杣友空乾が登場する異空郷についてはこちらからどうぞ。
概要
種族 | 妖怪 |
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主な活動場所 | 異空郷全域、主に聚楽や東雲神社近辺など |
危険度 | 極低 |
人間友好度 | 中 |
身長 | 177cm(生前)→188cm |
※ただし危険度や人類友好度等の評価などは作中登場人物の景里清良によるもの。
元人間の妖怪。現在は舊地獄に居を構えているらしい。
人間の時は罪を犯したために武士から虚無僧になり、数年間行脚修行をしていたよう。武士であった頃、友人から騙されたために人を殺めてしまい、薬で抑えていたものの精神的な病を患っていたようで、刑を逃れるために虚無僧となる。当初は真面目に修行を行っていたが、数年後にはその性格と不良虚無僧ぶりに普化宗から追い出されてしまう。その後は身なりだけを虚無僧とし各地を放浪していたようで、最終的には聚楽に住居を構えたらしい。その放浪していた時期から人間でいることへの滞りを感じていた様子。
その後、詩織が「あちら側」へと興味を持っていることに勘付いた鶯が、妖怪になろうとしていた空乾を見せしめにと妖怪の道へ導いた。鶯によって異空郷の外側を見せられたことにより、人間であることに疑問を持っていた心に拍車がかかってしまう(鶯の姿自体は見ておらず、全て神の力かなんかだと本人は勘違いしている)。だが、鶯が手を加えずとも何れ妖怪になる方法を発見することには変わらなかったらしい。鶯の言葉を聞いた空乾はその日あったことを記し、鶯に何を言われたのかは不明だが、その後首を括り命を絶ってしまう。
鶯の手によって空乾が虚無僧であった時に書いた普化宗についてのことなどを記述した日誌のようなものと、旭の著作した占いでの研究成果などを綴った本の狭間をいじり、その日誌と旭の本の内容とがごちゃ混ぜになったものを藤の屋に置いていた。無論、普化宗などに興味のない詩織は旭の本の内容だけを読み、そこから占いの技術を抜粋する。自分の記述だけが読まれないことに不満を感じ、旭を嫉妬する心によって空乾は妖怪として復活を遂げたのであった。だが、その方法は怨霊になるという危険性があるため得策とは言い難いものではあるが、元虚無僧であった空乾は心を落ち着かせることに長けていたため、嫉妬の気持ちを落ち着かせ怨霊ではなく妖怪となった様子。だが、鶯は見せしめのために復活の手助けをしていたため、妖怪になろうが怨霊になろうが結果的にはどっちでもよかったのかもしれない。また、詩織の妖怪化への忠告と共に''詩織が妖怪化した場合、枇文は容赦なく退治できるのか''というところを鶯は見ていたという。
しかしその後、聚楽の人間が妖怪になることを許すわけにはいかないとして、先述の本を枇文が焼却処分しようとした際に本の内容に違和感を感じ鶯を問い詰めたことによって事のあらましが明らかにされる。
容姿
黒髪で髪は首元まで伸びている。人間だった頃はぼさついた髪型であったが、妖怪になってからは前髪をかきあげオールバックにしている。肌は怨霊の一種であるため灰色であるはずなのだが、感情を鎮めたためか薄い紫色へと変化したらしい。首には紫色のマフラーを巻き、黒い袴に身を包み外套を羽織り、白い靴下と共に草履を履いている。生前は細身であったものの極普通の人間の容姿であった。妖怪になってからは生前よりも図体ががっしりしているようだが、細身なことには変わりないよう。
性格
偏屈で協調性がなく、賢いはずなのにどこか勉強不足。調子の良いやつで場酔いしやすい。本質は気さくでやるときはやる性格であり、人間味に溢れている。なので妖怪になった後でも何かと人間臭いところがある。元虚無僧であったため心を落ち着かせることに長けていたが、事件の際の枇文の言動や妖怪になってからも人間だった頃と同じく不自由なことに憤りを感じ、中々落ち着きのない性格になってしまった。前述の通り武士であった頃友人から騙されたために人殺しの罪を背負ったことで、人間を信じられなくなり性格が拗けてしまったよう。しかしその身の上や経験から、意外にも博識であり大人らしい視点や意見で物事を見ている。のだが、傷つきやすくいじけやすい性格や意地っ張りなくせに寂しがり屋なところが災いし、どこか子供らしい面も持っている。いい歳したおじさんなのだが。
人間関係
退治したものとされたもの。復活直後、彼は枇文を「人里に危害を加えなければ妖怪でも退治しない」「無益な殺生はしない」と誤解しきっており、目の前で「妖怪巫女」と挑発する余裕まで見せていたが、枇文は「妖怪であれば理由なく退治する」人間巫女だったため、修祓棒のフルスイングで頭をカチ割られて退治された。しかしその後、鶯の目論見であったことを知った枇文は空乾を不憫に思い、冥界へと赴き話し合いをする。それによって空乾は「誰かに自分を認めてほしかっただけ」という胸の内を明かし、結局不自由な自分が嫌だっただけで妖怪も人間も関係なかったと語る。妖怪になっても不自由なことは変わらないと知ったため、空乾は自分が妖怪になった意味も分からなくなっていた。それを聞いた枇文は空乾に「自分(枇文)に君を妖怪として認めさせてみてよ」と持ちかけ、空乾に妖怪となった意味を与えた。そうして椿姫に許可を取り、冥界から連れ出している。その後は幾度も神社に現れては枇文に戦いを挑み敗北を続け、悪事を働こうとすれば頭をカチ割られている。しかしその他の場面では普通に神社に訪れ神に願っていたりと、和解してからは何かと仲良しになっている様子。鶯としては枇文のお人好しさに頭を抱えざるを得ない。
事件の際に空乾を蘇らせた張本人。だが詩織は空乾を見て驚いたため気を失っており、空乾のことは「背後にいた恐ろしい影」としか認識していなかった。詩織は空乾を蘇らせてしまうことになるとは全く思っておらず、蘇った空乾も誰が自分を蘇らせるかは分かっていなかったという。しかし、それが意図していないものであったとしても詩織を巻き込んでしまった事実は変わらず、その場に駆けつけた枇文と出くわす結果となってしまう。枇文と対峙した際に詩織のことを「小娘」と呼び嘲っていたが、妖怪になったことで気が強くなり調子に乗っていたためと思われる。復活した後は枇文の目もあり、聚楽や聚楽の人間には用がある時以外は近づかないようだが''本屋の娘を巻き込んで気絶させてしまった''ことに若干申し訳なさを感じていた模様。
占いを突然やりだした詩織の読んでいた本の著者が旭だったため、事件の際に枇文の勘違いによってとばっちりを受けた妖怪。復活した後は旭の元に謝りに行ったらしく、その罪悪感に漬け込まれ怪しいお守りを買わされている。現在では悪友という形で落ち着いており、旭の良からぬ案に後先考えず賛同しては二人とも枇文に懲らしめられているのがお決まりのパターンとなっている。