概要
白髪に黒いゴスロリ服の少女。魔術結社「トゥーレ」に所属している。
ネタバレ
嘗ては西暦1200年代、南仏オクシタニアの城塞都市「ベゼルス」で生活していたキリスト教の異端派カタリの敬虔な教徒…「リゼット・ヴェルトール」であった。
しかし、十字軍侵攻(時期的に第四次か第五次の可能性が高い)の際、異端の徒として捕らえられ、兵たちの慰み物として純潔を散らしてしまう。
ただひたすらに嬲られ、犯され、蹂躙され、使い物にならなくなった頃には何処とも知れぬ森に放置された。
病に冒され、四肢は腐り、視力もほとんど喪ったリゼットは、水を求めて行きついた木の洞で、その哀れな生涯に幕を下ろそうとしていた。
だが……そこに現れた一人の人物によって、彼女の長きに渡る凄絶な暗黒の人生が始まる。
自らを【賢者】と名乗る男、ミシェル・マキシミリアン。
彼はリゼットに対し一つの提案を行った。
【翠玉碑の欠片】の一つ、闇精霊を吸収し漆黒の輝きを帯びた【虚無(クリフォト)の魔石】を与えよう。
全てに絶望し、信仰していた神をも呪う少女に、復讐の術を与えよう、と。
怨嗟の咆哮を上げるリゼットに、ミシェルは彼女の胎に【虚無の魔石】を埋め込んだ。
こうして、リゼットは莫大な魔力を得た。
既にミシェルは居なくなっていたが、それが白昼夢でなかったことは自らに宿る力が証明していた。
リゼットはその後、当代最高と呼ばれた魔術師ヴェルクマイスターに師事。
永遠の命を得る研究を行うがための延命を必要としないリゼットは、研鑚に専念しみるみる魔術師として成長。
そして師の亡きあと、その名を受け継ぎ『リーゼロッテ・ヴェルクマイスター』と名乗るようになる。
だが、既に世界への復讐心が薄れ始めていたリーゼロッテは、世界の裏で暗躍し、混乱を引き起こしてはただ愉しむだけの存在となっていた。
そのうちに「炎の魔女」「姦淫(ルクスリア)の魔女」「バビロンの大淫婦」などと呼ばれるようになった。
西暦1400年代、ドラスベニア王国の常勝不敗の魔王ヴェラードが、自らの力の源と起源を同じくする魔導具『劫(アイオン)の眼』を持つと知り、それを手に入れんと腹心の部下となる。
だが、彼の持つ「人類の罪を浄化するための人類鏖殺」という夢想、それを全て独りで背負うという姿に惹かれ、彼を愛するようになった。
そして、ヴェラードが部下の裏切りによって殺された後、彼の夢を成し遂げんと再び人類に牙を剥く。
20世紀にはナチスドイツに接触。
さらに自分と同格の魔術師を6人集めた魔術結社「トゥーレ」を結成。
表向きは魔導帝国の実現を謳っていたが、実際は人類鏖殺の手段を整える一環に過ぎなかった。
そして西暦1945年、大戦のまっただ中に霊脈が最適な日本の涅葦原へ襲来。
闇精霊で構成された異世界との門を開き光精霊で構成された、この世界の生物を死滅させる大魔術『奈落落とし(ケェス・ビュトス)』を発動した。
だが、敵対していた禁書目録聖省の討伐部隊の妨害に遭い、部隊は壊滅させたものの禁呪『契約の虹(アルカス・パクトゥム)』の発動を許してしまう。
本来なら魂魄が消滅するほどの禁呪に対して、絶大な魔力を七つに分割し、うち六つを並行世界に引き離されるに留まり、全ての記憶と魔力を失い術式の途中で封印された。
その後、現実時間で約60年以上が経過し、欠片の全てがかつての涅葦原に集まり、封印を解くまいと奮闘するかつての使徒、黒騎士と欠片の戦闘を何もわからぬ状態で傍観。
しかし、広原雪子の欠片を吸収し記憶が覚醒。
ドレス姿から漆黒の衣装に変化し封印に抵抗を始める
水奈瀬ゆかの欠片も取り込みいよいよ復活という時……皐月駆が『劫の眼』の今生の所有者であり、ヴェラードの意識がそこに存在していることを知る。
だが、ヴェラードの意志を継いだリーゼロッテの行動を当のヴェラードが否定。
怒り狂ったリーゼロッテと『劫の眼』の最終決戦となる
全盛期の3/7であるにもかかわらず圧倒的優位を保ったリーゼロッテだったが、最後は駆が限界まで力を発動させた『劫の眼』に本来破壊出来ない『虚無の魔石の欠片』を砕かれ、雷切にその身を貫かれた。
「そなたを殺す」という約束を果たした愛する男の腕の中で、800年に渡る流浪の呪縛から解放された魔女は灰となって跡形もなく消滅した……。
関連タグ
関連人物
リゼット・ヴェルトール:魔女に堕ちる以前の彼女。
ヴェラード:嘗てのパートナー。
皐月駆:現代における「劫の眼」の所有者。