概要
「カクヨム」や「小説家になろう」で連載されているWEB小説。正式名称は「剣と魔法と学歴社会 ~前世はガリ勉だった俺が、今世は風任せで自由に生きたい~」。
才能はあるが興味のない事に根気の続かなかった主人公が、ある時現代社会の前世を思い出し、将来を自由に生きるために学歴社会の存在するファンタジー世界で奮闘するという、コメディ強めの異世界もの。作者は西浦真魚(West Inlet)。
書籍版はカドカワBOOKSより刊行中、2024年10月現在で既刊4巻。イラストはまろが担当。
コミカライズ版は電撃コミックレグルスで連載中、作画は田辺狭介が担当。2024年10月現在で既刊1巻。
あらすじ
出身学校で人生が決まる貴族社会に生まれた田舎貴族の三男・アレンは、素質抜群ながら勉強も魔法修行も続かない「普通の子」。
だが、突如蘇った前世は、受験勉強・資格試験に明け暮れたガリ勉リーマンで……。
前世のノウハウを活かし、文武を鍛えまくって最難関エリート校へ挑戦すると、不正を疑われるほどの急成長で、受験者・教師双方の注目の的に!
冒険者面接では就活の、強面試験官にはムカつく上司の記憶が蘇り――と更に学園中で大暴れしていき!?
(書籍版1巻あらすじより)
登場人物
アレン・ロヴェーヌ
本作の主人公。本編開始時点で12歳。
魔法の才能があることから受験を受けることになるも、受験に興味を持てなかったために勉強が続かなかったが、突如前世の記憶が蘇った。
前世の経験と今の性格がブレンドされた結果、「自由気ままに生きる」ことを人生の指針とし、将来の選択肢を広げるために、受験予定であった最難関エリート校、王立学園の受験に挑む。
- 「ぼく」
アレンの前世であった青年。本名は不明。
「世の中は学歴社会」という両親の方針で青春を受験に捧げたが、学歴の代名詞的な首都の国立大学に手は届かず、何とか1浪の末に有名私立に潜り込んだ。
大学でも成績だけはそこそこを維持していたので、何とか大手の食品メーカーに就職。
しかし、社会人になってからは求められるものの違いから勉学が報われることなく、会社の仲間からは冷遇され、WEB小説、特に異世界転生ファンタジーなどを読んで自分に重ね、現実から逃避しては無聊を慰めていた。享年36歳。
しかし、その経験と勉強のノウハウ、前世で感じた無念は今世のアレンに引き継がれ、影響を与えることになる。
アレンの家族
ゾルド・バインフォース
ロヴェーヌ家専属の執事兼家庭教師。アレンの父の代から務めていた模様。
アレンには4年勉学に付き添い、勉強嫌いだったアレンに手を焼いていたが、アレン覚醒後は全力で受験に臨むアレンを全力で支え抜いた。
その後、アレンが活躍するにつれて、「常在戦場」の異名を持つ伝説の家庭教師として、(本人の知らぬところで)名が広まる事となる。
ベルウッド・フォン・ロヴェーヌ
アレンの父親。ロヴェーヌ家当主で、階級は子爵。
腰が低く温厚な人柄であり、性格の変わったアレンについても温かく見守っている。
セシリア・ロヴェーヌ
アレンの母親。
厳格な性格で、常人ではないとわからせる佇まいをしている。
グリム・ロヴェーヌ
アレンの長兄。ロヴェーヌ家次期当主。
学歴はドラグレイド地方の貴族学校で官吏コースを卒業している。
ベック・ロヴェーヌ
アレンの次兄。現在は地方の私設軍に所属。
学歴はドラグレイド地方の貴族学校で騎士コースを卒業している。
ローゼリア・ロヴェーヌ
アレンの姉。愛称はローザ。
薄い桃色の髪色に、愛らしい顔立ちが特徴。かなりのブラコンでアレンを溺愛している。
