概要
※この記事にはキミガシネ最終章のネタバレが含まれる為注意!※
最終章の4F・5Fにてフロアマスターを務める緑髪碧眼の青年の姿をした人形。
その正体は二年半前にアリスに殺害された人物。すなわち、本物の日和颯(ヒヨリソウ)である。
ヒヨリソウの名はシンに譲り、サラ(プレイヤー)が名づけた名前(デフォルトネームではミドリ)が通称となる。
…そのため変な名前を付けるとシリアスシーンも台無しになること請け合いである。
フロア内の妨害者や、デスゲーム参加前の記憶と性格を持ったAIのシンからは「ヒヨリくん」と呼ばれている。
話し方や態度はヒヨリソウとしてのシンに似ており、さらに言えば性格はもっと不気味で恐ろしい。
AIのシンからは目を見ると心がざわざわする、怖くて汗が出て不安になるような人物と評されていた。
ネタバレ
※以下、最終章前編ラストまでのストーリー展開のネタバレを含む為注意!※
悪魔の本性、その末路
5Fの隠し部屋であるモニタールームにて、AIのシンから彼の素性が明かされる。それによると、ソウはシンが高校の時に関わりがあったという。しかし、同じ高校の生徒ですら無く、当時から謎に包まれた人間であったのは確かであるようだ。
だがそれ以上に猟奇的、かつ独善的であり、「人間の記憶について知りたい」という自身の欲求の為に多くの人々を(恐らくデスゲームとは関係なく)犠牲にしてきた(真曰く「壊しちゃう」)、真性の外道である(このことが話される際のイメージ図では実験体と思しき人物の頭には電極らしきものが取り付けられてる他、腹部にハサミが突き立てられており、悍ましい実験であったことが窺える)。ゆえに、他人の命や感情についてはなんとも思っていないどころか、おもちゃだとすら考えている節がある。それは自分にとっても例外では無いようで、自身の肉体の50%以上が生身ではなくなるほど、実験と改造を施している。
また、探索の中で一行が思い出した「失った記憶」の全てに登場しており、デスゲームに巻き込まれた被害者達の周囲で暗躍し続け、その人生を狂わせた張本人が彼である。そのため、真実を思い出した一行からは、自分たちをデスゲームに巻き込んだこと以上に因縁があることになり、殺意と憎悪を向けられている。なお、上述の凶行の果てに人の記憶を操作する術を会得したようで、一行とデスゲーム以前に関わった記憶を彼らから消したのも恐らくソウ。
そんな彼にとって唯一にして最大のイレギュラーがジョーの参加だった。とは言えこの決定を下したのは彼より上位の存在であり、彼1人で覆すことは不可能だったらしい。ともかく、これによりサラが、自身の期待していたような冷酷さを発露せず、むしろプレイヤーのまとめ役となって(犠牲0とはいかなかったものの)ゲームを乗り越えてきたこと、そしてそれによって生まれた絆が、彼の思惑を超えていく。
本来プレイヤーを妨害する存在として生み出したダミーズすら(本質的には同じ被害者であるがゆえか)信じて仲間に引き込んだこと、前述のAIのシンの予想外の情報提供で、自身の管理フロアにおける隠しゲーム「宴」の発動にまで持ち込まれる。それは墓地の7つの棺(その内、6つにはダミーズ達が入る)に加え、新たに自身とプレイヤーサイドからもう1人が棺に入り、ロシアンルーレットの容量で棺を指定し、それを特大ドリルで下から貫くというもの。
ここでも言葉巧みにサラの精神を揺さぶりながら勝利目前にせまるものの、サラの機転により指定する棺を強制変更させられた挙げ句、「宴」直前にQ太郎・ケイジ・マイが仕込んだ乾坤一擲の罠が効き、一転して追い詰められる。そして、その罠に関するルール上の不正を盾にサラに命乞いするものの、不正の罰を負ってでも自分を倒すというケイジの覚悟を背負ったサラが耳を貸さずに彼の棺を選択したため………
「おのれぇ…サラぁ…!」
「譲歩してやったんだ!なのに…」
「やめれば良かった!こんな事…」
「死が………こんなに恐ろしい事だったなんて‼︎」
………多くの罪無き人々に与え続けた「死の恐怖」に怯えながら棺ごとドリルに貫かれ、絶命した。