大谷九郎
おおたにくろう
その身長のために周囲からは「頼りがいがない」と言われ続けており、「人から頼られる男になりたい」と強く願い、努力を重ねる頑張り屋。周囲の仕事を率先して引き受けようとする。
しゅりほどではないものの男子だけあって筋力はあり、夏祭りで下駄の鼻緒が切れたしゅりをおぶって運んでいる。また声も本気を出せば非常に大きく、祭りの雑踏の中で遠く離れためぐみとまさ子に届くほど。
口調は少々ぶっきらぼうだが、しゅりを咄嗟に庇ったり仕事を手伝ったりと、周囲をよく見ており思いやりのある性格。
周囲からいつも頼られているしゅりのことは、1年生のころから対抗心を燃やしていた模様。彼女に面と向かって「絶対頼らない」と宣言する数少ない人物。
しかし一方で自身の行為を「自己満足」、しゅりの様子を「どんな頼みでも楽しそう」と評するなど、少なからず彼女のことを認めている節もある。あまりに頼られまくるしゅりをうらやましそうに眺めることも。
ただし彼が時折見せる男らしい行動でしゅりが赤面する場面もあった。
夏祭りで迷子になったしゅりと偶然遭遇し、下駄の鼻緒が切れた彼女をおぶって人込みから離脱。大きな声でめぐみとまさ子を見つけしゅりと合流させ、彼女を助けた。
それ以降しゅりからは「気になる男子」として意識されており、また彼自身も彼女を少なからず意識していた。しかし積極的な彼女に対して少々鈍感かつ純情であり、また彼女に対して「釣り合わない」という複雑な心境だったこともあり、関係をはっきりさせない状態が続く。
※以降ネタバレ注意
そんな折、高校生の時についにしゅりが「たわけぇ!」とキレてしまい、二人は大げんかをしてしまう。自身の行為がしゅりを傷つけていたことを知った彼は、落ち着いたのちに「お願い」という名の告白をする。もちろん彼女は「断らない」ため、ようやく二人は恋人となった。
奇しくも「絶対に頼らない」と宣言した相手に「お願い」することによりその相手と付き合うことになったわけである。
以降はデートに行ったり、そのためのバイク免許を取りに行ったりと、交際を続けている。因みにしゅりは彼の実家にバイトに行っている。