概要
東方Projectに登場する綿月豊姫にまつわる二次創作の一つ。
豊姫は初登場した『東方儚月抄』において桃とともに語られることが多い。
漫画版『儚月抄』の豊姫の最初の登場場面では桃にも関連した故事成語を呟いて庭園の桃を取ろうと手を伸ばしている。そのまま門前に舞い降りた際には両手いっぱいに抱えるように複数の桃を取っており、桃への愛着が描かれている。
この時は豊姫が桃に手を伸ばしたことで、綿月邸の門前で綿月姉妹への接触の方法を考えて苦難するレイセンとの接触にも至るものとなるなど、豊姫の桃を求める想いが結果的にストーリーを動かす要素の一つともなった。
『月のイナバと地上の因幡』では目にもとまらぬ速さでお皿の上に山積みになった桃を完食するなど驚異の特技(?)も披露している。
ただし豊姫の桃への愛着は、妹である綿月依姫をして「 食べすぎ 」とのことで、小説版『儚月抄』においても「 いっつも桃を食べたり海に行ったり 」と、依姫が感じる豊姫のゆるみを表現する要素として使用されている。同作では対比するようにレイアウトされた挿絵にも桃が描かれている場面もある。
『東方求聞口授』挿絵においても豊姫は桃とともに描かれているが、こちらでは『月のイナバと地上の因幡』において桃以外に豊姫が特に愛着を示したものである地上の兎(モブイナバ)の一匹を豊姫が抱き、この兎が桃らしきものをほおばる様子として描かれている。
豊姫が愛でるものが同時に描かれているカットといえるだろう。
豊姫にまつわる二次創作においても豊姫を象徴する要素の一つとして桃が用いられることがあり、桃を愛でる豊姫もまたそのイメージの一つとして形成されている。
必ずしも食べて愛するばかりではなく桃を通しての知識や智恵などもその文脈で語られる事があるなど、豊姫と桃については、愛でるものである故の理解の奥深さを備えるとされることもあるのである。
なお、東方Projectにおいては豊姫以外にも比那名居天子などが桃(仙桃)と縁を持つものとして語られているが、天子は桃に飽きているなど豊姫とは異なる点もある。