ペンテシレイア
ぺんてしれいあ
トロイア戦争は、アカイアのアガメムノン王率いるギリシア遠征軍と小アジアのトロイアの戦いでペンテシレイアはトロイア側で参戦したアマゾーン(アマゾネス)の女王。
アマゾネスの女王オトレーレーが軍神アレスとの間にもうけた娘の一人。
姉妹のうち、ヒッポリュテー(ヒッポリュテ)、アンティオペーもまたアマゾーンの女王を務めている。女王でない姉妹としてメラニッペーがいる。
(古代ギリシアには複数の王家が何人かの君主を輩出する制度を持つ国家があった。)
トロイア戦争において戦死したヘクトールを補う援軍として彼女とその部下たちがトロイア勢に加わる。
女神のごとき美貌と戦技を誇るペンテシレイアは、次々にギリシア軍の英雄たちを薙ぎ倒すが、無謀にもヘクトルを倒したアキレウスに挑戦する。しかしその結果、一騎打ちに敗れ、死亡する。
またアキレウスは、死んだペンテシレイアを見て、その美貌のあまり殺したことを後悔した。
彼女の魂がノコギリソウに姿を変えたエピソードは、のちに学名「アキレア」(アキレウスからの変形)の由来となった。
トロイア戦争を描いた作品ではホメロスの『イーリアス』が最も著名だが、『イーリアス』が扱うのはアキレウスの怒りからヘクトールの戦死までの期間であるため、ペンテシレイアは登場しない。
強い女性のリーダーというイメージのキャラクターが定着している。
リュコプローン
リュコプローンは、プトレマイオス朝エジプトの王フィラデルフス2世の時代に活躍した学者。
彼によればペンテシレイアと共にトロイア戦争に参戦した12人の従者の一人、クレテが戦死したペンテシレイアに代わってアマゾンの女王になったとしている。
「ホメーロス」以後
ギリシアの叙事詩人スミュルナのコイントスが残した。トロイア戦争に関して記した現存する最古の書物とされる。全14巻。
トロイア戦争の全ての場面について記し、ペンテシレイアの登場する場面を含む。またホメロスの『イーリアス』と違い、アキレウスの死後まで扱っているため、有名なオデュッセウスの計略トロイの木馬が登場する。
「アエネーイス」
古代ローマの詩人、ウェルギリウスによるトロイア戦争を描いた文学作品。
アエネーイスとは、トロイア軍の武将でローマ建国の祖ロムルスの先祖にあたる。ローマにとっては伝説的な英雄の一人であり、ウェルギリウスが生涯最後にして最大の作品の主人公に選んだ。物語は、アエネーイスが陥落したトロイアから脱出し、新天地イタリア半島にまで流れ着くまでを描く。
この物語でもペンテシレイアは、劣勢のトロイを救う援軍としてやってくるが戦死してしまう。
名婦列伝
イタリアの文学者ジョヴァンニ・ボッカッチョの作品。神話や歴史上で活躍した女性たちを評論したもの。
この中でペンテシレイアを例にとって「訓練により彼女は生まれつきの男性以上に男らしい戦士になった」とした上で「実践経験は自然の形質を変える可能性がある。性差は生まれつきによるものではなく、教育や訓練によって作られる」と唱えた。
騎士道物語
中世の騎士道物語にもペンテシレイアはキャスティングされている。
当時としては珍しい女性知識人で最初のフランス文学女性作家と呼ばれるクリスティーヌ・ド・ピザンの「女の都」、修道士ジョン・レッジゲイトの「トロイの本」などに登場した。
これらでは、アキレウスに殺された英雄ヘクトル(ヘクター)とペンテシレイアが恋仲という設定になっていたり、悲劇的なヒロインとして広まった。
またヘクトル、アーサー王、カエサルなどを騎士道を体現する理想の君主像としてキリスト教圏で信じられた九偉人に対し、女性版の九人の一人として挙げられることがある。
戯曲「戯曲ペンテジレーア」
ドイツの戯曲家、ハインリヒ・フォン・クライストの作。クライストの波乱万丈な体験と個性的な性格が現れ、もっともクライスト的な作品と呼ばれる。作品の一部を掲載した雑誌を送られたゲーテが返信の中で「理解できない」と評した。
こちらではアヒレス(アキレウス)がペンテシレイアに敗れ、しかも食べられてしまう。
「エルフクエスト」
イギリスBBCのラジオ・ドラマ番組。ファンタジー作品だが、真面目なものではなくコミカルな作品。
