人物像
昭和28年で2年目という駆け出しの古物商。切り盛りしている青山の店は、親戚の今川雅幸が始めた「骨董今川」を継ぎ、屋号を「待古庵」と改めたもの。骨董商としての鑑定眼は優れているが、やや自信に欠けると評される。
屋号の由来は子供の時の渾名「マチコサン」に由来していて特に意味は無いが、客はその字面を見て勝手に納得すると言う。
シリーズのメインキャラである榎木津は兵役時代の元上司で、当時から「マチコ」や「マチコサン」と呼ばれていた。伊佐間とも戦時中からの旧知の仲で復員後も懇意にしてる。
榎木津からは、戦時中に詳細不明の珍事件を起こしたことを今でも語り種にされ、顔を合わせればあれこれ弄られて笑われるという酷い扱いを受ける一方、なんだかんだ信頼されているのか、骨董関係で仕事の手伝いを下命されたりもしている。
劇中では何度も、かなり特徴的な風貌をしていことが描写される。
太ってはいないがずんぐりしていて、顎がなく、まんまるな眼で、鼻が大きく眉も唇も太い。パーツだけみると男らしくて立派なのだが、迫力はあるのに締まりがない。
初対面の本島をして「何かに似ているが、何に似ているのかわからない」と評され、何度会ってもその結論が出ない妙な印象は「禽獣のよう」とまで言われる。
榎木津に至っては「馬ネズミ」「ぐぶぐぶ魔人」など、反射的としか言えない罵倒のアダ名をつけていた。
この印象的な外見の上、感嘆したりすると「きゃあ」とか「うにゃあ」といった妙な鳴き声を発する事もあって余計に動物っぽい。
口をもぐもぐと動かす水っぽい喋り方をし、多少興奮して話すと口角にぶくぶくと泡がたまるので、榎木津は兵役時代から現在にいたるまで、乳製品を食さないよう今川に厳命しているのだとか。
そんな外見と、おっとりのんびりした性格もあって一見すると魯鈍な印象だが、かなり頭は切れるし、行動も抜け目がない。誰に対しても大変礼儀正しく、語尾は「~なのです。」で〆ることが多い。
骨董品とその背景についての考察を語ったり、中禅寺に見解を求めて掘り下げようとするなど、知的好奇心も旺盛。
ラジオドラマ『百器徒然袋』での声優は『斉藤洋介』である。