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商標登録

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しょうひょうとうろく

商標登録とは、「商標権」を法的に認められた状態とするために申請する制度である。

概要

文字通り「商標」を「登録」する制度である。商標の標とは「標識」のニュアンスであり、自他の商品やサービスを法的に区別する目印となるもの。末尾に®(R)が目印。

商標登録は特許庁に対し申請し、認められれば「(登録)商標」となり、申請者側は知的財産法で保護される「商標権」を手にすることができる。

「商標」を取得しておけば、他人や他社が勝手にそのネーミングやデザインを使用した場合、それを差し止める事も可能となる。

2022年5月18日現在で日本の特許庁における審査官担当者の人数は約170名(栗下善行議員の連ツイを参照)。

神話や古典に由来する名称でも可能。例えばナイキギリシャ神話の神ニケーのアルファベット表記Nikeの英語読みに由来する。

申請だけなら現代において第三者の手で作られた語でも可能。『スーパーニンテンドーワールド』という既存の施設そのまんまだろうが可能である(「ゆっくり茶番劇」問題の背後で任天堂関係の商標が勝手に出願される)。

審査担当者が気付く事ができれば弾く事は可能ではある(競走馬の「ゴールドシップ」の例)が、通ってしまった例は複数存在する。

が、却下されずに通ってしまえば、本当に第三者の権利になってしまう構造がある。覆すには裁判を起こす他ない。

そして、神話・古典も属する伝統文化系であっても、道義的には無茶としか言えない要求も可能である。

アメリカ合衆国におけるアロハ・ポケ(アロハ・ポキ)商標登録事件では「アロハ・ポキ」というハワイの言葉を用いた商標を登録した企業が、その文化への本来の担い手たちにも「アロハ」「ポキ」の使用停止を要求している。

日本における審査基準

2022年のゆっくり茶番劇商標登録問題を切っ掛けに立憲民主党栗下善行議員が特許庁に確認をとっている(ツイート)。

それにより以下の事が開示され、ネット民に周知される事になった。

  • インターネットや辞書を参照するものの、判断基準に数値基準はなく、審査官の裁量に基づく

ゆっくり茶番劇」の場合、「サービスの提供者」が明確で無いと判断された。この件で担当した審査官は需要者の間で「ゆっくり茶番劇」という語が「広く」認識されてはいないと判断したそうである。

  • ネットでの二次創作・フリーでの提供物についての審査が十分なものでない事は庁側も認めている

栗下議員に対して複数の審査官によるクロスチェック等を再発防止策として提示している。

  • ネットミーム等の無料で共有される事が暗黙の了解となっている分野の商標登録は問題だと庁側も認識

ただし、ミームとそうでないものの境界線をどこで引くかが難しく、具体的な基準は設定できていない。結局は審査官の裁量に委ねる形となっている。対策については単に「審査官への注意喚起」と提示している。

  • 異議申し立て期間終了後に申請者が告知することは無問題とされている

商標広報では公表されているためルールを破っている事にはならない、という庁見解。商標広報の内容が一般に周知されていない点については問題であると庁側も認識している。

商標ゴロ

商標登録は商売する人々や、自身に関わる名称を望まない形で利用されたくない人々の権利を守る制度として機能してはいる。

例えば勝手に第三者が商売に使っているのを中止・阻止するために申請する例も存在する(グレタさん自分の名前など 商標登録へ - 日テレNEWS)。

ただし、「誰でも、何でも申請できる」「審査担当者のリテラシー、知識範囲次第ではチェックを通ってしまう」という側面は「商標ゴロ」を呼び寄せる事になった。

「商標ゴロ」とはその名称やそれに関わる商品・サービスとは何ら関係の無い第三者であるにもかかわらず、本来の権利者に断りもなく申請し、「登録商標」を自分の財産にしようとする者を指す。

申請が通ってしまった場合は、その法的根拠をもって使用料を要求する事を合法的に行うことができる。

その他の問題

新商品や新事業についての商標登録の申請はそれを知った他者・他社から勝手に取られる事を防ぐ為に、消費者に向けた告知や広告公開・本格展開より遙か前に出願がなされる事が多い。

このことは商標ゴロとは別の問題を生む事となった。ニチアサ(日曜朝)や夕方の時間帯に展開される事の多い、複数クールから成るアニメや特撮番組を軸とするコンテンツにおける「商標バレ」問題である。

商標登録には名称だけでなく、作品のロゴも含まれる。これは手順を踏めば誰でも閲覧できるのだが、企業側はまだ宣伝の段階にも入れていない。

もし出願情報がSNSで不特定多数にばらまかれた場合、企業側の決めたタイミングとは違う時期にファン層の目に入り、本来の情報解禁時の新味を奪ってしまう。

名は体を表わす、という言葉通り、ニチアサ作品や同様な傾向を持つ作品は名称とロゴに作品のモチーフやジャンルを反映している。これが拡散されれば不特定多数に次回作についての情報が漏れてしまうのと同義である。

この問題の詳細については「解禁前につき無断転載禁止」を参照。

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