ユリアス(シャドウバース)
ゆりあす
最強の種族、ヴァンパイアの最後の一人。
かつて、より強い相手を求めて各地を荒らしまわっていたユリアスは、当時のアレスター国王、バルタザールによって封印された。
しかし、何者かによって封印を解かれたユリアスは、バルタザールとの再戦を望み、活動を開始する。
―――公式サイトより
Shadowverseに登場する八人の主人公の一人。
フルネームはユリアス・フォルモンド。強靭な肉体と永き寿命を持つヴァンパイア族最後の人物。
引き締まった筋骨隆々の体を持つ男。
過去の時代を生きていたことを想起させる中世のスーツ、白髪に近い髪と赤く光る瞳から人あらざる印象を与えられる。
服の胸元が空いており、見る人によってはセクシーな雰囲気を感じるかもしれない。
メインストーリーでは、封印されていた最後のヴァンパイアという立場から、一貫して強大な存在として描かれている。かつて己を封印したほどの実力を持つバルタザールとの再戦を渇望しており、モノローグにて何らかの原因によって封印が解かれて以降、同格の強い者との戦いを求め各地を転々としている。詳細は後述するネタバレを参照。
なおバルタザールは何代も前の国王であり、そこから数百年は経ったであろう本編では、人間である彼は既に故人である。ユリアス本人もそれ受け入れており、それ故に再戦は叶わぬ望みであることを憂えている。
また、同じく主人公の一人であるイザベルも故人との再会を望んでいるが、彼女は諦めず死の摂理に抗っているというユリアスとは対照的な人物としても描かれている。
色々と癖が多いShadowverseの主人公キャラの中では、多少戦闘狂ではあったものの一際冷静な判断力も併せ持っており、王道の主人公らしい性格であるアリサと並び本編中の常識人であるようにも見えた。
だが、第二部に当たる「ギルド争乱編」からは異世界の強者と相まみえる機会が増え、戦闘狂の面が強調されて描写されており、あまり常識人とは言えなくなってきている。
ユリアスの本質は戦闘狂であり、作中では夢の世界において強さを増していくまやかしのバルタザールとの戦いを楽しんでいたり、「意思」の力によって強くなっていくエリカやローウェンを見て、将来バルタザールを超えるだろうと期待を寄せたり、黒竜と化したローウェンと戦おうとする事などからそれを窺える。
また、ユリアスのセリフには「幕」や「フィナーレ」など、戦いを舞台劇に例えるようなものが多く、独特な矜持がある事も見受けられる。
終幕の吸血鬼・ユリアス
第21弾カードパック『リナセント・クロニクル』のアディショナルカードでは、Shadowverseのデフォルトリーダー8人が遂にカードとして登場した。
「さあ――貴様の意志を見せてみろ。」
カード名 | 終幕の吸血鬼・ユリアス |
---|---|
種類 | フォロワー |
クラス | ヴァンパイア |
レアリティ | レジェンド |
コスト | 3 |
進化前 | 攻撃力:3 体力:3 |
能力 | ファンファーレ 復讐 状態なら、カードを1枚引く。 |
ファンファーレ 狂乱 状態なら、カードを1枚引く。 | |
進化後 | 攻撃力:5 体力:5 |
能力 | 進化時 テラーナイト1枚を手札に加える。 |
CV | 諏訪部順一 |
収録セット | リナセント・クロニクル |
※ファンファーレ…手札からPPを支払って場に出たときに発動する能力。
※復讐…自分のリーダーの体力10以下で発動する能力。
※狂乱…自分のターン中に自分のリーダーがダメージを受けた回数が7回以上なら発動する能力。
ヴァンパイアクラスの特色の一つである「狂乱」に視野を当てたフォロワー。
進化前は復讐・狂乱状態という条件付きでファンファーレによってカードを引く事が可能。どちらも満たしていた場合は2枚引ける。
本命は進化時に加える専用トークンスペルテラーナイトである。
テラーナイトはプレイする際に手札を3枚捨てなければならないが、それと対価にナイトメア・タイム・ブラッディネイル・ドレッドオーラという専用スペルを1枚ずつ手札に加えられる。
ナイトメア・タイムはプレイする事でターン開始時に追加ドローを行えるようになる。ブラッディネイルは自ターン中相手フォロワーが破壊されるたびに相手リーダーに1ダメージを飛ばせるようになるため打点のかさ増しに使える。ドレッドオーラは自ターン中に受けるダメージを0にする事ができるため、自傷ダメージのデメリットを打ち消せるようになる。
