モブイナバ
もぶいなば
幻想郷の勢力及び建造物である、迷いの竹林に建つ永遠亭を中心に生息している妖怪兎達の事。
リーダーは因幡の素兎こと因幡てゐ。兎達は彼女の言う事はよく聞くという。逆に、少なくとも肩書き上はてゐの上司である鈴仙・優曇華院・イナバの言う事はさっぱり聞かないようである。というか鈴仙曰く、そもそも人語を理解するものが少ないらしい。(但し一部作品において彼女の命令に従うイナバ達が描かれている。後述。)
その姿は、作品によってまるっきりただの兎だったり、てゐのように頭にウサミミの付いた少女の姿だったりする。てゐの設定から考えるに、人化の術のようなものを身に付けた者が人の形に成れるのだと思われる。
迷いの竹林に蓬莱山輝夜と八意永琳が永遠亭を建てて数百年後に、てゐが永遠亭に侵入し、迷いの竹林の所有者を主張しつつ永琳に交渉を持ち掛け、その結果永遠亭にてゐ共々住む事になった。
交渉条件は「てゐが永遠亭に人間を寄せ付けないようにする代わりに、兎達に智慧を与える」事。当時、永遠亭には輝夜の永遠の魔法と永琳の智慧により「人間に見付かるまで歴史が進まない仕掛け」が施されていたので、隠れ住みたい永琳達の目的とてゐの提案は合致していた事になる。そして、本当にてゐのお陰かは不明だが永夜抄の時まで永遠亭に人間は来なかった模様(藤原妹紅は一応人間だが「山奥」で輝夜と再会したそうなので、永遠亭に来られたかは不明)。
その時から現在に至るまで、兎達は永遠亭に住んでいる。ただ、色々出歩く事もあるようである。
「モブウサギ」ではなく「モブイナバ」なのは、永遠亭の主である蓬莱山輝夜が永遠亭のウサギを全て「イナバ」と呼んでいる事から。
ちなみにその呼称の対象は、地上の兎だけではなく月の兎(玉兎)である鈴仙にも及ぶ。ただし、輝夜は彼女を「鈴仙」と普通に名前で呼ぶ事もある事から、通常の呼称が「イナバ」で統一されていても兎に対し全く区別を付けていない訳では無さそう。
主人であるていはともかく輝夜にも懐いているようだ。
・ゲーム
東方永夜抄
この作品のStage4以降が恐らくは初登場。それまでのザコ敵は毛玉のようなもの以外は妖精だったが、Stage4からザコ妖精らしきものの頭にウサミミが付くようになる。その為、Stage4~6とEXの妖精型ザコはこのモブイナバだと思われる。
東方文花帖
鈴仙のページ、兎角同盟(※1)の「神社における兎肉撲滅運動」の記事で挿絵に「反対!」「鬼畜!」「非道!」「残(酷! 又は 虐!)(カッコ内は隠れて見えない為推測)」といったプラカードを持った兎が描かれている。
※1:兎角同盟
兎に本来無い角を「無い物=常に理想」として、現状に満足せず常に向上心を持って行動する兎の集団、との事。思想だけは立派。
リーダーは鈴仙らしいが鈴仙とてゐが二人で決めただけで、兎達は鈴仙の言う事は余り聞かず、てゐの命令は聞くので殆どてゐ任せらしい。上記の反対運動時も鈴仙は「兎肉を食べるのは野蛮、反対」と主張したのに対し、てゐは「可愛ければ食べられない」と述べていて意見が統一されておらず、「神社の宴会では兎鍋と一緒に鳥鍋も出す」という妥協案で納得するなど余りまとまりは無いようだ。
東方三月精
1巻3話にて、三月精が兎狩り(キャッチアンドリリースの、ただのスポーツらしい)をしており、その際に兎が捕まっていた。妖怪兎かは不明。
また、4話では神社において霧雨魔理沙に草を貰っていた。これも妖怪兎かは不明。ただ、兎達の中に「てゐ」らしき者(本人かは不明)が混ざっていた為、てゐの配下、つまり妖怪兎である可能性は高い。
漫画版
上巻第一話で、てゐと似た格好をしたウサミミ少女達が例月祭(※2)において使う餅を、歌いながら搗いていた。人化したイナバ達だと思われる。
また、底巻第十九話でもこのウサミミ少女達がてゐの指示で歌いながら餅を搗いていた。その際、八雲紫達を綿月豊姫らが捕まえた旨を記した手紙を手渡しにレイセンが訪れたが、受け取ったてゐの「あれ(レイセン)が月の使者?頼りない。地上の神(ダイコク様)の方が頼りになる、お師匠様(永琳)より良い薬を作るし」との発言に同意したのかてゐと共に笑っていた。
小説版
第一話では、直接の登場はないが鈴仙の想像するてゐの足元にイナバ達と思われる兎達が描かれている。また、例月祭に使う餅には祭りを盛り上げる為にイナバ達による摘み食いを想定して永琳により興奮剤の類の薬剤が混ぜられている、という事が明らかに。てゐは気付いているようだが。
第二話でも、直接の登場はないがイナバ達が輝夜に永遠亭外の情報を伝えている事が明らかにされた。
