概要
本作品のメインキャラクター、ロイド・アーニャ・ヨル、そして後に犬のボンドがお互いの目的のために結成した「偽装家族」である。
詳しくは『SPY×FAMILY』を参照のことだが、ロイドは任務の、アーニャはわくわくの、ヨルは殺しのために家族を演じている。当たり前だがこの3人に血のつながりはない(ヨルはアーニャをロイドの実子だと思っているが、実際は孤児院から引き取った孤児)。
周囲に仲良し家族だと見せる必要があるが、幼い頃に両親を亡くしたロイドとヨルも、被験体として過ごし逃亡後4回里子に出され戻されたアーニャも、家族としての経験が非常に薄い、または全くない。
そのためお互いに頑張って家族になろうと奮闘するのだが、この姿は現代社会に疲れ切った読者を癒している。
担当編集の林士平氏は「家族のつながりが希薄化している近年は、漫画以外のコンテンツでも『疑似家族が本物の家族になる過程』に憧れや希望を見いだす作品が求められている印象があります。(後略)」と語っている。
家族と言っても所詮は他人であるが、世界全土において血縁の絆が希薄化する中で、「ニセモノ」と称する彼らが端々に見せる互いへの愛情や思いやりのある行動は、まさに理想の家族である。
"家族"になるのに血のつながりは些末なことでしかないということであろう。
家族構成
保護者
関係 | 名前 | アーニャからの呼び名 | 表の職業 | 裏の職業 |
---|---|---|---|---|
夫 | ロイド | ちち | 精神科医 | スパイ |
妻 | ヨル | はは | 市役所職員 | 殺し屋 |
被扶養者
関係 | 名前 | アーニャからの呼び名 | 表の職業 | 裏の職業 |
---|---|---|---|---|
義娘 | アーニャ | あーにゃ | 小学生 | 超能力者(読心) |
ペット | ボンド | ぼんど | 飼い犬 | 超能力者(予知) |
親戚
関係 | 名前 | アーニャからの呼び名 | 表の職業 | 裏の職業 |
---|---|---|---|---|
小舅 | ユーリ | おじ | 外交官 | 秘密警察 |
住まい
家具付き、冷暖房完備のアパートメント(日本で言うマンションに該当)に住んでおり、内装は明るくレトロ。登場する家具は全て実在する名作デザイナー家具である。
家具 | 作品名 | 作者 | 発表年 |
---|---|---|---|
ソファ | LC2 | ル・コルビュジエ | 1928年 |
フロアライト | タリアセン1 | フランク・ロイド・ライト | 1925年 |
ペンダントライト | PH5 | ポール・ヘニングセン | 1958年 |
壁掛けアート | シェルチェア | チャールズ&レイ・イームズ | 1950年 |
フォージャー家のインテリアに関して、詳しくはこちらの記事動画をご参照下さい
余談
実は作者の遠藤達哉氏は『家族ものを描くという気は一切ない』と語っており、本作はあくまでコメディであるとしている。
フォージャー家を英語で表すと『偽装者』を意味する【forger】+【family】であり、ぶっちゃけそのまんまである。それでいいのか敏腕スパイと思わなくもないが、コメディなので許される。また英単語の【forge】は『関係などを努力して築く』という彼らにぴったりな意味を持つ。
なお「フォージャー」という名前はソ連が1970年代に開発して実戦配備したYak-38のNATO名でもある。
アニメ第4話放送時に、フォージャー家のキャスト3名(ロイド役・江口拓也/ヨル役・早見沙織/アーニャ役・種﨑敦美)によるイラストがアニメ公式Twitterで公開されたが、全員が画伯であることが露呈してしまった。なお、この件に関しては、遠藤達哉氏も「…ふぉーじゃーけ ぜんいん がはく…」と、(アーニャを介した)感想を述べている。
なお時間さえかければ種﨑氏はほか2名よりは格段に上手く描ける旨も追記しておく。
ちなみにロイドが青、アーニャが緑、ヨルが赤と三人の瞳が光の三原色になっている。
ロイドが「黄昏(夕方)」、ヨルが「夜」と一日の時間を表すように見えるが、実はこれは偶然。アーニャも別に「朝」から取ったわけではないと遠藤氏も発言している。