概要
CV:堀江由衣
本多奈津子とは、『王様ゲーム』のキャラクター(画像左)。
『終極』『臨場』の二作に登場し『臨場』では主人公を務める。
『終極』では県立呉広高校2年1組、『臨場』では県立紫悶高校1年4組の女の子。
天然気味でマイペースだが、自殺を図った時の影響で幼い頃の記憶がない。
転校当初他人を拒絶する傾向があった伸明を気にかけ、気があるようなそぶりも見せていた。
しかし王様ゲームが始まると冷酷な面を見せ始め、伸明に言い寄るフリをして彼の経験した王様ゲームに生き残りのヒントがないか探りを入れるなど自分の生き残りを最優先にしつつ、同時に他のクラスメイト達の疑心暗鬼を煽り、クラスメイト達に脅迫や間接的な殺害を行い、恐怖を撒き散らしていく。
その正体は伸明と同じく過去の王様ゲーム(『臨場』で描かれたもの)の生き残り。
一連の行動の根底にはその前回のゲームでの経験があり、当時のクラスメイト達の誰もが生き残ろうともがき苦しみながら死んでいくその様を見たことで、「どうせ抗っても無駄なのだから早く苦しみから解放させてあげたい」という想いが暴走した結果であった。
一方でそうした自分の行動が外道であることも自覚しており、自分だけが生き残ろうとするのも我が身可愛さからではなく、「参加者達を死へ導く汚れ役はその経験者である自分が少しでも長く引き受け続けなければ」という想いからきている。
クラスメイトを誰も死なせまいと奔走する伸明を敵視し、幾度となくゲームを利用して死に追いやろうとするが、実は前回のゲームで失った両想いの相手・安田健太朗の面影を伸明に見ており、密かに想いを寄せていた(つまり伸明に言い寄った際に見せたその好意自体は本物だった)。
ひとりでも多く救おうとする伸明の行動も前回のゲームで健太朗がとった方針と同じであり、さらに強く健太朗と同一視するようになったことから「王様ゲームや他の参加者の裏切りで失うくらいなら自らの手で」という考えで自ら手を下そうとしたのである。
最終的には里緒菜にチェーンソーで背中を抉られ致命傷を負うが、自分が死んだと思い気が緩んでいた伸明の首を里緒菜の手放したチェーンソーでかき斬り致命傷を負わせることに成功。上述の伸明を殺そうとしていたその真意を明かす形で想いを伝えてその生涯を閉じた。
もう一人の奈津子(※ネタバレあり)
王様ゲーム(起源)の登場人物。最初の惨劇の舞台となった夜鳴村の住人で、本作の主人公・一成の従妹。一成とは相思相愛だが、親族同士の恋愛に否定的な村の風潮に悩んでいる。
全ての王様ゲームの発端となった人物。
一成との恋愛が原因で、ある時母親と喧嘩になり、実家の土蔵に閉じ籠もってしまう。怒りで冷静さを欠いた彼女は近くにあった祖母から絶対に触れてはいけないと言われていた壺を割ってしまう。
この壺の中に入っていた液体こそが、王様の正体であるケルドウイルスの原型だった。
本多家は元来呪薬を使った呪術師の家系で、このウイルスも何らかの理由で、蠱毒の様な方法で作られた呪物であった。
このウイルスは村人に拡散され、最初に感染した奈津子は所謂女王感染者的な立場となり、無意識にウイルスに操られた「王様」となる。
最期は罪悪感から一成に自分を殺す様に仕向けて死亡する。
生き残った一成は後に結婚し、双子の娘を産む。その一方に忘れられない恋人の名前をつけた。それが「奈津子」である。しかし、その名前を呼ぶ度にトラウマが蘇り、一成は奈津子を虐待する。結果、奈津子は一成の母に引き取られ、もう片方の智恵美は一成によって姉妹の存在を隠されたまま育てられる。
そして、成長した2人は、それぞれ新たな王様ゲームに巻き込まれることとなる――