概要
漫画「WORST」の主人公。鈴蘭男子高校の第29期生で、誰も成し遂げたことのない鈴蘭男子高校の番長を目指す。
梅星政司・梅星靖司の兄弟が営むアパート「梅星一家」の5号室に下宿している。
出身は携帯電話の電波が圏外となる山奥の村。住所には「字」「大字」「山中」が入る上にとてつもなく長く、マムシや熊が出没する山を小学校で1つ、中学校は山1つ半を越えて通学していたとのこと。
8歳の時、裏山の土砂崩れから奇跡的に生き残るも、両親や「大福」と名付けた飼い犬を失うという壮絶な過去を持ち、それからは長い間、祖母と一緒に生活。
3年時には先輩達から受け継いだバックルをベルトに着用している。
人物
「カールおじさん」「マルコメ」「野球部の補欠」「万年補欠のおにぎり」などと呼ばれるような、威圧感のない風貌の持ち主。
性格は純朴かつ天真爛漫で、よく笑顔を浮かべている。感激した時のみならず料理の美味さに泣けるほど涙もろい。ただ、自分のためだけでなく他人のために泣ける男で、仲間思い。その優しさから見知らぬ妊婦を助けたこともある。
先輩達に対しては敬語で喋るなど基本的には礼儀正しいが、少々抜けている面もある。ノゾキなら喜んで付き合うと言いながら、裏ビデオを見てパンクするなど、純朴な一面もある。
寅さんに憧れている。タイマンの前には「恨みっこなしな」と言うのが口癖。
実力
山奥を駆け回り、「野生の熊や猪と喧嘩をしてきた」ことで培われた、非常に高い身体能力の持ち主。中学時代に100m走で11秒を切り、30キロの村民マラソン大会で5分遅れのスタートでも優勝するなど、スピードやスタミナも頭一つ抜けている。その反面、ボウリングやダーツなどの技術を伴う競技は苦手としている。
ケンカの実力も極めて高く、必殺技のアッパーは凄まじい威力を持つ。1年次から頭一つ抜けていたが、高校に入ってからも強くなり、最終的には作中最強の花木九里虎と伍するほどの実力を持つに至っている。
また、上述した強さと相まって他人のために泣ける熱いハートによる人間的な魅力も持っており、壮大な目標を掲げた花に対して花澤三郎(ゼットン)、岩城軍司などはどこまでやれるのか期待を抱くなど、多くの人の心を掴んだ。萬侍帝國の蛭子幸一は「萬侍帝國に居たら迷わず次の総長に推薦していた」と語っている。
活躍
一年次
引越し早々「梅星一家内で長男(序列)を決めよう」という迫田武文の提案に対し、「自分が勝ったら皆五分の兄弟」と発言。対立した迫田とのタイマンで勝利する。
鈴蘭入学後、自分の実力を試すために「鈴蘭一年戦争」に参加。入学初日でいきなり「愛する鈴蘭を一本にまとめる偉大な番長になる」と宣言して鈴蘭内で注目を集める。決勝で天地寿とタイマンを張り、必殺のアッパー一撃で倒して優勝。その名を戸亜留市内に轟かせる。その後はゼットンの企みで九里虎とタイマンを張るも、この時は完敗。
そんな花の下に迫田や武藤蓮次、八板郁美、尾崎健市といった一年の有力者が集まり、「花一家」を結成する。
鳳仙学園との抗争では開幕時に黒澤和光を助け、決着となるタイマン五番勝負では先鋒に出場して勝利するなど活躍した。一年後半で起こったギャング集団「漆黒の蠍」との抗争でも仲間と共に参加し、勢力を拡大していく。
二年次
二年生になった直後、神戸好克(ブッチャー)の一派「FBI」との抗争が勃発。あえて悪役になって鈴蘭魂を伝えようとするブッチャーとのタイマンを制し、FBIを味方につけた花一家が鈴蘭最大派閥となる。また、これを機に派閥の名称を花一家から「花組」に改称した。
その後は村田将五立ち合いの元で光政とタイマンし勝利、さらに同年代の強豪である桜田朝雄(アボ)のタイマンを制する中、急速に勢力を拡大する「天地軍団」と激突。花組の面々が次々と軍団幹部を倒す中、自身も攫われた寅を助けるために単身で天地軍団を蹴散らす活躍を見せ、天地軍団を壊滅状態に追い込む。
天地との最終決戦となったタイマンでは激戦の末に天地を倒し、長い因縁に終止符を打った。
また、九里虎の留年が決定した時は、卒業する上級生から「打倒九里虎」を託された。
三年次
最高学年となり、主だった一年が加入して鈴蘭に敵対する勢力がなくなった花組であったが、鈴蘭の人間全員から番長と認められるには至っていなかった。伊庭亜樹夫率いる伊庭組が最後の反対勢力となっているのも事実であったが、何より留年した九里虎が鈴蘭統一の大きな壁となっていた。
そして花は九里虎とのタイマンを決意。多くの鈴蘭生が見守る中、体育館で行われたタイマンは、最初に猛烈な奇襲を受けながらも立ち上がり、壮絶な殴り合いを展開するも、必殺のアッパーを外し、逆に飛び蹴りを食らって敗北。だが、その花を破った九里虎から「番長には花がふさわしい」と主張。その言葉によってついに史上初の鈴蘭完全統一を成し遂げ、初代番長に就くことになった。
統一後は自ら抗争を起こすことはなく、「番長は騒ぎの火消し役」という自身の信念のもと、鈴蘭内で起こる騒ぎの仲裁に駆け回り続けた。
萬侍帝國と武装戦線の抗争では、武装戦線から助力を要請され、これを快諾。七人会の命を受けて戸亜留市にやって来た神城會、江之本會、武龍會に鈴蘭を率いて迎え撃ち、自身も武龍會の會長である辛島純をタイマンで倒す。
その後行われた、戸亜留市代表の七人と萬侍帝國七人会とのタイマン戦では1番手を務め、織田健會・會長の柴木正美に勝利。
七人会とのタイマン戦が終わった後、ビスコから近々タイマンしに行くと言われ、快く承諾。その後、卒業間際にビスコが戸亜留市に来たことによって喧嘩に発展。描写は無いが結果は敗北。(ただしビスコ曰く「やっと勝てた」との事)
無事に卒業後、「祖母が足の怪我をした」ということで、地元に帰っていった。
余談
外伝『ドクロ』7巻に収録された番外編では祖母が登場しており、花の下宿の下見のために戸亜留市を訪れた際、チンピラに絡まれたところを九里虎と鉄生に助けられている。