概要
生没年月日:1907年10月9日生、1930年2月23日没
ナチスの党歌『旗を高く掲げよ』の作詞者。
敵対する共産党傘下の組織の構成員によって殺害されたため、死後は殉教者としてさかんに宣伝され、彼の名を冠した病院やら部隊やらが大量に誕生した。
死の真相
死の経緯がなかなかに酷いことで有名。
ヴェッセルは愛人である娼婦の下宿に転がり込んでいたのだが、下宿代を一人分で済まそうとしたためにブチ切れた大家が共産党の私兵部隊である赤色戦線戦士同盟に所属している知人に解決を頼んだ。
しかし、その共産党員の知人は女の元愛人だったため、問答無用で容赦なく恋仇のヴェッセルを銃撃、ヴェッセルは死亡に至ったのである。
その経緯を聞いたゲッベルスは、昼ドラ要素を差っ引いて『共産党員の銃撃で倒れた』いうところだけを抜き出して強調。彼が作詞した歌のごとく、赤色戦線の弾に倒れ、その魂が突撃隊の隊列と共に歩んでいるのだとして、ミュンヘン一揆の血染めの旗と並ぶナチスの神話となったのである。
当然、こんな見解を敵対している共産党が認めるわけがなく、ヴェッセルの葬式には共産党のデモ隊が押しかけてきて乱闘騒ぎになった。
さらに当初は党首のヒトラーでさえ、ヴェッセルの死について冷めた目で見ていた。
その後、ドイツが再統一してからヴェッセルの墓は極右の巡礼対象、極左の破壊対象として再び注目を集めだして問題になったため、2013年に墓が撤去された。