概要
原義は仏教用語で「死後に生まれ変わること」及び「死んだ後の世界」を意味する言葉である。
狭義では「極楽往生=死後の安楽」を指す。
「後生」を用いた慣用表現
「生きている間に善行に励む=徳を積むと後生でより良い生を得られる(最上級は極楽往生)」という仏教の思想に基いた表現である。
- 後生大事
死後の安楽のために懸命に善行や仏道に励むこと。
転じて、物事に懸命に励むこと。また、特定の物や事を大事にすること。
「本当にあるのかも分からない死後のために躍起になっている」「価値の無い物や事のために熱を傾けている」という皮肉で使われることも多い。
- 後生だから、~してくれ
哀願の言葉。
「お前さん自身の後生のためになると思って俺に慈悲をくれ」という意味で使う。
現代人の感覚では「人の死んだ後を気にする前に今自分が礼を返すことを考えろよ」と冷めた印象になるかもしれない。
pixivでも「場所代わってくれ」「売ってくれ」と合わせて「後生だから」が使われるケース多い。
理由はイラストを見れば分かる。
現代人にはもう古い?
昔ほど仏教に熱心ではなくなった現代日本では感覚的にピンと来ない表現になってしまったかもしれない。
とはいえ上の世代では普通に使われており、年の離れた層との付き合いがある(あった)人、時代劇や昔の本が好きな人ならまだ耳馴染みのある語彙とも言える。