概要
紅海、インド洋、西太平洋に広く分布。現在では地中海にも生息しているが、スエズ運河を通って進入したとみられる。
日本では四国南西部以南の海に分布し、四国南西および沖縄諸島ではゴンズイと分布が重なる。
主に海で生活するが、適応力は高くアフリカ大陸東部やマダガスカルでは淡水に進入することが確認されている。
最大全長は32cm(FishBaseより)。
背鰭と胸鰭の第一棘条に毒を持つ。
形態は同属のゴンズイと類似するが、臀鰭の始まる位置や鰓耙数、脊椎骨数の差異がある。
かつてはゴンズイもPlotosus lineatusとされていたが、本州から沖縄県にかけて分布する種が2008年に新種(P.japonicus)として記載されたことで区別されるようになった。
和名ゴンズイの学名にはP.lineatusが使われていたが、これに伴いゴンズイの学名はP.japonicusに変更され、P.lineatusには新たな和名としてミナミゴンズイが与えられた。
幼魚はホスファチジルコリンによって制御される100匹程度の集団(ゴンズイ玉)を成す。
成魚は単独または最大20匹程度の群れを作って生活する。
フィリピン〜メラネシアに分布するコンビクトブレニーの幼魚は群れをなす行動や特徴的な模様がみられ、有毒種であるミナミゴンズイに擬態して捕食を免れる効果があると指摘されている。
食性は肉食であり、環形動物や甲殻類、軟体動物、魚などを捕食する。
ヨーロッパではEUのリストにおいて侵略的外来種として扱われており、連合国全体で輸入・繁殖・移動・販売等は原則禁止されている。