ムゲン(HIGH&LOW)
むげん
かつては琥珀と龍也が2人で走る時間が無限に続けばいいという願いからこの名が付いた。最初はこの2人だけであったが、後に他の地区で名を馳せていた太田と小西、琥珀に助けられた九十九、後に山王連合会を結成するコブラとヤマトが加わって7人体制となった。数年後に龍也がITOKANをオープンするために脱退して6人になったが、この人数でも九龍の傘下組織である日向会を破っており、それをきっかけに名を轟かせるようになる。その後太田と小西も格闘家を目指してチームを抜けたが、琥珀がムゲンに憧れる者達を徐々に加えていったことから勢力を拡大していき、一気に百人近い集まりになっていった。
・・・しかし、琥珀を含めた初期のメンバーの4人が新しく入った者達を見極めたり育てることやチームの管理を怠っていたため結成時の方針も広く薄いものになっていき、チームや琥珀の名を使って悪事を働く者も現れていき、雨宮兄弟との戦いに入るころには大半がDOUBTと変わらない集まりに成り果てていた。例として挙げるなら、コブラとヤマトが絡まれた人を助けても警察に取り合ってもらえないほど信用も失ってしまい、ムゲンを初めて見た雨宮広斗からも「よくもまあ群れやがって」とあからさまに侮蔑と嫌悪感を込めた言葉で吐き捨てられ酷評されていた。実際に下っ端の者たちも「俺たちがこの街を守ってやってる」と豪語してはいたが、やっていることは金を巻き上げたり女性を用意させる(恐らく人身売買が目的)など、琥珀やムゲンの威光を傘に着てイキっているだけで、創設メンバーの4人以外はロクに喧嘩も出来ない連中ばかりである。セリフからしても「恩賞目当てに救ってやってる」という上から目線な考え方なのは間違いなく、当然ながら救われる側の配慮などは一切行っていないだろう。言わずもがな、雨宮兄弟も連中の発言に困惑と苛立ちはすれど、決して共感することはせず、戦いにおいても容赦なく蹴散らしていた。
雨宮兄弟と争っている最中に龍也や九十九から諭されても聞く耳を持たない琥珀だったが、自身が招き入れたメンバーがムゲンと自分の威光を使い悪行三昧を繰り返しているのを目撃し、その者を追放した後でようやく事の重大さに気づき、龍也達に謝罪しようと彼と九十九のもとへ向かう。
・・・しかし、そんな3人に一台の車が襲い掛かる。琥珀は間一髪で助かるが、九十九は巻き添えで意識不明となり、龍也は命を落としてしまう。
こうして伝説のチーム・ムゲンは二本柱の1人の死によって解散という、あまりに呆気なく、そして悲惨な形でその歴史に幕を下ろした。
自分の行いに責任を感じた琥珀は、ムゲンを解散させると同時にコブラ、ヤマトの前から姿を消した・・・。
その一年後にコブラとヤマト達山王連合会がムゲンの結成時の方針を引き継いだ。