基本情報
和名 | 不明 |
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流通名 | ホンコンプレコ、ホンコンヒルストリームローチ |
学名 | Pseudogastromyzon cheni or Pseudogastromyzon myersi |
分類 | コイ目 ドジョウ上科 ガストロミゾン科 Pseudogastromyzon属 |
体長 | 4~6cm |
分布域 | 香港島、中国広東省、ベトナム? |
概要
ガストロミゾン科に分類される淡水魚で、観賞魚として流通する。
プレコという名前だが、姿や生態が似ていた為にそう呼ばれているだけで、実際はナマズの仲間ではなく、ドジョウの仲間である。
姿がそっくりな2種が混同されてホンコンプレコと呼ばれており、その違いは総排泄孔(要はケツの穴)の位置が違うだけらしい。
そんなの分かるか!
ちなみに流通するほとんどはP.cheniで、P.myersiはたまに見られるくらいだそう。
形態
大きく発達した胸鰭と腹鰭が特徴的で、顔は丸い。
ドジョウの仲間なので、よく見ると口元に髭がある。
体色は薄い茶色に黒褐色の細かい模様があり、背部には大きな斑紋が並ぶ。
成魚(特にオス)は背鰭が赤、黒、黄色に染まり、大変美しい。
生態
ホンコンの名の通り、香港とその周辺の中国大陸が分布域で、河川上中流域の渓流環境に生息する。
吸盤状に発達した胸鰭と腹鰭で石などに吸い付き、付着藻類や水生昆虫などを食べる。
同種や近縁種、藻類食の魚と餌を巡って激しく争うが、トゲや歯などの武器は特にない為、相手を傷つける事は出来ない。
喧嘩中は体色が薄くなり、背部と頭部に黒い筋状の模様が現れる。
石の下の砂に穴を掘って産卵する。
野生では同所的にホンコンリザードフィッシュ、トラヒメドジョウ、ニジカワムツ、ハナマガリ、ホンコンパラダイスフィッシュ、ホンコンヨシノボリなどが生息する。
飼育
熱帯魚店やペットショップ、ホームセンターなどで安価で購入でき、パンダシャークローチ、チャイナバタフライプレコ、ボルネオプレコ、ベトナムプレコと並ぶポピュラー種の一つ。
水槽内ではガラス面やレイアウトに吸い付く様子が見られる。
渓流に生息する為、酸欠に弱く、エアレーションは必須。
水温が上がると水中の溶存酸素量が減少し、酸欠状態に陥るため、なるべく低めの水温を保つようにする事が重要である。
高水温にも短期間なら耐えられるが、28°を超えると調子を崩す場合が多く、30°を超えると死亡率が高い。
逆に低水温には強く、水温1桁でも元気に活動する。
餌は市販のコリタブやプレコフード、ドジョウの餌など様々なものを食べるが、特に赤虫や植物質の餌を好む。
頑なに餌を食べずに水槽内のコケばかり食べる個体もたまに見られる。
給餌時は餌の周辺から他の魚を追い払う行動が見られ、特に底物とは激しく争う。
Pseudogastromyzonの仲間は他のタニノボリ類より食が細く、突然死も多い為、他のポピュラー種のタニノボリ類より長期飼育が難しいのだが、上手く飼育出来れば6~10年前後生き、水槽内での繁殖例も知られている。
稀に縞模様の近縁種、チャイナゼブラヒルストリームローチや、同所的に生息するホンコンヨシノボリなどが混じって売られている事がある。