概要
2012年4月25日に講談社ノベルスより発売された、西尾維新による小説。
2012年10月25日にやって来た『大いなる悲鳴』により、人類が激減した地球を舞台に戦う少年少女の姿を描く。
作中において人類は『地球』と敵対関係にあり、地球が遣わした『怪人』と戦闘を繰り広げることになる。
『地球を滅ぼそうとする悪しき者』ではなく『人類を滅ぼそうとする悪しき地球』と戦う、アンチセカイ系な物語と言える。
『西尾維新・最長巨編にして新たなる英雄譚』と銘打たれ、某鈍器ライトノベルばりの恐るべき分厚さを誇る。
小説内には挿絵は無い為、pixivにある悲鳴伝の絵はイメージイラストとなっている。
また、維新のデビュー作である戯言シリーズ以来となる『0と1の間の言葉』が復活している作品でもある。
小説の分量に対して値段は1300円(+税)。高いか安いかは貴方次第。
2013年2月26日には続編『悲痛伝』が発売され、同時に本作が全十巻に渡るシリーズ物『伝説シリーズ』の第一巻目である事が明かされた。
また、2015年12月4日からはヤングマガジンサードにて漫画版が連載されている。
主な登場キャラ
空々空(そらから・くう)
主人公。感情の無い冷めた思考を演技で繕い生きている少年。
それ故に怪人『地球陣』を見ても怖がらなかった事から、怪人と戦うチーム『地球撲滅軍』に招かれ、戦いの日々を送ることとなる。
透明化スーツ『グロテスク』と、人に化けた地球陣を見破るゴーグル『実検鏡』を与えられている。
剣藤犬个(けんどう・けんか)
地球撲滅軍の一員。入隊した空の世話を担う少女。
大いなる悲鳴は勿論、その予兆『小さき悲鳴』をも無傷で生き延びた『地球の悲鳴が聞こえない人間』。
対象を全自動で切り捨てる刀『破壊丸』を与えられている。
左在存(ひだり・ざいぞん)
地球撲滅軍にてペット及び索敵要員として飼われている犬。
言葉を喋ることが出来、何故かギャンブル関連の台詞をよく口にする。
人間の気持ちを読み取れる首輪『共鳴環』を与えられている。
飢皿木鰻(きさらぎ・うなぎ)
地球撲滅軍に協力する診療所の所長。
感情の無い空にスクールカウンセラーとして向き合うと同時に、彼を地球撲滅軍に推薦した人物でもある。
妻と娘が存在するが、現在では離縁している。
花屋瀟(はなや・しょう)
空と同じ少年野球団に所属していた少女。
彼とは先輩であると同時にライバル関係にあった模様。
進学した都合で野球を辞め、それ以降も空と関わりを持っていたが……。
地球陣(ちきゅうじん)
人類を快く思わない『地球』が生み出した、地球撲滅軍に敵対する怪人。
普段は人間に擬態しており『美の極致』と呼ばれる神々しい正体を持つが、そちらの姿はあまりの美しさに直視すると目が潰れ、脳も記憶することを拒むという。
人間社会を浸食する存在とされているが、その具体的な計画は謎に包まれている。