ここでは誰もが『お客様』と云う「仮面」を被っている
その「仮面」を、私たちはけっして覗いてはいけない
概要
東京都内にある最高級ホテルを舞台に、刑事とホテルクラークの凸凹バディが繰り広げるクローズドミステリー。
主要人物二人とその関係者以外 (ホテルに「客」としてやって来る人物達) は、全員なにがしらの『隠された目論見と云う秘密』を抱えており、それらにまつわる細々とした事件がやがて一つの巨大な事件に繋がっていく群像劇スタンスがとられている。
東野圭吾25周年記念作品の第三弾であり、2008年~2010年9月まで「小説すばる」に掲載された後、2011年9月10日に集英社より単行本が発売された。2014年7月18日には、集英社文庫版が発売。
続編として「マスカレード・ナイト」が発刊。また前日譚として、短編集「マスカレード・イブ」も発刊された。
この三つをあわせてマスカレードシリーズと呼ぶ場合もある。
2019年1月18日に映画化。その後は宝塚による舞台化もされており、演出と背景には『マスカレード(仮面舞踏会)』にちなんでヴェネツィアデザインが多く使用されている。
ストーリー
東京都都内にて三つの連続事件が発生。現場に残された暗号を解読したところ、次に殺人が起こるのは「ホテル・コルテシア東京」であると掴んだ警察は、コルテシア東京に潜入捜査を開始する。
フロントクラークの山岸の元に、ホテルマンとして捜査一課の刑事である新田が潜入することに。様々な客が訪れるホテルにて、山岸と新田は客の“仮面”を剥がさずその正体を暴き、犯人を捕まえることが出来るのか?
登場人物
新田浩介(にったこうすけ)/演:木村拓哉
本作の主人公の一人。捜査一課の警部補。ロサンゼルスからの帰国子女であり、英語が出来るとの理由でフロントに配置された。
優秀な刑事であり、本事件の暗号を解読したのも彼である。
山岸からホテルの常識、決まり事、習慣を学ぶうち、事件の謎を解いていく。
映画版では父親が弁護士であるという設定が判明した。
犯罪を未然に防ぐのが警察に出来る最大のサービスであるという考えを持つ。
山岸尚美(やまぎしなおみ)/演:長澤まさみ
本作の主人公の一人。ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク担当。新田の教育係を務める。
常に客のことを第一に考える優秀なホテルウーマン。
大学受験の際、ホテルコルテシア東京を使い、その時のホテルのサービスに感銘を受けて同ホテルに就職した。ホテルのスタッフならではの着眼点で、時に新田に重要な推理のヒントを与える事もある。
続編『マスカレード・ナイト』では、コンシェルジュに昇進・異動になっている。
能勢(のせ)/演:小日向文世
品川の事件にて新田とバディを組んでいた所轄の刑事。人の良さそうな中年男で、一見愚鈍に見えるが、事件に対する着眼点、推理力、裏を取ろうとする行動力は一流で、新田他警視庁の刑事も一目置いている。
警視庁捜査一課
稲垣
新田の上司。捜査一課係長。
尾崎
捜査一課管理官。今回の潜入捜査の立案者。
本宮
新田の先輩。客として潜入。
ホテルコルテシア東京
藤木
総支配人。山岸がホテルウーマンの道を選ぶきっかけとなった人物。
田倉
宿泊部部長。山岸の直属の上司。
久我
フロントオフィス・マネージャー