概要
東方Projectに登場する伊吹萃香が所有する酒器。「 無限に酒が湧く 」という瓢箪である。
その性質については「伊吹萃香」記事におけるその他項目中の「伊吹瓢」の記述も参照。
瓢箪胴体部分の主なカラーリングは紫色。さらに書き部分が白の札が貼り付けられている。
『東方萃夢想』などでのドット絵などではここに黒文字が書き込まれている他、作品によっては赤色で縁撮りされているものもある。
本人が手にしている場合を除いて萃香の左腰部分に備えられる事が多く、その際には何らかの形で体と瓢箪を結び付けている。
様々な作品で登場しているため、サイズやデザインなどに違いがある。
概ね萃香が掲げて少し大きいくらいのものであるが、作品によっては萃香の顔と同じくらいの大きさで描かれているものもある。
この瓢箪は『萃夢想』等弾幕アクションでも対戦中に登場しており、例えばこの瓢箪を投げつけてぶつけたり中のお酒を口に含んでからそれを火炎にして吹き出したりする他、対戦中でも飲酒する際にはこの瓢箪を使っている。
登場例
基本的なデザインは先述のものとほぼ同様であるが、大きさなどに違いがある他、萃香が登場した際にどのように身につけているかなどに特に違いがある。
先述の『萃夢想』などでは立ち絵の一つに瓢箪の上に萃香が肘をつくような姿勢のものがある。
『東方三月精』では鎖で自らの腰正面のベルト様の装飾に繋いでいる。このとき瓢箪側は口部分ではなくのくびれ部分に輪が繋がっている。また同作でのデザインでは萃香の分銅の一つである「□」(立方体型の分銅)とその鎖の根元部分を共有している。
『東方文花帖』挿絵(文々。新聞掲載の物)では鎖や紐のようなものが見えず、もう一つの挿絵(追取材時)では瓢箪から伸びていると思われる紐を萃香が手に持っているが、この紐と瓢箪の接続の詳細は描かれていない。
『東方求聞史紀』における挿絵では瓢箪先端の口部分周辺に鎖の輪をくくりつけ、鎖は自らの身体の方向に伸びている。『三月精』でのデザインと本挿絵における鎖の流れる方向から腰から伸びる鎖に結ばれていると思われるが、リンクの一部が描かれていないため正確な様子は不明である。
また同作では伊吹瓢単独での挿絵があり、同挿絵では紅葉のようなデザインが入っており、口部分とくびれ部分には紐が結び付けられている。さらにこちらの挿絵では正面に「 酒池肉林 」の語が記された札が貼り付けられている。
『東方茨歌仙』では第八話冒頭で萃香がこの瓢箪からお酒を注ぐシーンがある他、翌第九話でここから直接お酒を飲むシーンが描かれている。このときは瓢箪の栓部分に鎖が付けられており、栓をした状態の瓢箪を萃香が軽く振り回している。第十六話と第二十一話においても左腰に繋いであるが、第二十話において変装したときのみ、その身体から離して別の場所に置いている。
また同作三十二話ではとある宴会の夜に萃香の許可のもとで茨木華扇に貸し出されている。
華扇曰く「 無限にお酒が湧いてくる瓢箪 」。
この際は華扇と「 酒力 」比べをすることとなった二ッ岩マミゾウやその配下の狸たち(モブ狸)が伊吹瓢の味わいを体験した。このとき華扇はマミゾウが手にした伊吹瓢から湧き出るお酒を自身が所有する酒器である「茨木の百薬枡」で受けており、マミゾウからの挑戦を受けることを態度で示している。
同エピソードの扉絵ではマミゾウとにらみ合う華扇の胸元にはこの際の伊吹瓢が抱かれている。
『東方酔蝶華』では、萃香本人が所持している他に萃香や霊夢が他の人物から伊吹瓢に似た瓢箪からお酌を受けている様子も描かれている。同作のカラーによれば萃香がもつ伊吹瓢と同様のカラーリングで、張り付けられた札のうち可読範囲では札の一部の「吹瓢」と思しき文字、月刊コンプエース1月号付属クリアファイル(「別Ver.イラスト」)では札の一部の「伊」と思しき文字を読むことができる(両場面の描写を元に配置を総合すると「 伊吹瓢 」の表記となるか)。
また別のシーンでは、状況の詳細は不明ながら何者かの助言をもとに霊夢がこれを使用しており、新技(?)を生み出している。その様子と経緯とはまさに酔生夢死たるロータスイーター。
この他にも同作中では伊吹瓢と同様の形状の瓢箪が、現実と夢幻をあいまいにするかのように象徴的に描かれているシーンがある。
このように作品ごとに違いはあるものの、伊吹瓢は殆どのケースで萃香や萃香周辺の人間関係とともに登場しており、宴会シーンで登場する機会も見られることもあってお酒と楽しいことをこよなく愛する萃香の重要な要素の一つともなっている。
仕組みとその味わい
萃香の持つ瓢箪が「 無限に酒が湧く 」という性質を備える仕組みについて、『三月精』で萃香自身が語っている。それによれば、萃香の持つ瓢箪には「 酒虫のエキス 」が染み込んでおり、酒虫とは、水を吸収し、お酒の成分に変えて分泌するという性質を持つ鬼の一種である。水の量も「 少量 」で良い。
ただし酒虫のエキスが染み込んだ瓢箪によるものは造りたてのお酒と比較すると味が落ちたものであるらしく、同作では萃香は造りたての味わいを求めて酒虫を探していたようである。
『三月精』で萃香が求めた酒虫そのものによる味わいについては同作中における経緯で酒虫酒を手に入れた永遠亭の面々が高く評価している他、『茨歌仙』において華扇が宴会で酒虫酒を振舞った際には宴会に参加した様々なメンバーがその味わいに感激している。
また『茨歌仙』の別の機会で伊吹瓢のお酒を飽きるまで堪能することとなったマミゾウも「 中々のお酒 」との評価を語っている。ただしこのときの伊吹瓢の内部の様子や酒虫酒のランクなど、お酒の具体的な内容は不明。
関連イラスト
- 萃香以外のキャラクターとともに