概要
紙をリサイクルした古紙パルプから作られる紙。紙はいくらでもリサイクルできるわけではなく、セルロースの繊維長が短くなり強度が落ちてしまうのでおのずから限界がある。また、古紙はゴミの混入や印刷インキなどがあるため、品質に若干のバラつきが出る。そのため用途に応じて木材チップから新たに作ったパルプを混ぜている。
その中にあって新聞紙はもっぱら回収した新聞紙から再製造するため品質が安定しており、原料パルプの8割程度が古紙である。
新聞紙やいわゆるわら半紙は「インクが残っているから灰色をしている」と思っている人がいるが、あれは主にリグニンという木材を固める接着剤のはたらきをする物質を薬剤で取り除いていないためである(漂白していないということもあるが)。そのため環境負荷が低いものの、古くなると黄ばみやすい。
コピー用紙にも再生紙が広く使われているが、木材パルプから新たに作った上質紙よりも強度はどうしても低くなりがちである。白色度が低くても良い段ボールや卵パックなどの梱包材や、もとより繊維の強度がそれほど求められないトイレットペーパーは再生紙向きの用途であり、古紙パルプの使用率は高い。