPG。
本機にⅡというナンバリングが付与されていることから察せられる通り、もとはといえば同国の主要軍需企業であるイリアン・バトルメックス・アンリミテッドにて製造されていたヘルメスという機体を元に設計しなおした機体である。
というのも前世代機のヘルメスは30トンクラスでありながらスパイダーやローカストをも上回る速力を誇り(が、装備の都合上ジャンプできない)中口径レーザーと火炎放射器で攪乱する能力を持っていたが、装備重量を確保するためにエンドウ・スチールという高度な技術を用いていたため継承権戦争が勃発して文明が衰退して以降作成できなくなり機数を確保するのが難しくなっていた。
そのため2798年にロールアウトしたのが現行技術で作成可能なレベルにデチューンされた本機ヘルメスⅡである。
但し重量はだいぶん増えて40トンと中量級並みになっており、エンジンを妥協して240に換装した結果(原型機がだいぶん無茶な設計をしてたのでしょうがないのだが)速力は三分の二ほどに落ち、装備重量がやや少ない劣化フェニックスホークといった印象を受ける。(基本移動力6MPが装備重量最大になるのは45tと50tの計20トンで、40tは18.5トンとやや少ない。)
扉絵イラストではいかにも飛べそうなウィングを持っているし原語版でも見た目はともかくウィングはあると設定されているが実際にはこれは放熱用の装置らしく(といっても追加放熱器ではない)この点でもフェニックスホークに劣り平野部での機動力はともかく山間部での運用には向いていない。
また、元が攪乱用だったため中口径レーザーはともかく対歩兵・装甲車輛用の火炎放射器まで残っており、エンジンと重量調整で余裕ができた装備は装甲とAC5に割り当てられた。そのため、原型機よりも防御力はだいぶん上がったがボドゲ版だと同クラスのメックの中でもパンチ力のなさが半端ない。
総じて自分が使うには火力も機動力も物足りなさが半端ないが、自由世界同盟が継承権国家の中でも国情がガタガタでわりと市場に機体や部品が出回っているという背景設定のおかげで、TRPGのメックウォーリア―で序盤のザコとして出すにはうってつけである。
のちに自由世界同盟はコムスターというこの世界の星間通信を受け持つ宗教組織の過激派カルト集団である『ワードオブブレイク』と密接な関係を持ってしまい、ヘルメスⅡは同教団の尖兵となってしまうという壮大なやらかしをしてしまうのだが・・・。
改造
ライフルマン並みとこのクラスとしては悪くない装甲はまぁいいとして、AC5と火炎放射器のデッドウエイト感が半端ないのでこれらを大口径レーザーとジャンプジェットに換装し、残りは中口径レーザーをもう一門と放熱器をもう一基といったところだろうか。あるいは大口径レーザーの代わりに5連装長距離ミサイルを2問と弾薬を1トン積んで射程5~6ならそこそこ侮れない火力が出せるようにするという手もある。
「元機体の面影、ほとんど残ってませんね。」「劣化フェニックスホークじゃね?」と言われればそれまでなのだが。
大口径レーザーより射程でわずかに勝る火器を持つという標準仕様の特色を残してフェニックスホークとの差別化を図るなら、AC5を粒子ビーム砲に換装してしまうという手も考えられる。この手の改造は発熱量が激変するので浮いた重量を放熱器に回して少しでも排熱能力を高めるのがセオリーだが、本機は他に熱源となるような長距離火器もジャンプジェットもないのでそれほど熱管理は厳しくない。遠近での使い分けを前提に近距離火器を増設するなり、中距離戦での中口径レーザーの併用や不時の熱量増大(火災ルールを使用して火炎放射器を活用するなら特に)を意識して放熱器を積むなり、搭乗するメック戦士の戦術思想が表れるところだろう。
STEAM版には残念ながら登場していないが、仮に本機が使用可能な場合あまりに装備重量に余裕がないので折角本作で使い勝手が強化されたAC5も外して大口径レーザーとジャンプジェット辺りに置き換えられるかもしれない。派生機には採用された痕跡がないことからミサイルはハードポイントの都合上採用されない可能性がある。あとは近接火器のハードポイントがどれぐらいになるかにより、火炎放射器は採用されるか否かが決まるかも。