登場人物ペンティセレア・ザ・ウォリアー・プリンセスのモデル。戦士として育ち、男という概念を知らない。
「スペース・パトロール-宇宙船オリオンの素晴らしい冒険」
ドイツのSFテレビドラマ。スタートレックのドイツ版。ドイツ語版タイトルは「Raumpatrouille – Die phantastischen Abenteuer des Raumschiffes Orion」。
ドラマのエピソードの一つでペンテシレイアは女性だけの惑星の支配者として登場する。
Fate/GrandOrder
第1.5部2章「伝承地底世界アガルタ」にてバーサーカーのサーヴァントとして登場。当初は真名(正体)が隠されており、「エルドラドのバーサーカー」と呼ばれた。
上述した死の間際にアキレウスから「美しい」と言われたことを「戦士としての誇りを汚された」と思っており、それゆえに若い姿で現界している。
また、アキレウスに対して強い恨みを持っており、似た存在(=ギリシア神話出身の者)もアキレウスと誤認して襲い掛かる。
その他詳細はペンテシレイア(Fate)を参照。
コメント
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すべて見る私と貴方とその全て〈上〉
遂にこの時が来ました。 ペンテシレイア様推しすぎ案件。 噛み砕いて言うと、 ぐだ子ちゃんが死ぬ迄ペンテシレイアは一生彼女のサーヴァントで有り続け、ぐだ子ちゃんは一生ペンテシレイアのマスターで有り続けるという姉妹の契りを二人が交わすまでのお話。 独自設定(姉妹の契り等)があります。 あと、ペンテシレイアの姉様呼びは公式ではありませぬ。 申し訳ございません。 いつか彼女がお姉ちゃんを呼んでくれる日が来るのかな…!? 〈下〉では、ぐだ子ちゃんとペンテシレイアの過去が描写される予定でございます。 朝焼けがとっても綺麗な表紙、お借りしました。ありがとうございます。⤵︎ ⤵︎ https://pixabay.com/ja/photos/朝焼け-朝日-海-空-鏡面-2753561/6,510文字pixiv小説作品Ecce Homo
「Ecce Homo(見よ、この人あり)」 ペンテシレイアの小説です。マスターを護り、かつて亡きヘクトールに誓った同盟の誓約を果たすための彼女の選択は、エルドラドのバーサーカーとしては選ぶことのできないものだった。 2019年5月3日に発行されたサーヴァントの自害をテーマにしたアンソロジー「私が私を死に至らしめる」に寄稿した作品です。寄稿時はページ制限があったため、字数の調整をいたしましたが、再録にあたり、字数を調整する前の全文を公開いたします。 ※FGOマテリアル記載のペンテシレイア第二宝具とそれにまつわる設定のネタバレを含んでいます。 美しい青薔薇の表紙はヨシュケイ(https://www.pixiv.net/users/2532816)様よりお借りしました。加工可とのことでしたので、作品タイトルをこちらで入れさせていただきました。ありがとうございました。6,938文字pixiv小説作品私と貴方とその全て〈中〉
今回はペンテシレイアの過去編です。 普通にペンテシレイアの昔の話だけなので、《上》を読んでいない方でも話は殆ど分かって頂けるかと思います。 ペンテシレイアは女王モードじゃない時は意外と末っ子気質なのかなぁ、と思いまして。 お姉ちゃんが二人もいたんじゃあなぁ。お姉ちゃんに依存しちゃいそうだなぁ、という。 凄く妄想で盛られていますけれど、実際こんな感じなのでは、と。 本当はぐだ子ちゃんの過去編も入れようと思ったのですが、思ったよりもペンテシレイア様の過去が長くて…。 次になりそうです。 ペンテシレイア様も重いですがぐだ子ちゃんも重くなりそうだなぁ。 メンタルが殺られる。 追記:出してから半年ほど立った時点でヒッポリュテ姉様が赤毛な事が判明致しました。皆様に白髪というイメージを付けてしまいましたこと、大変申し訳ありません。 しかし、姉妹で髪の色って違うものなのですかね…?まあ、何色でも(地毛でも、染めていても)可愛いのですが。11,743文字pixiv小説作品