概要
北海道帯広市愛国町にあった広尾線の駅。広尾線の廃線に伴い1987年(昭和62年)2月2日に廃駅となった。
1973年に『新日本紀行』で取り上げられたのを機に当駅から幸福駅までの切符が「愛の国から幸福へ」として話題となった。本来は無人駅だったが乗車券がブームとなったことから隣の大正駅の助役が当駅の助役を兼務し、実質的な有人駅となっていた。
現在も残る駅舎は1979年に改築されたもの。改築を記念して記念乗車券が4万5千枚販売されたという。
ホームには乗車券をかたどった駅名標や庭園が造られ、駅スタンプも設置された。
駅横にはヨ3500の廃車体を利用した売店もあった。
廃止後は帯広市により「愛国交通記念館」として整備され、駅スタンプのほか当時使用されていた通票や備品、乗車券などが保存・展示されている。
線路上には9600形蒸気機関車19671号機が保存されている。
売店は2007年頃にはすでに閉鎖されており朽ちた状態で放置されている。
駅名の由来は所在地の愛国町から。そして愛国町の由来は当地を開拓した愛国青年団から。
駅構造
廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅であった。使われなくなった下り線はホームは撤去されたが線路は側線として残されていた。