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「麻雀なんて負けた方が破滅するから意味があるんだろ」

概要

原作・荒正義、作画・押川雲太朗麻雀漫画作品。闘牌シーンには東大出身プロ雀士として有名な須田良規が協力している。2005年から2009年まで竹書房の『近代麻雀』で連載。

単行本化は2巻で途絶えていたが、2010年タイトルのフルネームを『反逆の麻雀 リスキーエッジ』に改めて、コンビニコミックス版が全5巻90話で無事発行された。

ストーリー

東京都内でNo.1の裏雀士と言われる青柳(あおやぎ)の主催する裏賭博場で、打ち手として働く大学生・吉岡光正(よしおかみつまさ)。

しかし大学の後輩、井上春香(いのうえはるか)を担保にした勝負で春香を助けるような事をしたため、青柳と決裂。以後は独自に数千万、1億といった超高レートの、「負ければ破滅」という勝負に次々と挑んでいく。

決裂はしたものの最強の雀士として尊敬している青柳に、サシウマ勝負を挑むために───。

登場人物

吉岡光正

本作主人公(トップ画像右の人物)。

常に冷静沈着で人を頼らず、最後まで諦めずに自分の麻雀を貫くことが勝利につながると考えている。

北陸に一代で巨額の財を築いた柴田一郎のの子として生まれた為、住んでいた漁村ではイジメなどひどい境遇の中で育った。その時の経験から「一度でも足元を見られたら終わる。イジメなんて謝っても無視しても終わらない。イジメには暴力で反撃し、生きる為に麻雀牌を握った」と他人を信用しない好戦的な性格が形成された。(というより常に挑発して喧嘩を売るような態度も全く珍しくない)

ストーリーにあるように春香を助けるためわざと手を抜いて打ったため青柳の怒りを買い(吉岡が麻雀で相手に手心を加えたのは作中この一回のみ)賭場の代打ちを辞める事になり、以降は春香と共に別の賭場で自らの麻雀の腕を試していく。

しかし青柳の事は麻雀打ちとして今でも尊敬しており、彼の元を去ったのも「いつか戦いたい」という目的もあったからである。さらに春香や大友、佐野ら仲間との交流で、少しずつ他人にも心を開いていく。

特に春香は恋人という訳ではないが(ただ、春香は周囲に吉岡を彼氏と公言している)、母親を助けられなかった経験から「女を守れない男に価値はない」が信条である。(他人を信じずやたら挑発的な態度を取る理由には母親の件もある)

打ち筋だが徹底的な攻撃型であり、高レートを主題にした麻雀漫画の主人公には珍しい牌効率重視タイプ。但し完全デジタル系という訳でもなく、ツキや流れの存在は否定していない。また、攻撃型だが捨て牌や切り順、鳴き方からの相手の聴牌形やアタリ牌を読むのもかなり上手い。青柳曰く「生き方はイケイケだが麻雀に関してはマシーンのような奴」。

物語が途中から一発・裏ドラ・槓ドラ・赤牌の無い、所謂「競技ルール」になるが、それでも面前では積極的にリーチを駆使して相手を「攻め潰す」スタイル。牌効率に忠実なため捨て牌の迷彩や細工がほとんどなく手を読まれやすいが、どんな状況でもリスキーな攻めを貫くことにより相手が精神的に参ってしまい、勝利を手にすることが多い。

好きな飲み物は梅コブ茶。

井上春香

吉岡の大学の後輩であり、一緒にマンション麻雀を経営するパートナー的存在。

育ての親であった叔父に負け分のカタとして売り飛ばされそうになったところを吉岡に助けられ、以降は吉岡のために生きることを選ぶ。通学している大学の男子生徒の人気者だが、周囲には「光正さんは彼氏」と公言している。

おっとりした外見や口調とは裏腹に大胆かつ剛毅な性格で、強面の青柳や華僑の大物・楊倫慶(ようりんけい)の夫人で麻雀サロン名目の見せ金1億の超高レートの賭場を主催している楊由美とも堂々と交渉をしたりする。

