メルキオル・メーヴィン
めるきおるめーゔぃん
「……光があれば影があるように、どんなことにも“犠牲”は必要だ」
イラストタグとしては、メルキオルが多い。
CV:飛田展男
年齢130歳(外見年齢は70歳)。身長165cm
対魔士の組織“聖寮”の特等対魔士。対魔士としてのナンバーは「S-3」。
太古の伝承や秘術に通じ、筆頭対魔士アルトリウス・コールブランドの相談役を兼ねる聖寮の長老格である。
対魔士の使命の重さと、それが綺麗事だけでは達成できない事を誰より認識しており、自ら望んで汚れ役を担っている。
知謀と策略を以て組織を影から支える存在だが、自身も特異な術を操る強力な術士である。
聖隷を触媒に、対象の望むものを幻覚として表す幻術も得意としている。
アイゼン曰く、自分と同じ「死神の呪い」と同系統の特殊な力をもった聖隷を使役しているとのことで、前作のサイモンとの関係性が示唆されている。
バン・アイフリードの失踪に関わっており、アイゼンは彼を追っている。
またアイゼン以外にもベルベット・クラウ一行のとある人物とは因縁があるらしい。
更にある目的のためにザビーダの持つ特別な銃「ジークフリート」を狙っていた。
穢れを生まない「清浄な世界」のためなら悪辣な手段も躊躇なく行い、他人や自分の命すらも犠牲にするマキャベリスト。
他者に対しては常に冷徹で、自らの悪辣さを全く悪びれない。
人間よりも草花を愛する過剰なまでのナチュラリストでもあり、死を悼んで墓に花を供える行為を「食すならまだしも、追悼のためになんの関係もない花を手折って捧げるとは 生贄ですらない。無駄を通り越した残虐な行為だ」と言い放つ。
誓約ではなくメルキオル個人の信条ではあるが「草花を傷付けないこと」は張り詰めた状況であっても徹底している。
中の人はデスティニー2でカーレル・ベルセリオスを演じていた。
すべての黒幕
彼も歴代のメーヴィンと同じく、誓約によって老化を抑え長寿となっていたのだが、その誓約を行うに至った直接のきっかけは、かつての筆頭退魔士のクローディン・アスガードとの出会いだったという。
クローディンとは友人であるような描写がされているが、カノヌシによる鎮静化をクローディンは救済とは思っていなかったこと、クローディンが死亡する原因となったロウライネの調査はメルキオルの主導であったこと、アルトリウスが妻を失った直後に現れ、非情の道に歩ませたことを踏まえると、自らが望む「清浄な世界」のために友人すらも犠牲にした可能性がある。
一連の事件は気高すぎる理想を抱えたメルキオル個人の暴走とも受け取れるため、本作における「すべての黒幕」とも言われている。
暗躍と因縁
類稀なる霊応力を持ち、旅芸人一座の見世物として奴隷のような暮らしを強いられていた少女に目をつけたメルキオルは、彼女の所属していた一座を異端審問にかけ捕らえると、護送中の事故に見せかけて壊滅させ、その少女を養女として引き取った。
その養女こそがマギルゥ(マギラニカ)であった。
自身の後を継がせるつもりでメーヴィンの姓を与え、対魔士としてありとあらゆる術や知識を教え込み、特等対魔士第4位を意味する「S-4」まで育て上げるが、いつまでも感情を殺す事ができない彼女に期待を託せないでいた。
10年前、自身の与えた最終試練で感情を殺すことができなかった為、彼女に幻術を向け、破門する。
彼女は心を壊したのと引き換えに幻術から解放された。
聖主カノヌシの神依を完成させる為、シアリーズにソーサラーリングの術式を組み込む。
これは命をかけた誓約であり、命を失う事によって徐々に組み上がっていきシアリーズの命が尽きた時に完成する術式だった。
しかし、アルトリウスと決別した彼女は、この術式を持ったまま離反。
ベルベットを監獄島から逃がすと、自らを食わせることで完成したソーサラーリングはベルベットに託された。
また、ソーサラーリングと同じ能力を持つ古代の産物「ジークフリート」に施された"失われた術式"がカノヌシの力を人間に引き出すための必要不可欠なものだったため、アイフリード海賊団がジークフリートを持っているという情報を手に入れると、海賊団に"果たし状"を送り、部下の対魔士を配備させてアイフリードの捕縛を企てた。
まんまと船長のアイフリードを単身でおびき出す事には成功するものの、メルキオルがジークフリート本体の形状を把握していなかったため、アイフリードは直前にジークフリートを使用して洗脳を解いていた対魔士の使役聖隷「ザビーダ」にジークフリートを託して逃がした。
捕縛されたアイフリードを監獄島から連れ出し幻術にかけるなどの拷問を行うも、情報を引き出せないまま業魔化してしまったため戦闘用の駒として使役する。
その後はザビーダをマークしており、サビーダ及び主人公一行をロウライネに誘き出し交戦。
ザビーダの一瞬のスキをついてジークフリートに施された術式のみを読み取る。
この成果によって、神依を実用の段階へと向かわせる事を可能にした。
一方で「災禍の顕主」を自称したベルベットとその一行にもエレノア・ヒュームをスパイとして同行させる。
エレノアはベルベット達と行動を共にしたことで聖寮の裏の計画を知り、正式に離反されるが、マギルゥの聖隷であったビエンフーには、逆らえないよう服従の術式を撃ち込んでメルキオルに動向を報告させていた。
ベルベットを深く絶望させカノヌシの餌にしようと計画していたが、仲間との絆により思わぬ形で失敗したため鎮めの儀式へ移る。
準備の時間稼ぎの為、業魔化したアイフリードを差し向けるも主人公一行に返り討ちにあった上に、ライフィセットに宿った浄化の力"白銀の炎"によって死に際の一瞬だけ元の姿に戻され、計画をバラされてしまった。
その後キララウス火山に向かったベルベットたちを迎え打つべくシグレ・ランゲツと共に、戦いに出向く。
半神依化し山頂にて迎え撃つが敗北し、自身の命と引き換えに火山を爆発させようとするが、マギルゥの術で気をそらされた所をベルベットの業魔手に喰われて、その魂は四聖主を復活させるための力となった。
マギルゥがメルキオルの気をそらした術は、彼の足下に花を出現させること。花を踏むことができずにメルキオルはよろけてしまい、その隙をベルベットに突かれた。
感情を制することを良しとしていたメルキオルが、最後の最後に草花を傷付けたくないという「譲れない感情」を捨て切れなかった為に敗北した姿を、マギルゥは悲しそうに皮肉っていた。