概要
南紀熊野は、プレートの沈み込みに伴って生み出された異なる3つの地質体(付加体、前弧海盆堆積体、火成岩体)が見られるジオパークであり、それらが作る独特の景観が存在している。 また、近くを流れる黒潮の影響を受けることにより温暖湿潤な気候ができ、多種多様な動植物が生息している。 さらに、滝・巨石・大木などをご神体とする自然信仰、そこから生まれた熊野信仰や、急峻な渓谷が原因で発達した筏下りなど、優れた文化があり、大地にまつわる民話も伝えられている。温泉や鉱山などの大地の恵みを享受する一方、洪水、土砂崩れ、津波などの自然災害の脅威がある地域でもある。
なりたち
7000~2000万年前
海洋プレートと大陸プレートの境目に堆積したもの(海溝堆積物)は、海洋プレートが沈み込むにつれ、どんどん陸地に押し付けられ、南紀熊野の土台(付加体)が作られた。
1800~1500万年前
どんどん陸地に押し付けられ、浅くなった付加体の上に、くぼみができ、陸地から流れてきた砂や泥が堆積した(前弧海盆堆積体)。
1500~1400万年前
マグマの活動が活発になり、付加体や前弧海盆堆積体を突き抜けて、大規模な火山(火成岩体)がつくられた。
現在
南紀熊野の地域には、海溝に堆積した地層からなる付加体とその上に重なる前弧海盆堆積体と、マグマからできた火成岩体が分布している。そしてより新しい時代の地殻変動と風化浸食により、現在の地形となった。
引用:南紀熊野ジオパーク
主なジオサイト
千畳敷(せんじょうじき)
梶取崎(かんどりざき)
救馬渓(すくまだに)