「人間は……どうして約束を破る?」
「何故……人間は忘れる?何故……人間は約束を違える?何故お前は人間を守る?この不実な生き物を……」
演:田中規子
概要
第4話「約束の果て」に登場。
『平成ウルトラセブン』の世界の地球に存在する“竜ノ宮市”に伝わる浦島伝説に登場する竜宮城の双子の乙姫その人。
姉の方は亀を助けたお礼に時間を跳躍して竜宮城へとやって来た浦島太郎と恋仲になり、ある日自分の無事を知らせに一度故郷の村に帰りに戻り、乙姫がまだ見たことがない“夕顔”の花を見せる為に地上へと帰還しようとする太郎にその約束の証として時計を兼ねた貝の棘で太郎と自分の右手を傷付けた後、その貝を決して開かない様にと約束を契った後に、地上へと送りだすが、太郎が未来の時間軸にやって来てしまった影響で約束を忘れてしまい、その為に不用意に貝を開けてしまった事が原因で死んでしまう。
その太郎の不実さ(誤解)に失望した妹はその復讐として太郎を亡き者にしようと、過去の時間を現代に流し込んで彼が助けた亀(人間の男「角野」の姿で現れた)と共に彼に姉との約束の出来事を思い出せるように手引きした後、彼の不誠実さを詰めより、約束の貝を海に投げ込み姉の化身である大龍海を召喚。
彼の生まれた故郷と共に亡き者にしようと試みるが、約束を思い出した太郎が掲げた“夕顔”の花を見て沈静化した大龍海が太郎を取り込んで去って行くのを見届けると、亀と共に海(おそらく竜宮城)へと帰っていった…。
ウルトラセブンの敵としては珍しい、宇宙人と関係あるのかはっきりしない存在。(別世界の弟子のエピソードには時折見られる)昔話をモチーフにしたエピソードという点でも異質である。
しかしこの時に投げかけられた「人間を守る事への疑問」が、最終回での衝撃の展開へと繋がっていく。
余談
『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』の記述によれば、タキオン粒子を使って時間操作を行うと解説されており、本編でも時空の異常が起きた際タキオン粒子が観測された事が言及されている。幻想世界の出典にありながら、何故ここだけ妙にSFじみた設定なのかは定かではない。彼女たちは古代文明の子孫か宇宙人なのだろうか…?