概要
初出はセガサターン専用RPG「真・女神転生デビルサマナー」。
全身を覆う毛や翼の構造などUMAとしての特徴を残しつつ、蛾をモチーフにした愛らしいデザインで登場する(種族も“妖虫”)。
口調は『シニカル』で、外見に似合わず理性的かつ毒舌である。なおデザインをした金子一馬氏によると某アメリカオバケが隠しモチーフであるという。
余談であるがアスキー出版局の発売した「デビルサマナー」攻略本では、アートディレクター・ルシファー伊藤氏によって実際の蛾をCG処理した、サイバーな画像が掲載され大きなインパクトを残している。
UMAやエイリアン・ペット説のイメージが色濃い原典のモスマンに対して、女神転生シリーズにおいては上記のデビルサマナーを初めとして基本的に種族“妖虫”の悪魔として扱われている。
口調については「真・女神転生Ⅲ」で“妖獣”に分類されてからは、「デビルサバイバー」のヒーホー口調、「デビルサバイバー2」の関西弁で喋る個体、真Ⅲマニアクスの普通に喋る個体が存在するものの片言口調が目立つ悪魔であり、「真・女神転生SJ」に至っては“情報”という再翻訳文章の様な口調を宛がわれている。
ペルソナシリーズでのモスマンは隠者(ペルソナ3、ペルソナ4)、愚者(ペルソナQ2)、月(ペルソナ5)に配置され、P5ではシャドウとして「這い寄る吸血蛾」の名前も与えられている。
なお、ペルソナ5関連作品では銃撃弱点耐性が異様に強調されており、「ペルソナ5スクランブル」では弱点を突いてモスマン8体の撃破を要求する『うるさい虫を撃ち落せ』という名のリクエストが存在する。
1966年に伝承が生じた悪魔であるため、1931年が舞台の「葛葉ライドウシリーズ」には登場しない。
またゲーム本編以外では、蕪木統文の小説「真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE混沌」にも登場している。
作中、聖丈二がシンジュク衛生病院で初めて接触した悪魔であり、彼の交渉により仲魔となる。
赤ペンが好物で、それを与えてくれる聖とそれなりに良好な関係を結んでいる。
一方でシブヤの堕天使デカラビアと対等に語らうという意外な一面を見せている。
また舌を延ばして相手を捕縛したり、片足立ちでステップして歩いたり等3Dデザインでは見られないユニークな動作が描写されている。
鳴き声は“モスー”“モースー”で、人語こそ喋らないが理解はしているらしく相手の名前の最初の二文字を繰り返して意志疎通(ヒジー→聖丈二、デカー→デカラビア)する場面もある。とにかくかわいい。
このように愛らしいキャラクター性も見られる悪魔であるが、ゲーム本編では妖虫・妖獣ともにシステム上、通常の会話では仲魔にはできない邪悪なダーク種族である。能力的にもバッドステータス・呪殺攻撃等のクセの強いスキルと、電撃・衝撃・銃撃などの明確な弱点を持つ典型的な“撃破されるための敵悪魔”という性能に落ち着いており、仲魔として連れ歩くのは苦しいのが実情である。一方で上記の弱点をカバーする耐性スキルや能力上昇系自動スキルを実装しているケースも多く、悪魔合体の素材として有用な存在でもある。
だがかわいい。
なお、この可愛さは端倪すべからざる実績を打ち出しており、『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY 悪魔人気投票』では6位、リマスター版真・女神転生Ⅲ発売に際して行われた『真3HDベストオブ悪魔』では3位にランクインしている。
両投票とも候補悪魔の数が膨大かつ「古参・作中の活躍・デザイン」の三点が順位に大きく影響する悪魔人気投票において、前二要素で他の悪魔に後れを取るモスマンがランキング上位に食い込んだ結果はまさに偉業である。
ついに「真・女神転生Ⅴ」ではモスマンのビジュアルに着目したサブクエスト『ペットが欲しい』が登場している。当クエストはコウナン四丁目にいるリリムからペットとしてモスマンを所望されるのだが、その数は10体にも及ぶ。なお、捕獲方法は“モスマン捕獲壺”という30年前に盲目の人物が作った壺を用いるのだが、依頼完遂後のリリム曰く捕獲したモスマンが壺のサイズに収まりひしめいているとのことである。