概要
『賭博堕天録カイジ』にて、主人公・カイジと、兵藤会長の息子・兵藤和也の対決で使用されたカードゲーム。
名前にポーカーと付いているが特定の役を作らずにカード一枚で勝負する、インディアンポーカーに近いゲームである。
ルール
プレイにはマザー・ソフィーという専用の装置とジョーカーを抜いたトランプ3セット、そしてライフという人形を用いる。
ライフはいわゆる掛け金で、一般的なサラリーマンの生涯賃金と同じ2億円で一つとなる。
用意した数箱のトランプを互いが入念にシャッフルして一つの山を作り、どちらか一方がカッティングカードというプラスチック板を山の好きな場所に挿入。カッティングカードより上のカードは捨て札となり残りの下のカードを「神の手」という分配装置にセット。プレイヤーが椅子に着席しシートベルトを着用してマザー・ソフィーの電源を入れ、タッチパネルで氏名と所持ライフを入力し、ゲームスタートとなる。
最初に両者が話し合って決めた順番でタッチパネルの側にあるスイッチを押し、先に押した方から順に手札が二枚ずつ配られ、その二枚を手前にあるカード提示ボックスに表向きにセット。カードをカメラが読み取り、手札の内容がA-8を意味するUPか、7-2を意味するDOWNかをランプで対戦相手に知らせる。
UPが二つとも点灯すれば両方A-8、DOWNが二つとも点滅した場合は両方7-2、一つずつの場合は一枚がA-8、もう一枚が7-2となる。
これを踏まえて二枚の内一枚を裏向きにして提示し、通常のポーカーと同じくライフを積み合い、掛け金が折り合った時にカードをオープンにして勝負する。
勝負は数字の大きさで判定され、Aが最も強く2が最も弱い。Aと2がぶつかった場合のみ2が勝てる。
数字が同じ場合はスートに関係なく引き分けとなる。使わなかったカードは手札として残り、一度使用したカードは捨て札となり、直前のラウンドで勝った方からまた一枚ずつカードが配布される。
カードを出した時、マザー・ソフィーから「コール・オア・レイズ?」という音声が流れ、任意で手持ちのライフから上乗せ(レイズ)することができる。対戦相手には「レイズ・オア・ドロップ?」と尋ねられ、ドロップ(降り)しないならライフを相手と同じ数だけ上乗せしてコールするか、相手より上乗せして逆レイズする事が出来る。この時に相手がコールボタンを押して勝負を求めても再度レイズを仕掛けることができる。これを繰り返し、最終的に両者がコールボタンを押すか、ライフが両者の釣り合う数まで達すればコールとなる。金を借りることはできない。
コールする前にどちらかがドロップによる決着となった時は、ドロップした側が賭けたライフを失いカードはドロップに関係なく開いてお互いに見せる。
ゲームを何回か繰り返し、負けた側は失ったライフの数だけ座席が押し込まれ、3連敗すると装置の端まで到達するが、それ以上負けても別に落とされるわけではなくただ形成の優劣を解りやすくするための仕掛けである。
ただしどちらかが全てのライフ失い「パンクラプシー」となってゲームが終了した際、サイドテーブルにある引き出しを開けるよう指示され、その中にある赤いライフを使って任意でゲームが続行できるようになる。
これは文字通り自分の命を賭けたのと同義であり、賭けると赤く発光して専用プログラムが発動。赤ライフを失うと命を失ったとみなされ「敗者処刑システム」が起動し、椅子がさらに後退して逆さまに吊るされた状態でベルトが解除。頭から落下して死亡する。
また和也が負けた相手の「何が何でも助かろうと悪あがきをして醜態をさらす様」を見物するため22.5度に設定された網がルーレットの様に回っているのをお互いの引き出しに入っているスイッチで止めてしがみつけるようになっている。だが確実に網の中央を掴まなければ結局落下してしまう。事実和也がマネキンを使って実験した結果、満足にセーフな部分で止められなかった上に仮に止められたとしてもバウンドで落下する等助かる確率は絶望的に低い。
ここで赤ライフを使って勝った場合にもその後の勝負でも任意で赤ライフを賭けることが出来、次の終了が通常ライフを全て失った場合とすることもできる。
ただし一度赤ライフを賭けてしまうと上乗せの条件が赤ライフを入れた数になる為、自身の通常ライフを超えた数まで上乗せされたら赤ライフを賭けるかドロップするしかない。
カイジには聞かされていないが、本体にある隠しスイッチを押すと中からAが3枚入っている隠しボックスが現れるというイカサマ装置が組み込まれており、相手がボックスを開いた時は手元にあるランプの光の合図でそれを自分も確認できるようになっている。そしてもう一つある第二のイカサマボックスには、大量のKやQ、そしてA殺しの2が仕込まれているが、その装置を開けるには特殊な凹凸を押すのが必須である為、事前に用意が必須で実質和也しか開けられない。よって相手が第一のイカサマ装置でAを得たと判断したときに2で迎え撃つと言ったことができる。
劇中(ネタバレ注意!)
