「病める時も 悲しみの時も どんな困難が訪れようとも 共に助け合おう」
『———任務が ———殺しが 続く限り…』
概要
本作品の主人公・ロイド・フォージャーとヒロイン・ヨル・フォージャーの公式カップルである。
ロイド(黄昏)は任務遂行の為(西国側)に、ヨルは殺し屋の仕事(東国側)を続ける為に結婚した。
しかし、ロイドはヨルの事を「市役所に勤務する一般女性」、ヨルはロイドの事を「精神科医の一般男性」としか認識しておらず、いつ東西で戦争の火蓋が切られるか分からない緊迫の糸が張り詰めている状況下において、互いに裏社会の敵対関係であると知らぬままの偽装夫婦である。
偽装でありつつも、一応公式カップリングの2人だが、寝室は別、お互いを「さん」付けで呼び合い、デートであっても手を繋ぐこともなく、一定の距離感を保ちながら夫婦生活を歩んでいる(周囲に怪しまれぬよう、人前ではラブラブ夫婦の演出はしている)。
お互いに恋心をはっきりと抱いている様子は今のところ見られないものの、家族生活を歩んでいくなかで、お互いの人柄や言葉に救われたりする場面が増えていき、家族としての絆を感じるようになり、偽装家族でありながらも家族を失うのを恐れる2人の心情が見られるようになった。
もうお前ら結婚しろ……してたを繰り返すカップリングであり、その歩みはカメの如く遅い。
『逃げるは恥だが役に立つ』的なモダキュン感と、『奥様は、取り扱い注意』的なハラハラ感を兼ね備えた一粒で二度オイシイ二人である。
ロイド側
基本的には身内以外の人物をフルネームで呼ぶのに対し、彼女のことは心の中でも“ヨルさん”と呼んでおり、一定の信頼を置きながらも、スパイとしての職業柄が抜けないためか何度も身辺を調べ、役目が終わればフォージャー家は解散すると決めている。
しかし、ヨルが自身に対して恋愛感情を抱いているのではと勘繰った際には一瞬ではあるが動揺したり、彼女の歌う子守唄を聞いて母親の事を思い出したり、任務で心身ともにボロボロで帰宅したところ「おかえりなさい」と出迎えたヨルの顔を見て身体の力が抜け切るほど安心してしまうなど、無意識のうちにヨルとアーニャのいる場所を安心できる居場所と思っている節が見られる。
些細な情報一つで相手の正体に気づけるはずの彼だが、作中で超人じみたヨルの行動を何度目にしても彼女のことは「例外的に身体能力の高い一般人」と判断し、その認識に疑問を持つ様子はない。しかし事あるごとに超人的な身体能力を発揮するヨルにその都度振り回されており、「ヨルさんといるとどうも調子が狂う」と黄昏らしくない動揺っぷりを見せることが多い。
ヨル側
ロイドに対しては異性として意識している場面は多少見られるものの、離縁されると保安局から怪しまれて逮捕される不安が大きいようである。
しかし、職場のパーティーで自身に嫉妬する職場の後輩に絡まれた際、「誰かのために、何かのために過酷な仕事に耐え続ける事は普通の覚悟では務まりません 誇るべきことです」と優しい言葉をかけてくれたロイドに対して「今のこんな私を受け入れてくれる人はこの人しかいない」と好印象を抱いており、作中でロイドが彼に恋心を抱くフィオナと一悶着あった際には酒を飲んで泥酔し、嫉妬心を吐露する程動揺してしまう。また、日常生活においてもロイドはスパダリと言える程完璧に自分達家族を支えてくれる為、職場の後輩たちに「夫に不満はないのか」と聞かれても全く思い浮かばず、無理矢理不満を作り出そうとするほどには信頼している模様。
ロイドを異性として認識すると非常に動揺し、「ドキンコメーター」なるメーターが頂点に達して恥ずかしさのあまりショートするか暴力を働くなどの突発的な行為を働いてしまう。一度ロイドに対して気絶するほどの蹴りをかましてしまったこともあり、「殺意もないのに殺してしまう」と彼に危害を加えないよう努力してはいる模様。
