「優しさなんかで命張れるか。人間は欲望のために戦うんだよ」
プロフィール
概要
二級魔法使いの男性。故郷を守り、魔王軍残党と戦ってきた北部魔法隊の隊長。
大魔法使いのゼーリエ曰く「二級魔法使いの中でも一番の武闘派」。
人物
常に薄笑いを浮かべた好戦的な男性で、人相・目付きも相まって一見「ヒャハハハ!」などと笑いそうな狂人にも見えるが、実際は常に冷静沈着で警戒を怠らない。チンピラめいた外見とは裏腹に、困っている老婆を助ける、オイサーストでフリーレンと別れる際にも「出会いは大切にしろよ」と気を利かせるなど実際は気のいい兄貴風の性格。しかし一級試験で対峙したフェルンからは「犬とか蹴っ飛ばしてそうな奴」と愚痴られていた。それを聞いて「まあよく言われるわな」と返しているのでガラの悪さなどに自覚はある様子である。
魔族の跋扈する北部育ちで、国同士の戦争の経験もあるからか、魔法については「殺しの道具」と割り切った考え方をしている。一級試験に参加したのも、より強力な魔法を求めてのことである。軍人ゆえのシビアさと判断力の高さからゼーリエが試験官を務めた三次試験では「一目で勝てないと判断したが恐怖からではない」と評された。
戦いの中で生き残るため多くの生命を手に掛け、必要な殺しは必ずこなしたと言い切る一方で、人を殺すのに慣れることはなく、殺す以外の選択肢がある場合はできる限りその道を選ぼうとするなど、命をやり取りするものとしての覚悟と責任感を併せ持つ。
また、仲間思いでもあり、一次試験中では敗北したエーレやシャルフを見捨てることもせず、面倒を見ている。
自身の視界に収めた人や動物を拘束する『見た者を拘束する魔法(ソルガニール)』を得意とする。
受けた相手は身体だけでなく魔力の操作も効かなくなり、ほぼ無抵抗で殺されることになる。
ただし、対象の全身を捉え続けねばならず、距離を詰める・視界を遮るなどで対応が可能。このため、多人数の集団戦などには向いていない。
ユーベルからは「殺すまでの猶予を欲しがっている」と分析され、ヴィアベル本人もその点を認めている。
ちなみに若く見えるが、「ちょっと前まで20代だった(本人談)」。回想シーンでの「29年前」という発言、そしてその当時が4~5歳だったという点から、現在は30代中盤、33~34歳くらいではないかと思われる。
名前の由来である"ヴィアベル(Wirbel)"はドイツ語で渦を意味する。
作中の動向
一級試験の一次試験ではエーレやシャルフと同じ第8パーティーになる。フェルンの第4パーティを狙った際はユーベルを相手取る。
ユーベルには事実上勝利するが、フェルンの加勢(とハッタリ)に引き下がる。
敗北したエーレとシャルフを回収する時には2人からそろっておんぶをせがまれた。
試験の合間には依頼も引き受け、前衛を探している中でシュタルクを見かけて強引に勧誘。フェルンの許可だけもらって連れて行った。
この件でシュタルクの能力を高く評価しており、試験後も本格的に自分の部隊に誘っている。
一次試験突破後、二次試験でもエーレやシャルフと三人で行動し、水鏡の悪魔(シュピーゲル)が創り出した複製体を対処し、二次試験も無事合格。三次試験にてゼーリエから合格を言い渡され、見事一級魔法使いとなった。
幼少期には勇者ヒンメルの話を地元の老人たちから聞いて育った。本で読むような勇者であるヒンメルの華々しい英雄譚ではなく、他愛ない冒険で村が助かったくらいの話ばかりする周囲に当時は拍子抜けしたようだが、成長してそれがどれだけ重要な話だったか考え直すようになった。