また、専用スペルはユリアスが場にいる場合それぞれ追加の能力が発生する他、テラーナイトはバトル中2回目以降のプレイの場合性質が変わる。手札を捨てる代わりにユリアスを除くお互いのリーダーとフォロワーに3ダメージを与えるという汎用性が高めの能力に変わるため、2回目以降の進化も腐らない点が嬉しい。
トークンの種類が特に多く複雑ではあるが、総括すると「狂乱ヴァンパイア」のサポートとしてはこの上なく優秀であり、特にローテーションにおける狂乱ヴァンパイアに地位向上に役立ち活躍した。
Cygames Shadowverse(Shadowverseの登場人物一覧)
ユアン:彼からは仲間であるものの、同時に危険人物として認識されている。
アーカード:吸血鬼の中でもかなり強いと言う点や、強者との戦いを望んでいる点などが共通している。
以下、メインストーリーのネタバレ注意
「災いの樹編」における序盤のストーリーは上述の通りだが、物語を進めていくとユリアスの回想が入り、「過去に同族であったヴァンパイア達を自ら滅ぼしていった」事が明らかとなる。
意思を持たずただ血を啜り続けていた同族を見てユリアスは同族嫌悪を抱き、同族の事を「血袋」と軽蔑して滅ぼし、結果としてヴァンパイアの最後の一人となった。
以降も、戦闘力は強くとも黒幕に操られるだけの傀儡は全て意思なきものと切り捨て、逆に未熟であろうと強い意志を持つ者は尊重している姿を見せている。
次元を越えて一行と合流した戦士ユアンの力により、新たな世界「イズニア国」へ降り立ったユリアス。ここでも強者を探し求め、イズニア国に存在する「ギルド」の長である5人の強者の気配を感じ取ると、ちょっかいをかけるように戦いを挑んでいる。そんな中で、ローウェンには呪われた力を抑えるではなく「使え」とアドバイスする、一般市民の少女に懐かれるなど、戦闘狂以外の面も覗かせていた。
「最終章」ではイズニア国における一連の事件の黒幕であるメイシアと戦うために、他の主人公達と共闘。この時の戦闘では他の主人公キャラ全てが苦戦していたのにもかかわらず、ユリアスのみ苦戦しているらしい描写がほとんど無く、常に余裕そうな様子で戦闘を行なっていた。もっともこの時は最初は8人、最終的には11人がかりで黒幕と戦っていたからだと考えられるが。
また、メイシアから一人だけ戦うのを後回しにされた上に「貴方を斃す為の好機はまだ先」という発言をされていた。しかもこの時のメイシアは、リオードが所持していた特別な剣を所持してさらに強くなっているので、もしかしたらタイマンで戦っていた場合あのユリアスに勝っていた可能性もある。
そしてその後メイシアを打ち倒すと、異世界からテトラを名乗る女性が現れ、出身地である「アイアロン」を助けてほしいとお願いされる。一行は彼女の頼みを引き受け、アイアロンへと世界移動をする。
不穏な空気が漂う鋼の世界「アイアロン」に降り立ったユリアスだが、この世界に来ても目的は変わらず強者との闘争である。
イズニア国でもやった気配の感知を行うものの、強者の気配を感じ取れなかった。恐らくその世界には強者が居ない、あるいは強者が生命では無い人造の機械であるが故に気配を感知できなかったのかもしれない。
その後は襲い掛かって来た機械歩兵をワンパンで壊しながら強者探しをしたり、「心」を持つ機械である女性型アンドロイドモノやテトラに戦いを仕掛けて遊んだり、邪悪な支配者ベルフォメットが佇む中央タワーに乗り込んでベルフォメットとタイマンしたりと、相変わらず一人だけやりたい放題であった。
ストーリーが進むとモノから純粋な好意を二度も伝えられるも一蹴する。また、モノとの会話にて「誰かとの闘争でしか人生を楽しむ事が出来ない」点を指摘され、ユリアスは珍しく動揺した。
「最終章」では単身で中央タワーに乗り込もうとしたが、モノが死地に赴くのを見た際に、数々の会話で興味が湧いたモノを死なせるのは勿体ないと、ここに来て戦闘以外で他者に興味を抱く感情を発露した。そして、ベルフォメットの切札である「女神《エリネイス》」の一体、殺戮のティシポネーとの戦闘で満身創痍であったモノを割り込んで助けた。
この時の戦っていたティシポネーは主人公たちの中でも屈指の実力者であるユアン相手に善戦する程の相手であったのだが、それをワンパンで倒してしまったのである(ただし、ユアンとの戦いでティシポネー側が消耗していた可能性もある)。
モノを助けた後はなんと仲間と合流し自ら進んで協調すると言う、今までの彼には有り得なかったツンデレな面を見せた。
そしてその後仲間達と共にベルフォメットを追い詰めとどめを刺したのもつかの間、絶体絶命に陥った彼は「管理者」の一つ「ネルヴァ」へ呼びかけ、それに呼応したネルヴァは彼へさらなる力を与え、ベルフォメットはどこか別の世界へと転移してしまう…。
