作品解説
吉田覚による日本の漫画であり、元々は作者のブログに掲載されていた作品。無職の兄妹とその周囲の人々を描いたギャグ漫画。この作品に登場するニートは度量が広く心の豊かな人間が多いのが特徴。登場人物が多くなるにつれて群像劇に近くなる。単行本での書き下ろしが多く、Webで掲載されている話の裏側や後日談といった話、登場人物の過去話が読める。単行本にしか登場しないキャラクターも存在している。基本的にサザエさん時空だが、作中で登場人物が一歳加齢した描写が存在し、単行本の描き下ろしで登場人物達の未来が描かれる事がある。
あらすじ
対人恐怖症の妹・春子と、社交的で「エニート」な兄・守。対照的な性格だが、ふたりとも働いていない。そんなニート兄妹と家族や友人、お隣さん達との日常を描いている。
登場人物
石井 守(いしい まもる)
本作の主人公。石井家の働かない兄。
ニートでありながら、コミュニケーション能力・手先の器用さなどさまざまなスキルに長けており、妹の春子からは「ニートのなかでもエリートの『エニート』」と称される。
石井 春子(いしい はるこ)
本作の主人公。石井家の働かない妹。
対人恐怖症で人前に出るのが苦手。言葉遣いが独特で、驚いたり怯えたりするとよく「だよぉ」や「おわー」と言う。本来は横着でイタズラ好きな性格であり、兄の守に懐いていて、一緒にテレビを見たりゲームをするのが一番の幸せ。
丸山 翼(まるやま つばさ)
守の友人。大卒で会社員をしており、守とは小・中学校からの同級生。
少々柄が悪そうに見えるが、気さくで友達思いな性格。彼女が出来たことがなく、常にモテようと腐心している。弄られ役だが、友人達に非常に好かれている。
読者から埼玉県在住のひろしの様な父親になれると慕われている。
倉木さん
石井家の隣のアパートに住むOL。本名は倉木 美香(くらき みか)。
石井家の隣に越してきた当初は不眠に悩まされており、窓から見える石井兄妹を「アホ兄妹」と呼び呆れていた。しかし、能天気な守と春子を見ているうちに色々なことがどうでもよくなり、よく眠れるようになったため、ふたりに感謝すると同時に興味をもつようになる。
戸川(とがわ)
登場当初は石井父の部下。クールで無口なOL。宮崎出身。
本が好きで自身も小説を書いている。守とは彼がアルバイトをしていた古書店の常連として面識を持っており、互いに「本の妖怪」と内心で評していた。上司である石井父に“息子にピッタリな相手”と気に入られており、会う事を薦められていたが、「無職は勘弁」と断っていた。だが、守の写真を見た事で彼が「本の妖怪」と気付いて会う事を決めてから友人として付き合い始める様になる。
飯塚(いいづか)
初老の男性。60歳代。当初は石井兄妹を恋人と思っていたが、兄弟であったことを知った。昔は家族も顧みない仕事一辺倒だったが、守との出会いを機に心を軟化させていく。
家を出て行った妻と独立して家庭を持っている息子が存在する。息子とは和解し、その妻子である息子嫁と孫を守達の処に連れて行って一緒に遊ぶ様になった。
会社員時代は部下想いのまっすぐな性格から彼らに慕われていたが、上層部と衝突して早期退職する羽目となったらしい。