概要
岡山県の伽藍さま
岡山民俗学の黎明期に活躍した夭折の民俗学者・嶋村知章による『岡山文化資料』二巻三号「妖怪雑輯」に記述される妖魔。
ガランはどこの寺の境内でも、どこかに潜んでおり、ひどくもの吝み(物惜しみ)するものであるといわれている。
その物惜しみは筋金入りで、挿歯(足駄:高下駄の歯)についた土に対しても適用されるほどのものであったため、寺には歯下駄を履いて入ってはいけないと戒められていた。
この妖怪はツイッターの伝承妖怪お題絵において、平成26年2月のお題として出され、妖怪絵師によって新たな姿が与えられた。
長野県のガラン様
『長野県史』民俗編 「南信地方 仕事と行事」の記述によると、長野県では大国主命のことであるともいわれる強い力を持った地主神のことで、火を嫌うので神域に入る際には松明を持つことは禁忌とされていた。
しかし、十年ほど前に皆が止めるのを訊かなかった男がおり、山に火を付けてしまったばかりか着物の下半身が燃えてしまったという。
南九州の伽藍様
ガランドンと読み伽藍殿とも記述される。
南九州全域において民間の祠や宝塔に見られる神で、地域により水神、農作神、荒神など様々な信仰対象として知られている。
鹿児島県枕崎市の別府、まかや町ではガラッパ(河童)である水神で、祭りは正月5日に行われ、赤飯の握り飯が供えられる。
霧島市隼人町では荒神であるので、境内で焚き火をしたり遊ぶことは禁忌とされた。
日置市では赤い牛を好んで使役するので、赤い毛並みの動物や鶏は飼ってはいけないとされていた。
水木しげる氏は50㎝ほどのみすぼらしい平べったい石として祀られており、願をかけると盗人や人殺しを見つけ出してくれるという伝承を紹介している。