普段はおっとりしているが、一度キレると大好きなアレンでも瞬時に殴り掛かる危険人物。
また、一度研究や鍛錬に没頭すると、周囲の事など何も見えなくなり、生活が二の次になってしまう一面も持っている。
学歴はドラグレイド地方の貴族学校で魔法士コース(魔道具士専攻)を首席で卒業後、王都の特急魔道具研究学院で研究の日々を送っている。
Aクラス1年関係者
ゴドルフェン・フォン・ヴァンキッシュ
王立学園Aクラス1年の担任であり、王立学園理事を兼任。『仏のゴドルフェン』『百折不撓』という異名を持つ。
元王国騎士団副団長であり、二重属性持ちの魔法士にして剣も凄腕の魔法騎士。
フェイルーン・フォン・ドラグーン
Aクラス1年。魔道具士志望。愛称はフェイ。
ショートに切り揃えられた艶のある髪、くっきりとした猫のような目が特徴。
当主とその跡継ぎにしか認められていない『フォン』を名乗ることを許されている才媛。アレンに強い興味を持つ。
アルドーレ・エングレーバー
Aクラス1年。魔法士コースの魔法士専攻。愛称はアル。
短く切り揃えた水色の髪と、目鼻立ちのクッキリとした、スラリと筋肉質そうな男。
氷属性の魔法が使える。
ココニアル・カナルディア
Aクラス1年。官吏コース。愛称はココ。アルの友人。
薄い醤油顔にポッチャリした体型が特徴。
ライオ・ザイツィンガー
Aクラス1年。青みがかった光沢のある黒髪に、スラリと高い上背。とんでもない美形。
並外れた魔力量と文武共に優れた才覚を持つ。
ケイト・サルカンパ
Aクラス1年。
左肩から前に垂らせている後ろで束ねた深紫の髪とフレームの細い眼鏡が特徴。
ジュエリー・レベランス
Aクラス1年。愛称は「ジュエ」。魔法士コース専攻。
黄色の強い金髪が特徴。聖属性の魔法の使い手。
ステラ・アキレウス
Aクラス1年。騎士コース専攻。
ツインに分けて束ねているピンクの髪が特徴。
さっぱりした性格だが、来やすく接すると拳が飛んでくる。
ダニエル・サルドス
Aクラス1年。愛称は「ダン」。アレン曰く「ジャガイモみたいな顔」。
幼少期は港町で育てられたが、その優秀さゆえに伯爵家に半ば強引に引き取られた苦労人。
ルドルフ・オースティン
Aクラス1年。愛称は「ドル」。アレン曰く「ゴボウみたいな顔」。
火・水・土・光の属性魔法を扱える。
パーリ・アベニール
Aクラス1年。槍を武器として扱う。
フェイを主としており、フェイを蔑ろにするアレンを目の敵にしている。
用語
ユグリア王国
1200年以上の歴史を持つ王国。本作の主舞台。
代々貴族制を敷いている。公爵や侯爵は数が管理されているが、子爵や男爵になると数が増えすぎていて、近年では貴族の血を引く庶民というのも珍しくないというのが実情。
一方、「幼年学校」という現代の義務教育に近い制度や12歳以上で通える「上級学校」などの教育制度が発達しており、進学先や成績が将来を左右する「学歴社会」となっているのも特徴。
長年大きな戦争や自然災害に襲われることもなかったが、近年は隣国との間で緊張状態が発生している。
王立学園
正式名称「ユグリア王立騎士魔法士学園」。ユグリア王国の最難関上級学校で、全周40km以上という巨大な敷地を持つ。
騎士コース、魔法士コース、官吏コースの3つのコースを合わせても合格者はたった100人。全3学年で300人しかいない。
学力、魔力のセンス、実技といった総合力が問われるが、卒業者には輝かしい経歴が約束されていることから、狭き門をくぐるために毎年1万人以上の受験者が訪れている。