概要
2013年2月26日に講談社ノベルスより刊行された、西尾維新による小説。
小説内には挿絵は無い為、pixivにある悲痛伝の絵はイメージイラストとなっている。
人類を壊滅状態に追い込んだ大いなる悲鳴から一年後、四国を舞台に地球に代わって主人公を襲う新たなる敵『魔法少女』との戦いを描く。
前作で空々たちが亡命しようとしていた別組織「絶対平和リーグ」が本格的な登場を果たし、彼の組織が開催したとされる「四国ゲーム」の実態が徐々に明らかになる。
悲鳴伝が怪人と戦闘を繰り広げるスーパーヒーローを演じていたのに対し、今作ではvsスーパーヒロインの異色バトルで物語が展開する。
前作に引き続き、携帯サイズの辞書かと見紛うほどの超弩級のページ数をもち、かつシリーズ物である事を意識してか、本作のストーリーは次回へ続くという形式を取っている。
読者間ではその手法が『内容が盛り沢山だ』『いや冗長だ』と賛否両論を呼んでいるようだ。
ちなみに、西尾作品には同じく魔法少女が登場する『新本格魔法少女りすか』が存在するが、りすかでは『魔法使いは九州にしか居ない』とされているため、世界観の繋がりは無い模様。
主な登場人物
空々空(そらから・くう)
13才の主人公。『地球』と戦う人類防衛組織『地球撲滅軍』第九機動室室長。
今作では全住民が突然消失した四国の調査を命じられるが、同業者である『魔法少女』に警戒され敵対関係となってしまう。
対象を全自動で切り捨てる刀『破壊丸』と、高速移動自転車『恋風号』などを与えられている。
登檻證(のぼりおり・しょう)
『絶対平和リーグ』に所属する魔法少女。
同時に魔法少女チーム『サマー』の一人『メタファー』でもある女の子。
空々が劇中最初に接触した魔法少女である。
空中に浮かび、自由自在に飛行できる魔法を使える(後に、飛行は全魔法少女の共通能力であり、マルチステッキを使用した彼女の固有魔法は別にあったことが判明する)。
特技はうどん作り。
秘々木まばら(ひびき・まばら)
頭脳明晰な魔法少女『パトス』。
チーム『サマー』のリーダー格。
空々がちょっとアレだったことに衝撃を受ける。空々が問答無用で斬りかかってくるが...
マルチステッキ『シネクドキ』により、殴ったときに「相手にどんな状態にするくらいの衝撃を与えるか」を自在に操る魔法『ぴったり』を使用する。
例えば「相手の武器を粉々に破壊するのにぴったりの力」や、「相手を気絶させるのにぴったりの力」を発動できる。
劇中初のマルチステッキ使用者である。
手袋鵬喜(てぶくろ・ほうき)
極めて不安定な魔法少女『ストローク』。
人間として難があるレベルでメンタルが弱く、空々を出会い頭に敵と判断し、ほとんど錯乱状態で攻撃を開始した。
高威力の極太ビームを際限なく連射できるというあまりにも危険すぎる魔法『ビーム砲』を使い、物語の舞台となった学校の校舎を見るも無惨に破壊している。
杵槻鋼矢(きねつき・こうや)
全魔法少女中最年長の少女『パンプキン』。
チームメイトからも変人扱いされていたとされる、曰く付きの存在。
作中では突然空々に同盟の取引を持ちかけ、彼の推理力を試そうとする。
その言動は前作のヒロイン『剣道犬个』に酷似している。
仲間に対する情は厚いが、いざという時には切り捨てる冷徹さも持つ少女。
その魔法は魔法少女に対し絶大な効果を持つ一方、一般人には無効となるらしいが……?