偉い人にはそれがわからんのです
えらいひとにはそれがわからんのです
出典は劇場版『機動戦士ガンダム』より。完成度80%の脚のついていないジオングを見たシャア・アズナブルが「脚が無いな」と言ったのに対し、説明役の開発技術者の整備士(ニコニコ大百科の記事)が「あんなの飾りですよ」と返し、その後に続けたセリフ。劇場版における有名なシーンである。
「未完成の機体を不安視するシャアを励ましている」
「自分が関わる機体を未完成扱いされたくないという整備士の意地」
「この機体が100%だと本心から保証している」
などなど様々な読み取り方ができるセリフ。
TV版『機動戦士ガンダム』では「偉い人にはそれがわからんのですよ」という微妙に異なるセリフであった。
ピクシブでは主にスカート等の「何かが明らかに足りない」イラストに付加するタグで足なんて飾りですの代替として、またはセットで使用する。
ちなみに…
この台詞は富野由悠季監督の本音が混じっていると言い伝えられている。
たとえば氷川竜介著『20年目のザンボット3』では監督本人との対談の中で、
「ザンボット3では、いわゆる『分かっていない人間』の見本として警察署長が序盤に出ていたが出てこなくなった。なのに最終回で神勝平を出迎える群衆にはちゃっかり登場している。これは『現場が一番辛いときには何もしてくれないのに、終わったときにずうずうしく出て来て自分の手柄のような顔をしている人間』に対する皮肉がこもっている」
と語っている。
上記のセリフでも、わざわざ「偉い人」を批判的に持ち出している当たり、「上の連中は現場を何も分かっちゃいない」という不満が込められていたのかもしれない。
1997年に、『アニメのファーストガンダムのノベライズ』として、富野監督が自ら著した「密会 アムロとララァ」(角川スニーカー文庫)では、『有機体が辿り着いた人型という究極の柔軟性を持った形を、機械的に最高の性能を出ないからと変えてしまうのは、人の知恵の傲慢である』と切って捨てている。
この頃(以降)の富野監督は、年齢もあるのかナチュラリスト嗜好が強く、物事の本質がわかってないのは開発技術者の方という結論になってしまった。