負ければ破産確実な状況であっても、吉岡に絶対の信頼を置いて勝負へと駆り立てる。

青柳

麻雀を始めとする様々なギャンブルの賭場を経営している男。(トップ画像手前の人物)

現在東京では最強の裏雀士と評価されている。

ギャンブルに関しては冷徹かつ容赦しない性格であり、弱者から奪える金は徹底的に奪い取る。曰く「ああいう奴はどうせ他の賭場に行っても負け続けて有り金を失う。だったらここで全て毟り取るまで」。

楊夫人の代打ちをしていた事もあり、麻雀の腕も吉岡と対等以上に戦えるほどの実力。寺田と知り合った当初から「雀力なら寺田より上では?」と評価されていた。事実寺田は初対決で一度打っただけで「三日やってもこの男には勝てない」と即ギブアップ宣言をしている。(但し調子に乗って自滅する事もしばしあったという)

寺田と会うまでは吉岡と同じように喧嘩上等な生き方をしていたが、寺田から息子の敦を預かって以降、負けないことを意識した柔軟性も持ち合わせた打ち方も身に着ける。

しかし勝負どころを見極め的確な判断力と鋭い攻撃力を有し、賭場を辞めたあとの直後の吉岡に半荘一度のみの勝負を挑まれるが、3,000点差ながら退けている。

そして最終章ではラスボスとして、7億の現金を賭けて吉岡の再度の挑戦を受ける事になる。

寺田

かつて吉岡の故郷の漁村で吉岡とコンビを組み、吉岡が故郷を捨てる原因にもなった人物。楊夫人の麻雀サロンにて、柴田健一(吉岡の腹違いの兄だが、吉岡とは犬猿の仲)の代打ちとして再会する。吉岡にとっては師匠であり、青柳にとっては兄貴分ともいうべき存在で両者から「寺さん」と呼ばれている。

和了れるべきときには安手だろうが確実に和了りを重ねていく、堅実な打ち筋。強者と直接ぶつかることを避けて、ツキを無くした相手、崩れた相手を確実に潰すことで勝利をものにする。寺田曰く「麻雀は4人の中で一番弱い奴から点棒を毟った奴が勝つゲーム」。

かつては関東でNo.1と評価されていた打ち手とまで評価されていたほどの存在であり、後輩たちの面倒見の良さから多くの麻雀打ちに慕われていた。作中で吉岡に敗れたプロ雀士の鎌田に言わせると「関東で寺田さんを知らない麻雀打ちなんてモグリか新参ですよ」。

しかし息子の敦に先天性の病が発覚したため、当時自分のスポンサーだったフロント企業の不動産屋の社長から青柳らと組んで5億を騙し取り、手術費用として2億をもらい1億づつを青柳らに渡した。そして今まで築き上げてきた地盤と人脈を全て青柳に譲り、敦も託して東京から姿を消していた。

ロバート

楊夫人編に登場する揚由美の代打ち。常にサングラスをかけ、人を小馬鹿にしたような軽薄な態度を取る。鎌田曰く「頭が数字のパズルでできているような」打ち手であり、捨て牌から切り出し、さらに相手のクセや表情などあらゆる要素を計算した上での鋭い読みを武器とする。しかし膨大な情報量を処理する故に、せいぜい半荘6回戦が限度の長丁場の闘いができない「脳のスタミナがない虚弱体質」(吉岡の評価)であり、後半は松永というもう一人の代打ちに交代してもらうことがほとんど。

吉岡との5度目の対決ではサシ馬を挑み、面前では常にリーチ攻めを貫く吉岡を「皆はお前のスタイルを恐れるが、俺に言わせればお前は単に感覚の無いバカだ」と蔑んでいたが、珍しく待ちや捨て牌に細工をした吉岡に敗れ去り、合計2億5000万を失った。

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