CV:松田洋治
人物
発掘した巨神兵を、巨神兵の力を狙うトルメキアに占領された工房都市ペジテ市の王族。
ラステルという双子の妹がいたが、ラステルは人質として巨神兵と共にトルメキアに連れていかれる途中で、乗せられていた飛行船が蟲の襲撃を受けて風の谷に墜落してしまい、ナウシカに看取られて亡くなった。
本来の性格は年相応の気さくで明るい少年だが、初登場時はトルメキアに自分の故郷を蹂躙されたことで憎悪の塊となっており、単身ガンシップに乗り込み、トルメキア軍の飛空船団を襲撃して大損害を与えた。しかしコルベットに撃墜され腐海に不時着して蟲に襲われていたところをナウシカに救われたことで行動を共にする。
ナウシカと共に腐海の真実を知り、トルメキア兵を一掃するためとはいえペジテの街や風の谷をも犠牲にしようとする父の考えに反抗し、ナウシカを風の谷に帰そうとするが、ペジテの男たちに気絶させられ、ナウシカは囚われの身になってしまう。しかし、母をはじめとするペジテの女性たちの協力を得てナウシカを逃がすことに成功する。その後、アスベルたちの乗った船はトルメキア兵たちに占拠されてしまうが、自決寸前にユパに助けられる。トルメキア兵たちから解放された後は、ユパと共に風の谷に向かい、遠くからナウシカが起こした奇跡を見守る。
エンディングではナウシカと再会し、笑顔で彼女の活躍をねぎらっていた。スタッフロールでは、ペジテの住民と共に風の谷に移住して暮らしている様子が描かれていた。
原作は劇場版と違い、裏方に徹する役回りである。主人公のナウシカがどんどん超人じみた活躍を見せはじめ、他のレギュラーキャラを喰ってしまったせいもあり、影が薄い。とはいえ、工房都市出身という設定を活かして、壊れたメーヴェや(風の谷の)ガンシップを修理したり、ユパからは「いい船乗りだ。落ち着いている」、クロトワからは「大した奴だ。俺の弾幕をかわしやがった」と評される操船・操縦技術を持っていたり、土鬼語が話せたり(もっともナウシカは主要な土鬼関係者とはほぼ念話で会話しているし、ケチャもエフタル語を話せるのであまり使う場面はなかったが)と要所要所で見せ場は用意されている。
ナウシカとも中盤に離れ離れになったきり最終盤まで合流することは無かったが、ユパらと行動を共にしていたためか出番自体はそれなりに多く、最終決戦の舞台となった聖地シュワの墓所にも単身潜入してナウシカをサポートし、最後まで無事に生き延びた。
劇場版ではナウシカと交流を続けている様子が描かれていたが、原作ではナウシカと離れ離れになっている間にドルクの少女ケチャと親しくなり、最終的にケチャと結ばれている。
当初のプロットではナウシカのお相手になるはずだったらしいが、宮崎氏が「くっつきそうだからあえて外した」との旨の発言をしている。