4コマ版(『月のイナバと地上の因幡』。通称うどんげっしょー)
多数登場。全てデフォルメされた兎として描かれた。常に全員フリーダム。
てゐや輝夜にボールや釣り餌として扱われたり、輝夜の膝の上やてゐの頭の上に乗ってたり、妹紅に永遠亭に連れ帰ってもらったり、妹紅と世間話(?)してたり、輝夜に湯たんぽ扱いされてたり、輝夜の入ったビニールプールを持ち上げて揺らし砂を鳴らして波とその音を作ったり、ストライキ(おやつ増量で納得)したり、永遠亭の各種作業を適当に手伝ったり、豊姫に餌付けされて懐いたり、豊姫に誘拐されそうになったり・・・いろいろやってます。
上記の内、特に誰かの頭の上に乗っている光景はよく見られ、永遠亭の(またはそこに関わる)人々もまたモブイナバたちのフリーダムさを違和感なく受け入れている様子が見られる。
身体全体に弾力があるらしく、ボールのように「だむだむ」される光景もしばしば。
4コマ限定版では、なんと下巻においててゐの椅子として彼女と共にフィギュア化。恐らく東方モブキャラ初。
本作のマスコット(多分)。
※2:例月祭
満月の夜に行う祭りで、月の都から逃げ続けていた輝夜・永琳・鈴仙の罪を償う為の行事。薬草の入った餅を搗いてそれを丸めたものと、その他集めた丸いものを捧げ物として奉る。罪を償う以外に、そのような丸い物を偽の満月と見立てて、相対的に月を「遠いもの」として遠ざけ、使者が来るのを防ぐ、という目的もあるらしい。永琳の発案。
ちなみにイナバ達は片付けはあんまりやらない。よって片付けは殆ど鈴仙の仕事。
これについて儚月抄小説版によれば、先述のようにイナバ達が付く餅には普段は永琳によって興奮剤が仕込まれているため、気分が高揚して片付けをそっちのけにして他のことを楽しんでしまうためでもある様子である。ただし儚月抄4コマ版のように、そもそも楽しい事好きでフリーダムなイナバ達は永遠亭の家事や仕事に向いていないという、性格面からの理由も並行して考えられる。
東方茨歌仙
人の姿をしたものと兎の両者が登場。
本作ではてゐの配下の妖怪兎たちがどのような過程をたどって今に至るかについても語られている。
大半は明治時代に起こった「ウサギバブル」が崩壊した事により、捨てられた又は虐殺されそうになった個体であるなど、その過去はかなり悲惨であった。
因みに、このウサギバブルで主に取引されていたのはカイウサギであり、てゐ(恐らくノウサギ)とは種類が違う。
本作の妖怪兎(設定資料では「 モブうさぎ 」とも)のデザインは服装や髪の色など基本的な部分はてゐと同じであるがにんじんペンダントを所持していないことや袖に広がりがないなどの違いもある。髪質もてゐに比べストレートなものが多い。
作中では通常の兎の一羽(妖怪兎かは不明)をてゐが茨木華扇に譲っている。てゐ曰く、「 とびきり可愛い兎 」。上記の『三月精』や『儚月抄』ではてゐが「 カラーうさぎ 」を販売する様子が描かれているが、本作でも兎販売は生業である様子。
ただし華扇に贈ったケースについては兎の売買を快く思わない華扇に対するてゐによる半ば取引のような、口封じのための実績作りような策略としての一面もあるなど、てゐの抜け目のなさや逞しさもまた描かれている。
多くは、輝夜や鈴仙、てゐのイラストに一緒に描かれている。また、その場合はウサギの姿で描かれる事が多い。人化した姿で描かれる時はてゐと似た格好である事が多い。単体で描かれる事は少ない。
ただ、モブイナバでタグ登録される事は多くない。イナバや兎で登録される事もあるが、前者は鈴仙のフルネーム(鈴仙・優曇華院・イナバ)、後者は鈴仙とてゐの二つ名やその他諸々と被る為これらのタグでイナバの描かれた絵を検索する事は難しかったり。
- 兎の姿 / 人間の姿(いずれもてゐとともに)
- 様々なモブイナバの可能性
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時空を遡るという能力”逆鱗”を使い、幻想郷壊滅という絶望の未来から最高神の白龍と共に1年ほど時を遡った西の界王神。しかし、その世界には魅魔や先代巫女といった顔馴染みの者がおらず、ベビーを始めとするツフル人たちに幻想郷が荒らされていた。 大技で気力体力ともに消耗し、逃げる界王神と白龍。彼女たちが逃げ込んだ先は、迷いの竹林と呼ばれる不思議な場所だった。 ※お借りした表紙画の元はこちら( https://www.pixiv.net/artworks/16493386 )9,909文字pixiv小説作品