概要
ロストフ・ナ・ドヌはロシア南部にある都市。一風変わった都市名だが、これはドン川のロストフという意味で、ロシア国内に他にもロストフと名がつく都市(後述)があるために「ナ・ドヌー(ドン川にある)」を付しているものであり。文脈上ご誤解の余地がない場合は単にロストフとも称される。ロストフ州の州都で、ロストフ市域の人口は2009年時点で109万人にも達する。
ドン川がアゾフ海に注ぐ河口の付近に広がり、水運の要衝として栄えた街である。ドン川はロストフの東部で別の大河であるボルガ川と接近し、そこでボルガ-ドン運河で接続されている、運河のボルガ川側にはボルガ川流域の主要都市ボルゴグラードがあり、水運都市としての結びつきも強い。「黒海→アゾフ海→ロストフ→ドン川→ボルガドン運河→ボルゴグラード→ボルガ川→カスピ海」の経路は黒海とカスピ海を往来する重要な水運経路となっている。
第二次世界大戦中には1942年にブラウ作戦によりソ連南部の征服を目指したナチスドイツ軍により重要な攻略目標の一つとされ、一時占領されたが、反攻により年内に奪還された。
じゃないほうのロストフ
ナ・ドヌーじゃない方のもうひとつのロストフはロストフ・ヤロスラフスキーという町であり、モスクワの北にあるヤロスラフ州にある古都で、歴史は古いが人口は3万人と少ない。そのため、文脈なしで単に「ロストフ」というと圧倒的に大都市であるナ・ドヌーの方を指すことが多い。ロストフ・ヤロスラフスキーは小都市にもかかわらず、ロストフ・ヴェリーキー(大きなロストフ)という紛らわしい別名がついていたりする。