この章は機械反乱編に登場しなかった4人が登場するストーリーであるため、ユリアスは登場しない。
追い詰められたベルフォメットがネルヴァに力を求めると、ネルヴァが力を分け与え、ベルフォメットは戦闘を継続せずに世界を移動して逃走。その後は彼が残していった置き土産である「ベルフォメットの生体反応が消失した際に暴走する様プログラムされた機械歩兵」の掃討に追われる事となった。
舞台は変わり、森の世界「ナテラ」にてアリサやエリカ達は「母なる君」を巡る抗争を解決したのだが、ベルフォメットが転移した先はまさしくナテラであり、未知を既知へと変えるべくベルフォメットはナテラの地を侵略し始めた。
ナテラの方へと降り立った4人とその仲間達はベルフォメットが繰り出す触手や機械兵達に苦戦を強いられたが、そこへユアン達が馳せ参じ、戦いへ参戦する事になる。
ユリアスとモノはベルフォメットの手によって再び呼び出された殺戮のティシポネーと戦うベイリオンの元へと降り立ち、余裕の表情で戦闘に挑んだ。この時、立ち絵も新しい物へと変わっている。
その後は機械反乱編にて性格が軟化した事もあり、仲間達に自然と付いて行くようになり協力して戦うようになる。
復活した女神《エリネイス》達をイリスが「鍵」の力を解放した事で機能停止にさせた後は、仲間達と共にベルフォメットとの最終決戦に臨む。
この時の戦いでは一緒に戦ってはくれるものの、今まで通り本気を出す事はなく、演劇の舞台を楽しむかのように戦っている。ベルフォメットが心なんて鬱陶しい物だと語った際には、「お前はその意思の力に一度敗北した」「お前には意思が無い」とユリアスは一蹴している。
その後女神《エリネイス》を再起動したベルフォメットがそれらを用いて主人公一行に攻撃させようとするが、「心」を取り戻した女神《エリネイス》達によって反逆、一斉攻撃された事で、ベルフォメットを覆う障壁が破壊される。こうなる事を想定していたのかは不明であるが、「意思とは面白い物だ」という発言から、少なくともこのような事態が起こる事は期待していた様子である。
その後は主人公一行によって再びベルフォメットを追い詰めるものの、そこに管理者ネルヴァが乱入しベルフォメットに器になるよう提案するが、本人がそれを断り自爆した事で戦いは終結した。
エピローグではモノと共に会話するのだが、「もしお前の体が鉄で無ければ、その首筋に牙の刻印を残していた」と語ったり、花束を渡している事から、モノはユリアスにとってバルタザールと同等のお気に入りとなったようだ。闘争にしか興味しか無かったユリアスが、闘争以外の物事で誰かを気に入ると言う初めての描写である。
やる事を済ませると、仲間達と共に次の闘争の舞台に移るため、今度こそ新たな次元へと旅立った、ものの…。
また、このとき表示される一枚絵をよく見ると、他の主人公達は正面を向いているのに対し、ユリアスだけ顔を振り向かせており、意味深な絵となっている。
以降の章
以降のストーリーである「運命相克編」からは新リーダーが主軸となるストーリーであり、その世界の舞台である「レヴィール」にはアリサのみが降り立っているため、アリサ以外の7人は現状ここで出番が止まっている。
「時空流転編」のアリサのセリフによると、次元を越える内に段々と仲間達とはぐれてしまったようだが…。
もし登場していれば何時も通り強者達に喧嘩を売りに行っていただろう。もっとも、この章では初めから物騒な事になっているので彼が参加していれば事態がややこしい事になるのは間違いないが。
その他
見えない底
ストーリー本編では本気で戦った描写が過去の回想以外に存在せず、その過去も具体的な描写がされていないため、強さの底が見えていない。余裕そうな状態で戦っている描写が多く、一度も本気を出していない事から主人公達の中では最強の存在である事が分かる。
この底が見えない強さから、ユーザーからは主人公達どころか作中でもトップクラスの実力者と認識されている。
また、ユリアスの強さが描かれる度にバルタザールの評価が相対的に上昇しており、「こんな化け物をどうやって封印したんだ」と一部のユーザーからは疑問を抱かれている。
嵐の如き生き様
主人公達の中では最も分かりやすい性格をした彼であるのだが、同時に最も欲望に忠実でもある。強大な力を持つユリアスは強者との戦いを貪欲に望み、強引にそれを実行していっている。
その有様はユアン曰く「嵐」。ユアンからは制御不能な存在として判断されている。
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