概要
男女ともに存在し、女性では授乳時に子供に吸啜位置をアピールする重要な役割を果たす、哺乳類を哺乳類たらしめる要素の一つと言える。
が、男性における生物学的な存在意義は乳首と同様に不明で、精緻な構造の人体に珍しい余計な構造物だと見なされることもある。
人によっては性的な刺激に敏感な性感帯でもある。
おっぱいの中でも特に柔らかい部分とされることもあるが、乳首と同様に性的興奮や温度変化によって締まって硬くなることもあるため、実態は流動的である。
外観
乳輪は、人体の中でも外観の個人差が非常に大きい部位である。
男女問わず二次性徴に伴い徐々に広がり色が濃くなる傾向はあり、特に女性では顕著であるものの、これまた個人差が大きく、幼少期から見た目がそこまで変わらない人は男女問わずいる。
色合いは基本的に赤~茶色の系統だが、ピンク、紅色、黄土色、薄茶、焦げ茶など実に多様。
茶色は髪の色や日焼けと同じメラニン色素であり、肌やこすれた部分が茶色になりやすい人ほど乳輪も濃い色になりやすいとされる。
当然、そこには人種差が非常に大きく関わっており、白人ではピンク、黒人では黒~濃いこげ茶となる。
日本人の多数派を占める黄色人種も黒人と同じく有色人種であり、基本的に乳輪は茶色~濃いこげ茶が多数派で、成人直後にピンク色をしている人は少数のよう。
たたし、加齢と共に多くの人の色合いはピンクに近づいていく。この原理は白髪と同じくメラニン色素の欠落によるもの。
また、妊娠した女性は、妊娠終盤にかけてほとんどの人で徐々に黒~濃い焦げ茶へと色づく。
その方が赤ちゃんが吸うときに見つけやすくなるので、生存戦略としてとても合理的な変化である。
色だけでなく、形やサイズも非常に個人差が大きい。
女性の平均サイズは3センチほど。
乳輪とその外側との境目も、非常にくっきりした人からグラデーションで曖昧な人、まだら状に色が広がる人まで様々。
形状も、やや横長な人が多いものの人によってはまん丸だったり縦長だったりもする。
サイズについても、一般的に乳房全体が大きい人ほど乳輪も大きい傾向はあるが、巨乳なのに小さな乳輪の人も、貧乳なのに大きな乳輪の人もいる。
更に乳首とのサイズの関連は明確でなく、乳首は大きいのに乳輪は小さい人や、逆に乳輪が大きいのに乳首が小さい人もいる。
乳輪には「モントゴメリー腺」というぶつぶつした皮脂腺や、境界外側の体毛などがみられる。
これらもよく見れば男女問わず誰にでもあるものだが、色や大きさの個人差から大きく目立つ人と全く目立たない人がおり、目立つ人の場合は見た目が損なわれていると感じて悩む人もいる。
そうした場合は手術で取り除くことも可能だが、当然医療保険は効かずリスクもそれなりに伴うことになる。
性嗜好として
先述のように外観の個人差がきわめて大きいため、性嗜好における色や大きさの好みにも大幅な個人差がある。
「女性の乳輪は直径が小さく「桜色」と形容されるように色も薄いものが"清楚"で好ましい」
などというイメージ論評や、そこから飛躍して
「乳輪の色が濃く黒ずんでいる人は遊んでいる人だ」
などという言説がまことしやかに語られることもある。
しかし、そもそも先述の通り日本人の多くは有色人種である黄色人種で、濃いめの茶色~黒の乳輪が大多数。
また妊娠中や産後の女性ではほとんどの人が乳輪の色が濃くなるが、性交渉そのものが色素を生み出すとするデータもなく、乳輪の色が黒い性交未経験者も何ら珍しくない。
つまり「乳輪の色が濃い人は性的に清楚でない」などという言説に科学的根拠は一切ない。
少数派を珍重する向きがあるのか、はたまたピンク色の乳輪を持った人が自身に有利になるよう流布したのかは不明だが、「ピンク乳輪=清楚」というのは作られたイメージでありデマであろうということを念頭に置くべきである。
上述のように乳輪も性感帯であることから「大きい=性的魅力がある」と感じたり、また、黒ずんだ乳輪に劣情を抱く者もいたりする。
またモントゴメリー腺についても逆に性的魅力を感じる人もおり、pixivにおいても一部作品にはモントゴメリー腺まで丁寧に描き込まれている。
創作物において
男性においては乳輪の露出は特別な忌避対象ではないが、女性においてはR-18とそれ以外を分けるギリギリの境目である。
際どい衣装を着た女性の映像や写真において乳輪が「見えた」「見えてない」などと論争になることがしばしばあるが、ニップレスの一部を乳輪と誤認することも多く、の結論がどちらだとしても乳首の露出ほどは問題視されないことが多い。
同様に、女性の乳輪が見えるイラストはR-18かそうでないかも投稿主によって、また見る人によって判断が分かれるところである。
この辺りの解説は輪チラの項目が詳しい。
ただ、一般に「乳輪」タグが付けられたイラストはR-18指定されていることが多い。