タグについて
カップリングタグとしては圧倒的にこちらが多いが、厳密には「精神科医のイケメン旦那と市役所勤めのおっとり若妻」の名前からつけられたタグである為、互いの正体を認識している(仕事衣装や武器の所持など)作品には「黄いば」がより正確といえる。
軌跡
以下は原作ネタバレを含む為、アニメ派は注意。
単行本1巻
MISSION:2
アーニャの制服採寸に来たロイドとドレスのお直しに来たヨルが出会う。アーニャの尽力により二人は偽装夫婦となる。
MISSION:3
家族でお出かけ中にスリを撃退し、和やかに話す二人。
「…ちちとははイチャイチャ」「してない!」「してません!」
…しろよ
MISSION:5
学校の入学面接でクソ教師マードック・スワンに心無い言葉を掛けられ、普段は冷静沈着なロイドが鉄拳でテーブルを叩き割るほどに激怒。偽物の妻子と自らに言い聞かせながらも侮辱されたことに対しロイドが感情を露わにした瞬間であった。この行動はスパイとしては失格であっても父親・夫としては紛れもなく正しい。
単行本2巻
MISSION:12
ヨルの弟のユーリに『本物の夫婦であることを示せ』と言われキスをすることになった二人。ロイドはすぐに落ち着きヨルに詰め寄る。
MISSION:13
キスをしようとするロイドを前にパニくるヨルであったが、ワインを一気飲みして逆にロイドに詰め寄る。とうとう初キスか‼、と思われたがドキンコメーターが振り切れたヨルはロイドに特大平手打ちをかます…が、二人のキスを止めようとしたユーリにクリーンヒットし、そっちが吹き飛ばされる。(なんだったんだ一体…)一応夫婦であることは認められたようなので丸く収まった。
単行本3巻
MISSION:14
ヨルの素性を疑ったロイドは変装して彼女に近づく。一方のヨルは妻として、母としての自分に自信を失っていたが秘密警察に扮したロイドに尋問されても家族を守る姿勢を崩さなかった。ロイドの言葉に元気を取り戻したヨルは「結婚相手がロイドさんで良かったです!」と言い、夫婦の絆は崩壊せず、むしろ距離は縮まった。
EXTRA MISSION:2
夫婦デート回。任務で百戦錬磨なロイドを、予想外の理由で片っ端から躱すヨル。アーニャが陰から支援したことも功を奏し、ヨルは笑顔で一日を締めくくった。
単行本4巻
4巻は物凄くスパイ巻で冷戦やら実験動物やら戦争の危機やらでそれどころではなかった。
MISSION:20
だが、ボンドが視たフォージャー家の不穏な未来(回避済み)ではロイドが爆弾テロで死亡し、ヨルは最早当初の結婚理由であった「未婚者は国に怪しまれる」を「未亡人」となるものの問題なくクリアするものの残されたアーニャとの家族関係は続けている様子が見られる(ヨル自身の経歴上アーニャを一人にする気にはなれなかったのもあろうが)。
また、ロイドが立っていた位置に対して顔を伏せられているが物憂げな雰囲気でその方向を見ており、「ロイドを失った」事実について相当に引きずり哀しんでいることがうかがえる。
単行本5巻
MISSION:24
ロイドが自分の料理で腹を壊したと思い込んだヨルは夫婦の危機だと感じ料理を学ぶ。実際ヨルの料理は壊滅的だったが、なんとか故郷の味の南部シチューだけは作れるようになる。家族に喜んでもらえる嬉しさを知ったヨルであった。でもオリジナルの料理はまだダメだった。
単行本6巻
MISSION:35
ロイドの同僚の〈夜帷〉との関係を疑っていたヨルはロイドに誘われバーに行く。案の定酒癖の悪さが露呈し、勘違いして詰め寄ったロイドに恥ずかしさの余り特大の蹴りをお見舞いした。ロイドは「ヨルさんといるとどうにも調子が狂う」と思ったが、その直後先ほどの蹴りが原因で気絶。
その後店を追い出されたが、近くの公園でヨルがロイドに膝枕をして子守唄を唄った。
…こっちのほうがよっぽど恥ずかしくないか?
