概要
2008年10月22日に、総理大臣官邸で当時の麻生太郎首相とマンモハン・シン首相によって取り決められ、宣言書に署名された。
協力の分野
- アジア太平洋地域情勢、長期的戦略及び国際的課題に関する情報交換及び政策調整
- アジアにおける多国間枠組、特に東アジア首脳会議、ASEAN地域フォーラム及びアジア海賊対策地域協力協定における二国間協力
- 2006年5月に防衛首脳間で署名された共同発表の枠組みにおける防衛対話・協力
- 海上保安当局間の協力
- 輸送の安全
- テロ及び国境を越える犯罪との闘い
- 平和維持及び平和構築に関する経験の共有
- 災害対策
- 軍縮・不拡散
正式名称は『日本国とインドとの間の安全保障協力に関する共同宣言』 (英:Joint Declaration on Security Cooperation between Japan and India)であり、略称に『日印安全保障宣言』『日印安保宣言』などがある。
これは日本の自衛隊が、名目上は軍隊の扱いではないためこうした表現になっているとされるが、これは一種の軍事同盟に近く(“準”軍事同盟と言うべきか)、2010年に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに中国共産党が尖閣諸島の支配を既成事実化しようとした際には、その1週間後にインド政府はこれまで長距離核弾頭ミサイル「アグニ(炎の神)」は、長い間開発中と明言してあったのにもかかわらず、「アグニは完成し、中国各都市に照準を合わせた」と公式発表した。
これは言ってみれば、インドが「日本に手を出したら核ぶち込む」(超意訳)と中国を脅した形である。
また、単に安保協力による日本への配慮だけではなく、もし尖閣諸島を中国が占領すれば、中国はそれに勢いづいてインドを始め国境を隣接するアジア諸国の領土を奪おうとし、アジア諸国が危険に晒されるであろうことも考慮しての行為とされ、流石にこのインドの発表には中共も堪らずスゴスゴと引き下がっていった。
更に2014年9月1日には、安倍晋三首相とナレンドラ・モディ首相による日印首脳会談が行われたところ、 日本による政府開発援助(ODA)を含む約3.5兆円規模の投融資の実施や、原子力協定の妥結に向けた協議の加速、インド海軍と日本海上自衛隊の海上共同訓練の定例化などを盛り込んだ「日インド特別戦略的グローバル・パートナーシップのための東京宣言」と題する日印共同声明に署名した。
両国関係を、「特別な戦略的グローバルパートナーシップ」に格上げすることで一致し、事実上の"準同盟国"と位置づけられ、日印安保協力はさらに強化された。
近年ではインド防衛省が、日本において2014年4月1日に国家安全保障戦略に基づき、新たな政府方針として制定された『防衛装備移転三原則』によって、海上自衛隊が運用する救難飛行艇『US-2』の導入を検討している。