ヴィッカース(Vickers)は、かつてイギリスに存在した重工業メーカー。
概要
主な生産品目は、艦船 火砲 航空機や自動車(軍用・民生用)など非常に多岐に渡る。
一方で、創業から消滅まで、合併と分離を繰り返したため歴史はかなり複雑である。
機械工学を学んだ方にはお馴染みのHVことビッカース硬度(試験器)は、このヴィッカースで開発されたものである。
沿革
1828年設立。その後、造船業者などの合併を繰り返して多角的なメーカーとなった。
1911年、航空機の製造を開始。
1927年には火砲や艦船で名を馳せた、アームストロング・ホイットワースと合併し「ヴィッカース アームストロング」となる。
1973年には高級乗用車で知られる「ロールス・ロイス」の自動車部門と同社保有の「ベントレー」を傘下に収める。
一方で、1960年代に入ると、上記の自動車部門の取得を除けば分社化や子会社の売却といった動きが目立つようになり、同社から離れた企業・部署は当時のイギリスの多くのメーカー同様に国有化された。
航空機部門は1960年に分割、同業3社と合併のうえでブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション (British Aircraft Corporation BAC)に再編。その後、1977年に更に同業2社と統合を経て国有企業ブリティッシュ・エアロスペース(British Aerospace BAe)となった。
製鋼部門、造船部門もそれぞれ分割と国有化(1977年)で失い、この時点で残っていた組織はヴィッカースplcとなった。
1998年に自動車ブランド「ロールス・ロイス」「ベントレー」をフォルクスワーゲンに売却。
ただし、この時点でロールス・ロイスはBMWと提携していたため、商標権やエンジン供給など契約の問題から、最終的に2002年からロールス・ロイスのみBMWの傘下となった。
また、本体のヴィッカースplcは1999年にロールス・ロイス ホールディングスの傘下となり、2004年にはすでに分社化されていたヴィッカースの兵器部門「アルヴィス・ヴィッカース」がジェネラル・ダイナミクス(現:BAE Systems)に買収され、ヴィッカースの名前は消失した。
主な製品
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