単行本7巻
これといった進展は見られなかった。
単行本8巻
1巻まるごとヨルの心情の掘り下げと言ってもいいメイン巻。
6巻の出来事でフォージャー家の生活に愛着があることを自覚したことで、仕事中でも大きな傷を避けようと無意識に躊躇いが生じてしまうようになり、絶体絶命のピンチに陥り自分はもう戦わなくてもいいのではないかという不安が顕在化。任務を諦めてしまいかけたが、同僚とのパーティでのロイドの言葉を思い浮かべ「この仕事で今の生活や自分の命を失っても、ロイドは認めてくれる、許してくれる」と大切な人の他愛無い平穏を守るためこれからも戦い続けることを決意して復活した。ヨルにとってロイドは自分の在り方を認めてくれた存在としてとても大きなものとなっていたのだった。
単行本9巻
MISSION:56
護衛任務成功の報酬の一環としてリゾート地で丸一日一家水入らずでバカンスを過ごす。不眠不休だったヨルは最後には疲れ切ってロイドに体を預けるようにして眠ってしまった。アーニャ共々ロイドにお姫様抱っこされ、労をねぎらわれるのだった。
その様子を見た周りの人達からも微笑ましい視線を向けられていた。
単行本10巻
MISSION:66
かくかくしかじかでヨルはメリンダ・デズモンドと知り合いになった。ヨルはメリンダにこれからも仲良くして頂戴ね、と言われ今後も「”普通”に馴染むため」メリンダの愛国婦人会へ参加しても良いかとロイドに尋ねる。ロイドの返答に心打たれる様子のヨル。
単行本11巻
MISSION:68
戦闘で手首を痛めたヨル。フォージャー家にユーリが乱入。ヨルの「私ってばロイドさんの優しさに甘えてばかりで本当に感謝してもしきれません」というセリフでヨルを巡っ(?)てユーリvsロイドの家事対決が始まる。
・食事にて、ユーリがロイドにアーンさせようとするも、自分からやらせた癖に「ボクの目の前でアーンなどッ‼︎」とユーリが自分で止めたためアーンは未遂。ヨルにとっての料理はユーリよりロイドの方が美味しかった模様。
・買い出し決戦にて、ロイド「いってきます」ヨル「お気をつけて」のやりとりが夫婦。
単行本12巻
MISSION:79
ヨルは市役所の同僚と夕食へ。同僚たちにロイドとラブラブだ、などと揶揄われ赤面するヨル。「ただいまのチューは普通」と言われ、家に着きロイドの顔を見るとドキンコメーターが作動。ヨルの頭はただいまのチューで埋め尽くされ、ドキンコメーターが決壊し、ヨルの顔面も崩壊する。「ムリ…」と呟きながら倒れそうになったヨルをロイドが支え、顔が近づいたため、ヨルは「チューされる…ッ!!?」と動揺しまくりドキンコメーター2本目がまたもや決壊し、ヨルはバク転(?)してロイドの腕から逃げる。
ちなみに酔ったヨルの脳内で超くだらない理由での黄昏vsいばら姫の絵が見られる。
MISSION:80
前話で同僚に「不満があるのは普通だ」と言われヨルは普通に近づくために不満を作ろうとする。
単行本未収録話
余談
二人の関係性からハリウッド映画『Mr.&Mrs. スミス』を持ち出されることが多いが、作者自身は見たことがないらしく、読者から余りにも比較されるので逆に見てみようかと思っているという(ジャンプフェスオンライン2021談)
関連イラスト
関連タグ
SPY×FAMILY ロイド・フォージャー ヨル・フォージャー
ヨルロイ:対義語。ヨルが優位の場合に使われる。
黄いば:類似語。スパイと殺し屋でのCPタグ。お互いの正体を知っているシチュエーション多し。
ちちとははイチャイチャ:評価タグ。元は娘(偽装)が言い放ったセリフ。
ロイヨルの営み:派生タグ。内容はあまり健全ではない為苦手な方は閲覧注意。
アーニャに弟か妹が出来ちゃう:派生タグ。上と似たような意図のタグであるがこちらはアーニャのご要望も含まれる。同様に閲覧注意。