概要
日露関係(にちろかんけい、ロシア語:Российско-японские отношения)は、日本とロシアの国際関係の事である。両国はロシア人の極東進出と日本人の北方開拓により、隣国として基本的には敵対しながらも密接な友好関係を結びながら歩んできた。
両国の比較
国名 | 政体 | 首都 | 国土 | 人口 |
---|---|---|---|---|
日本国 | 議院内閣制 立憲君主国 | 東京 | 37万7973平方キロメートル | 1億2088万5000人(2024年2月) |
ロシア連邦 | 半大統領制 連邦共和国 | モスクワ | 1712万5191平方キロメートル | 1億4615万789人(2024年1月) |
歴史
初期
1855年2月に外交関係を樹立し、1871年1月にエフゲニー・カルロヴィッチ・ビューツォフが最初の駐日大使となった。両国の外交関係は1855年2月から1917年11月までのロシア帝国と、同月から1991年12月までのソビエト連邦の時代からの延長で、歴史的にも両国の友好関係が築かれていた。しかしロシアが中国の東北部にある満州地方を占拠するなど、1904年2月に旅順にて日露戦争が開戦する事態に発展し、1905年9月に戦争が日本の勝利に終わってからは友好関係に転じた。
ソビエト連邦
1918年5月にロシア内戦が開戦すると、日本はこれに介入してロシアの極東とシベリアに軍部隊を派遣した。1932年3月からは両国の間で国境紛争が続き、1941年4月に中立条約を締結して両国の相互不可侵と平和的な友好関係が取り決められた。1945年4月にソ連は中立条約を破棄した後、同年8月に日本に宣戦布告して北方4島の占領を開始した。1956年10月に日ソ共同宣言で戦争状態は正式に終結したが、2024年10月現在でも千島列島の領有権については解決していない。
ロシア連邦
1991年12月にソ連が崩壊して同月にロシア連邦が成立すると、日本はソ連の継承国としてこれを承認した。2022年2月にロシア・ウクライナ戦争が開戦し、日本がロシアに対する制裁措置を実施してからは緊張関係になり、同年3月に両国は相互にそれぞれ非友好国の指定・最恵国待遇の剥奪を実施した。この戦争は両国の経済関係にも甚大な影響を与え、2024年4月にロシアの北極圏で進められてきたLNG(液化天然ガス)の開発プロジェクトであるアークティックLNG2が一時停止した。
その他
両国の友好関係
両国には経済的な交流がいくつかあるが、北方領土問題や平和条約が未だに締結されていないなどの懸案事項がある。2016年3月に全ロシア世論研究センターが世論調査を実施し、同年9月に結果が発表された。ここではロシア人の78パーセントが「日本とは友好関係にある」と考えて重視しており、97パーセントは両国の友好関係を「重要」または「どちらかと言えば重要」と答えた。
経済
2013年5月に国際石油開発帝石とロスネフチが、マガダン沖合での油田の共同開発で基本合意した。1995年6月のサハリン1以来18年ぶりにロシアと資源の共同開発を開始し、開発するのはマガダン州の沖合50キロメートルから150キロメートルのマガダン2・3の鉱区で、日本側が権益の3分の1を取得する見込みである。政府は石油天然ガス・金属鉱物資源機構を通じて開発を支援する方針で、イーゴリ・セーチン社長が経済産業省を訪問して合意文書を締結した。