概要界に僕という名の、期待の新星登場だ!
「持込君物語」というシリーズの主人公である。年齢は19歳(GBからは20歳になる)。
名前の通り漫画の持ち込みがテーマで、漫画家志望の青年が描いた漫画のあまりのツッコミどころの多さに漫画雑誌の編集者が困惑する話。
『ギャグマンガ日和』には「夢野カケラシリーズ」という漫画の打ち切りをテーマにした話があるが、あちらは連載中の漫画について電話越しで相談するのに対して、こちらは全くの素人が描いたただの落書きに雑誌編集者が直接ツッコミを入れる面接のような形式で話が進む。
比較すると、夢野の作品は確かにダメな部分が目立つものの、それでも漫画として最低限の体裁は保っていたことがわかる……かもしれない。
漫画家志望の人は、作中で取り上げられるテーマを描く上での留意点や持ち込み時のマナーといった部分を反面教師として見るといいだろう。
持ち込み作品界に僕という名の、期待の新星登場だ!
- ラフファイト!来夢(原作「ギャグマンガ日和」第11巻収録)
テコンドー使いの少女・来夢が活躍する格闘漫画。
「画力が低すぎる」「人体をきちんと描けないと格闘漫画は難しい」「少年誌で女の子を主人公にするのはリスクが大きい」が主な問題点。
最後は「つづく」で終わっており、持込君としてはあらかじめ雑誌に掲載されることを前提にして描いていたことがわかる。
- 鎌倉メロディ(原作「ギャグマンガ日和」第14巻収録)
神奈川県鎌倉市を舞台に女子高生のガールズバンドが頑張る音楽漫画。
「取材がいい加減」「建物や器物、背景はプロでも資料を見ないと描けない」「実在する土地を舞台にするならなおさら風景をしっかり描かないといけない」が主な問題点。
- グルメファイト明美(原作「ギャグマンガ日和」第15巻収録)
料理コンテストで優勝を目指す少女の奮闘を描いたグルメ漫画。
相変わらず進歩しない画力は当然として、今回は「台詞回しが陳腐」「グルメ漫画は料理をおいしそうに見せることと食べる人のリアクションが大切」が主な問題点。
ちなみに持込君の持ってきた原稿はセリフにひらがなが多く、字そのものも非常に汚い。
- 澤穂希物語(原作「ギャグマンガ日和GB」第2巻収録)
まさかの実在人物のサクセスストーリー。もちろん澤選手には無許可である。
こんなものを雑誌に載せたら最悪の場合出版社が訴訟されかねない。今まで以上に非常識極まる持込君の行動に、編集者からも「なんでコレ描こうと思ったのかな……?」というもっともすぎるツッコミが入った。
人物界に僕という名の、期待の新星登場だ!
「漫画界に革命を起こす」という分不相応な夢を抱く実家(地方)暮らしの青年。当然ながら無職である。
しかし、その実態はただのダメ人間で、
- 商業誌に載せるのに不十分な低い画力
- 画力が低いのに少女ばかり描きたがる
- その上、夢野と同じくパンチラやお色気描写に妙に拘る
- 「何か見て描いてたら実力がつかない」と言って模写(絵の練習)を嫌がる
- 「必要と判断したらする」と言って資料集めや取材を嫌がる
- やたらとアニメ化・グッズ化といった商業主義に拘る
- ボキャ貧
と、多くの課題を抱えている。
もちろんダメ人間なので人格面でも問題が多く、
- 親に食わせてもらってるのに親に対して反抗的な口を利く
- そんなに若くないのにやたら若さをアピールして点数を稼ごうとする
- 少しでも相手に非があると鬼の首をとったように揚げ足を取る
- 連載・メディアミックスがすでに決まったという前提で話を進めようとする
- 無駄にプライドが高く、編集者のダメ出しを素直に聞き入れない
- 少しでも厳しい事を言われるとすぐ泣く
- 自分では天才だと思っているため向上心は皆無に等しい
など、総じて子供じみた部分が目立つ。
私的な取材(ほとんどしていないが)旅行費を「漫画のための取材なんだからそっちが出してほしい」と編集者に要求するなど、社会的常識にも欠ける。
関連人物界に僕という名の、期待の新星登場だ!
- 持込君の母親
毎回同伴で編集部に来て編集者のコメントを聞いては息子の漫画の欠点や無礼な態度を注意する。
持込君のことを「たっくん」と呼ぶなどやや過保護だが、本人は穏やかかつ良識的な性格で、編集者に対する人当りもよい。
同行する理由は交通費の都合や編集者のコメントをしっかり聞かせるためもあるが、一番の理由は「自分がついていないとまともに他人と話せないから」であるらしいことが「澤穂希物語」で示唆された。
- 編集者
毎回持ち込み作品の添削を担当する。
持込君に対して冷静かつ傷つけないようアドバイスするが、常に聞き入れられない。
持込君の作品でもなるべくフォローするなど優しい性格だが、作中ではそれが災いして毎回持込君を調子に乗らせてしまう場合が多い。