カイジがこれまで得た4億で和也が用意した24億を得るために対決。
序盤こそはカイジ優勢だったが、中盤になり和也が父親譲りの強運と博打っぷりを発揮したことで、カイジのライフを0にする。
0になったカイジは赤ライフをかけて対決するがこれも敗北。正にカイジ処刑の瞬間になった時に同行していたチャンとマリオが友情確認ゲームの際に使用された処刑用ヘルメットを被り、自身の命を赤ライフにさせてカイジを救ってくれと懇願。和也は不本意だが平等なルールでのもとでそれを無しにすることは出来ず、処刑を取りやめるスイッチを押したことでカイジは命拾いした。
その後の対決で一か八かの博打を仕掛け博打に勝ったこと、赤ライフを使うことも厭わないカイジの戦略によってカイジが徐々に優勢となり、ターニングポイントとなるアップ同士での対決の際、2つ前の対決でカイジの勝利は確実に決まっていたのにわざわざ強いQを出したことにより「Kを持っているのでは?」と不審になり、和也はたまらずドロップ。勝負の結果は和也が勝っていたのに、それを拭いきれずドロップしてしまったことで、後の2つの対決も存在するか分からない幻想のKの存在に翻弄され、ドロップで落とすことになる。
しかし、何故か動揺せずに落ち着いている和也であり、その後突如として今までとは違う動きを見せた和也が動揺していると思ったが、幾多のギャンブルを潜り抜けた自身の勘とその後の勝負の結果から、カイジは不審に思い、「イカサマをしているのでは?」と思い、片方のテーブルにだけイカサマの装置を隠してるとはあり得ないと考え、自分の側にもイカサマの装置があるのではと思い、自分のテーブルを模索。すると、上述した隠しスイッチを発見し、持っていた爪楊枝(和也が車で見せびらかしたダイヤモンド入り)でその存在を確認。自らイカサマをすることはないと信じていたカイジは怒りよりも呆れていた。
そして、調べて見つけたもう一つのスイッチとその内容を推察したカイジはこのターンで決着をつけるべく全ライフをかけることを決意。(全ライフを使えば、和也も赤ライフで勝負せざるを得ない為)勝負はチキンレースとなっていく。
それに対し和也はたとえ負けることになってもスイッチを使えば助かると慢心していたが、先程スイッチを押したことで2度と使えないことに気付き、カイジに取りやめるように進言する。
しかし、カイジはスイッチが1度しか使えないことに気づいており、更に2を持っているのではと盲信させる為に、自分の持ってるカード(A、3)を素直に言い、和也のカード(A、2)を言い当てる。これにより、和也はカイジが言ってることを信じきれず、自身の出した2を信じ、自身の赤ライフを使いコール。
結果はカイジの勝ちとなり、和也は処刑する展開に。
黒服に助けようと携帯を手にしたところ、装置の移動により携帯を落としてしまい、更に壊れたことで外部からの連絡が不可。
自ら作った救済装置にも見捨てられ、和也は走馬灯を走りながら落下。
しかし、カイジ達が先回りで落下地点にクッションを敷いたことで奇跡的に生還。
ここからカイジ達は24億を死守すべく、帝愛の魔の手から逃げる「24億脱出編」がスタートする。