CV:大泉洋
概要
小柄な体格をした猿のバケモノで、かねてから付き合いのある熊徹の数少ない友人の一人。皮肉屋でお調子者な性格であり、ことあるたびに熊徹の不器用さを指摘、揶揄しては彼を苛立たせるのを楽しんでいる節がある。しかし一方で、九太を育てるのに悩む熊徹にアドバイスを送るなど、義理人情的な一面を見せる 。
突如として熊徹が育てることになった人間の子供・九太を、当初はバケモノ界と人間界との価値観・文化の相違などから冷ややかな目で見ており、武人としての才も皆無と見なして彼に人間界に帰るよう促すなど、冷たく当たっていた(しかし上記の義理堅い一面から察するに、これは単純な差別感情よりも、人間蔑視というバケモノ界の風習によって九太が苦労しないようにするための彼なりの思いやりであると思われる)。しかし彼が熊徹の日頃の動作を真似することによって次第に実力を付けてくると、そんな九太に感心を抱き徐々に親しくなり、彼からは「多々さん」と呼ばれるようになる。そして共に修行し力をつけていく熊徹と九太の成長を百秋坊と傍から見守ることが生きがいとなる。
物語終盤で九太が心の闇に侵され狂暴化し世界を滅ぼそうとする一郎彦と戦うために出立する間際に彼と百秋坊に自らの成長を見守ってくれたことに対する感謝の念を述べた際には、彼が一人前になったと悟り感激し涙ながらに彼を激励して百秋坊と共に見送った。
その後九太が付喪神に転生した熊徹と共に一郎彦を鎮静化させたのち人間界で新たな目標を目指すために街を去った後は、二人が過ごした熊徹庵の跡地に百秋坊と共に茶屋を開業し、訪れる客に茶を振る舞う傍ら彼らのことを話している。