宇治十帖
『源氏物語』の続編にあたる物語。一般的にはほかの四十四帖と同じく紫式部作とされているが、娘の大弐三位が執筆したのではないかという説も根強い。
光源氏が華やかに活躍した本編とはうって変わって陰影の濃い内容となっており、近代小説に近い作品として知られている。
薫、匂宮、宇治の八の宮の三姉妹を中心に物語が展開される。
あらすじ
光源氏亡き後、彼の息子・薫と孫である匂宮が活躍する時代。
夕霧を初めとする多くの貴族が華やかな貴公子二人を娘婿に望むが、自由恋愛を謳歌する匂宮と自分の出自に疑問を抱いて苦悩する薫は求婚を断っていた。
そんなある日、薫は光源氏の弟宮の八の宮の姫達の噂を耳にする。
やがて八の宮の姉妹に、薫と匂宮は心惹かれるようになる。