概要
妖怪としての狐(化け狐、妖狐)のうち、善性のものを指す。対義語は『野狐』。
良い行いと悪い行いを理解している狐の事。稲荷神社などに居る狐がそれ。
種族群として
江戸時代の随筆『宮川舎漫筆』収録の「狐ものがたり」では生まれつきで存在する5つの種族の総称とされる。
内訳は天狐・金狐・銀狐・白狐・黒狐。本書では「天日」という狐が取り憑いた少年の口を介してこの情報を教えたと記されている。
ただし、天狐については古来より年経た狐がなる(つまり生来ではない)ものとされ、同じ江戸期日本の『有斐斎箚記』では善性かつ最高ランクの狐として記されているが、より古い時代の中国では魔性の存在としても語られており、この区分が定説というわけでもない。
五つの狐種族からなる善狐、という枠組みは他の文献では確認されておらず、日本の民間信仰においてどの程度広まっていたかは定かではない。